●2020年10月30日(金)
☆今日のワンコ☆ 今日は12歳の小型犬の体表にできたイボ(腫瘍)を取りました。悪性というわけではないのですが、表面が自壊してそこから出血するので、手術で取りましょうということになりました。 時々来院する子で、元気なのであまり気にしてませんでしたが、今日は麻酔をかけるので聴診してみると、かなりハッキリした心雑音があるのがわかりました。中年以降の小型犬にみられる「僧帽弁閉鎖不全症」という心臓の病気みたいです。この病気の子は、「咳が出る」とか、「散歩の帰りがげんきがなくなる」というような症状がでて来院してくることが多いのですが、この子はそんなことはありませんでした。 心臓疾患のある子に麻酔をかけるわけですから、それまで気安く考えていたのですが、そうはいかなくなりました。術中に問題がおきたときのための薬を準備して、麻酔前には酸素を吸わせておきたいのでICUに入れて、麻酔の導入から気管チューブの挿入までは出来るだけ手早くやって、術中も、モニターの数値に注意しながら、手術を勧めました。 手術自体は、電気メスを使って、チョンチョンと切っていくだけですから、簡単なので、40分程度で、4個のイボを切除、縫合できました。幸い、特に何事もなく、麻酔の覚醒も順調でした。麻酔のトラブルは、導入時と覚醒時に出ることが多いので、手術が終わっても、きちんと覚めて、頭を持ち上げるようになるまで気を付けないといけません。 ワンコは夕方、おうちに帰っていきました。これからは心臓病の治療が始まりますね。症状が出る前に気付けて、良かったかもしれませんね。
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