2019年12月
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●2019年12月28日(土)

☆今日のワンコ☆

「排便しにくそうです、便秘かも?」ということで、13歳の小型犬が来院しました。何度も排便の格好をするけど、なかなか出ないそうです。

お尻の穴から指を入れて探ってみると前立腺肥大がありそうです。加齢によって前立腺が肥大して、直腸を圧迫してるみたいです。年齢を重ねて、足腰も弱くなり、いきむ力も弱くなったのも原因の一つかもしれません。前立腺肥大のお薬を処方して、様子を見ることにしました。まだ、元気そうなので、再発を繰り返すときは、去勢手術を考えてもいいかもしれません。

先日手術した、睾丸の腫瘍や、年に何頭か診る会陰ヘルニアなども、未去勢の中高年の雄犬に見られる病気です。これらの病気の心配がないだけでも、去勢手術に意義はあると思うのですが・・。

今日で当院の今年の診察は終了です。まあ、いつも同じことをやってるわけで、特に、年が変わったからといって仕事の内容がかわるわけではないのですが、私の新春の一大イベントは、1月2日の夜間救急病院の出務が入ってることです。毎年、この日が、一年で一番来院件数の多い日なんです。今年の新春は、お正月気分を満喫するわけにはいかないようです。

皆様、愛犬、愛猫をとともに、いい年をお迎えくださいね。今年もお世話になりました。

年末年始の診療は→北九州夜間救急病院 661-8822(午後9時から12時までの診察です)

●2019年12月25日(水)

☆今日のワンコ☆

今日は11歳のオスの小型犬の陰睾の手術でした。雄犬のタマタマは、胎児のときはお腹の中にあって、出生後、半年くらいのうちに降りてきて正常な位置に入りますが、たまに途中で止まってしまうことがあります。停留睾丸といいます。そのままにしておくと将来、睾丸が腫瘍化することがあります。正常な位置の睾丸も、高齢になると腫瘍化して大きくなってくることがありますが、停留睾丸の方が、腫瘍化のリスクが高いようです。

腫瘍自体はそれほど悪性ではないのですが、睾丸が腫瘍化すると、そこからエストロジェンというホルモンが分泌されて、オスなのに乳頭が大きくなってきたり、毛が薄くなってきたりします。問題なのは、骨髄の造血機能が障害を受けて、貧血がおきたり、血が止まりにくくなったりします。

今日のワンコは、飼い主の方が異変に気付くのが早かったので、雌性化はみられましたが、血液検査には異状なく、予定通り手術をおえることが出来ました。気づくのが遅かったら、貧血などの問題が起きていたかもしれません。今日の手術が、今年最後のオペかな?

●2019年12月24日(火)
☆当院のP☆

ラブラドル・レト・リバーのP、のんびりした性格で、子犬の時から寝てばかりなので「Sleepy」と名付け、いつのまにかP「P]になっちゃんったんですが、もう来年で15歳になります。私が健脚だった数年前まで朝一緒にジョギングしてたのが良かったのか(通学途中の小学生から、ジョギングワンちゃんって言われてました)、足腰は弱りましたが、まだすこぶる健康で食欲も体重も全く落ちません。

今日食事を与える時に、私が誤ってフードが入った器をひっくり返して、フードが下に散らばったら、まるで掃除機が吸うような勢いで瞬く間に食べちゃいました。もう、ビックリ!!

適度な運動と良質の食事(ヒルズ社、関節サポート)が良いのかな?


●2019年12月23日(月)
☆今日のワンコ☆

Tpのムックちゃんです。7歳の去勢済みの男の子です。フィラリアの予防で来院しました。今期から、一回の注射で一年間予防できる予防薬を使い始めました。内服薬だと6月から11月まで月に一回飲ませましたが、注射薬は1年間有効なので、今の時期に接種しても、来年の予防シーズンまで効果が持続します。毎月飲ませる手間が省けますし、飲ませ忘れもないので、これからは、注射薬が主流になるかもしれませんね。

●2019年12月21日(土)

☆今日のにゃんこ☆

糖尿病の猫が来院しました。猫の糖尿病は、多飲多尿、食欲はあるけど体重が減少するというような症状が出ます。倒れたという症状が出て、血液検査をすると血糖値が異常に上がってて、治療すると倒れなくなった、ということもありました。

猫の糖尿病は、インシュリンを注射して、血糖値をコントロールしますが、インシュリンの投与量を決めるために、1週間単位で何度か血液検査で血糖値をはかります。量が決まれば、1か月単位くらいで、インシュリンを処方しています。

インシュリンは注射で投与しますが、注射を打つのは飼い主の方です。もう5年くらい打ってる猫もいます。飼い主の方が旅行などで打てない時には、猫を預かって当院で投与することもあります。

はじめは、ご自分の猫に注射を打つことに抵抗がありますが、慣れると、お薬を飲ませるより簡単なので、途中で止めちゃう飼い主の方は居ません。

今日のにゃんこは20歳で発病しましたが、元気に過ごせてます。まだまだ、寿命を延ばして欲しいものです。

●2019年12月19日(木)
☆当院の猫たち☆

竹(20歳)と眠(1歳)が仲良く食事中です。竹は一日のほとんどを寝て過ごしています。院内の暖かいところを移動してます。私の足元に置いてあるヒーターの前を占拠するので、私と取り合ってます。以前、電気ストーブを置いていて、部屋に戻ると、何か焦げ臭い・・、竹の横腹の毛が10センチ平方ほど、チリチリに焼けていたことがありました。幸い、皮膚は大丈夫でしたが、毛が生えるのに1年近くかかりました。
。眠も寝てることが多いのですが、私の後を追ってウロウロしてます。捕まえようとするとサッと逃げてしまうのですが、気が付くと、私の半径50センチ以内にいます。この気まぐれさが猫の良いとこなんでしょうね。

●2019年12月18日(水)

☆今日のワンコ☆

今日は14歳の小型犬の乳腺腫瘍の切除手術でした。5か月ほど前に腫瘍のご相談にみえてます。この時に手術をお勧めしていましたが、それ以降来院はなく、先日来院されました。

5か月前も赤ちゃんのこぶし大の腫瘍が下腹部にできていましたが、それが破れて、火山の噴火口の様になって、そこからジュクジュクと排液してるような状態になって、困った状態になってました。飼い主の方も、ワンコの年齢を考えて、そのままにしておいた様ですが、やはり、このままでは可愛そうなので、手術することにしました。

乳腺腫瘍は肺に転移することもあるので、レントゲンを撮りましたがまだ大丈夫でした。血液検査では貧血が見られましたが、手術できないほどではなく、飼い主の方も希望してましたから、手術を決めました。

出血を最小限に抑えたいので、はじめから電気メスを使って皮膚を切っていきました。通常は普通のメスを使います。電気メスは、熱で火傷の状態を作って切りますから、傷の治りが少し遅い気がしますが、手術時間は短縮できるし、出血も少ないので、この方法を選択しました。

この子は胸の方にも腫瘍があったので、切る範囲が広くて、縫うのに時間がかかりましたが、3時間くらいで終わり、様態に余裕があったので、歯の処置(歯石の除去と歯周炎の治療)も行いました。

乳腺腫瘍も小さいなうちだと、時間もそんなにかかりませんから、気になる方は、早めに来院してくださいね。

●2019年12月16日(月)

☆今日のワンコ☆

「柿を食べちゃいました、ひょっとしたら種がはいってたかも?」ということで、体重が4kgくらいの小型犬が来院しました。種を食べてるとマズいので、吐かせる処置をすることにしました。

静脈から、吐かせるお薬を注射しますと10分くらいで嘔吐しました。吐いたものを見ると確かに朝ごはんの中に柿がはいっています、それも、ほぼ四分の一位の大きさのものがそのまま入っていました。

分解してみると種は入っていませんでしたが、この大きさは危険です、過去に、りんごの切ったのものを丸呑みして、それが食道に引っかかって、内視鏡のある病院に救急搬送したことがあります。

今日のワンコの柿は、熟成が進んでいた様で、柔らかかったのが幸いで、つるりと胃の中まで入っていったんでしょう。硬い柿だったら、食道に引っかかっていたかもしれません。

たいがい、フルーツなんかは、食卓テーブルの上で、ワンコは床にいるわけで、どんなシュツエーションで柿を食べちゃったんでしょうねぇ〜、炬燵の上にでもあったのかな?

●2019年12月13日(金)

☆今日のワンコ☆

今日は8歳の小型犬の体表の腫瘍と、歯石の除去をしました。

体表の腫瘍は1センチ程度ですが、それ以下のものも散発してましたから、歯石の除去で麻酔をかけるので、同時に腫瘍も切除することにしました。体質的にイボができやすいみたいで、あっちこっちにありますから、飼い主の方に、切除してほしいイボに印をつけてくれるようにお願いしていました。

来院したワンコには、白のマーカーで印がついていましたが、その数は12個!!電気メスで切除していきますが、切除すると傷は、切除したイボの倍くらいになるので、当初は小さなものは縫わなくていいかも?と思っていましたが、そういうわけにもいかず、一針か二針縫いましたから、アッチコッチに縫合痕ができました。

どれも良性ですが、やはりこれから大きくなっていったらどうしょうかな・と心配されてましたから、これですっきりしましたね。




●2019年12月11日(水)

☆今日のワンコ☆

今日は体重が3kgほどのオスの小型犬の去勢手術でした。生後7か月位です。

静脈を確保して、鎮静薬、麻酔の導入薬を入れて眠らせてから、気管にガス麻酔用の管を入れて、人工呼吸器につないで、麻酔ガスを流します。あとは、器械まかせで、モニターの数値を見ながら、器械を調整して、一回の呼吸で吸う量や、呼吸数、麻酔濃度を決めます。大体、器械の決めた設定で大丈夫ですが、高齢な動物では、微調整が必要なこともあります。

麻酔関連の機械やお薬も、私が開業した20数年前と比べると、格段に進歩しました。開業当初は、まだ動物医療にモニターなんてなかったので、術中に動物の胸の動きを見ながら、「呼吸が安定してるから大丈夫」なんてやってましたからね。この頃の麻酔係は、「胸の動きを見る」のが仕事でした。心電図はつけていましたけど、一番初めに異常がでるのは、呼吸ですから、今思えば、随分乱暴なことをやってました。

麻酔に使うお薬も良くなり、以前は、手術当日は、なかなかシャキッとならないので、簡単な歯石の処置でも、一晩お預かりしてました。今は、術後2時間位で、ほとんど、麻酔前と同じような状態にまでもどってますからね。

これからも、益々良くなっていくでしょう。時代に乗り遅れないようにしないとね。


●2019年12月10日(火)

☆今日のワンコ☆

今日は12歳の小型犬の歯の治療でした。先日のワクチン接種時に歯周炎が進んでいるのがわかりましたから、歯石の除去と抜歯をお勧めしていました。

術前の検査で異常はなく、処置も予定通り進み、麻酔の覚醒も良く、夕方帰宅しました。

猫は歯周炎や歯肉炎があると痛がります。食べるときに口を気にするとか、食事中に奇声を発して食べなくなるというような症状がでますが、犬はそうでもありません。歯石の付着で、歯茎が真っ赤になってて、歯もグラグラになってても、案外ケロリとしています。いつも思うのですが、人がこんなことになったら、とても痛くて食事どころではないと思います。多分、ワンコも頑張って食べれるんでしょうね。ただ、噛むことはできませんから、ほとんど丸呑み状態で食べています。

歯石の除去や抜歯で、口の中の衛生状態が良くなると、ワンコの健康度も増すような気がします。15歳を過ぎてでは、やはり麻酔の心配があるので、積極的にはお勧めしていません。「もう少し早く来院してくれてたらなぁ〜」と思うことが時々あります。

●2019年12月09日(月)
☆今日のワンコ☆

柴犬のクーちゃんです。生後2か月目の男の子で、体重は3.5kgです。ワクチン接種で来院しました。可愛いですね。

●2019年12月06日(金)

☆重症熱性血小板減少症(SFTS)☆

SFTSは風邪のような症状が出ますが、死亡率が20%とかなり危険な感染症です、この病気が北九州市で発生し、80代の方が亡くなりました。この病気は、ダニが媒介します。感受性が強い(重症化)するのは、人と猫科の動物です。ダニが媒介しますが、人から人、ネコから人にも感染します。新聞には、ダニに咬まれたのが原因ではないか?と書かれていましたが、ひよっとしたら、感染して発病中の猫に触ったのかもしれません。

病気の猫に触る機会の多い、我々、動物医療関係者にも感染者が出ています。健康な猫は心配ありませんが、弱った外猫は要注意です。ご注意下さいね。

●2019年12月04日(水)

☆夜間病院出務☆

昨夜は、夜間救急病院に出務しました。数件が来院し、私が担当したのは、お腹を壊した小型犬と、元気がなくて、震えているチワワでした。

お腹を壊した子は、元気、食欲はあるので、緊急性はなかったのですが、下痢を頻繁にしてるので、脱水状態になるといけないから、点滴と、お腹の中の悪玉菌をやっつけるために抗生物質の注射をうちました。元気がない子は、2日続けて昼間の病院で治療を受けており、血液検査、エコー、レントゲンと一通りの検査も今日受けていて、治療も済ませていたので、お家で様子を見てもらうことにしました。全体の状態がそれほど悪くはなかったのです。もしかしたら、ナーバスな子だったから、入院中は緊張していて、帰宅して、ドッと疲れが出たのかもしれませんね。今日受診した病院には、明日も行ってもらうことにしました。

この他にも、尿道閉塞のオス猫は2頭も、玉ねぎを食べちゃった小型犬などが来院してました。この子たちは、医局長が診てました。

仕事を終て、コンビニで飲み物と軽食を買ってかえりますが、帰宅ても、テンションが上がっているので、なかなかすぐには寝付かれませんね。今日は寝不足でしたが、幸い、手術がなかったので良かったです。

●2019年12月02日(月)

☆開院記念日☆

1992年12月2日が当院の開院の日です。確か、1日が仏滅か何かで、日が悪いということで2日に開院したような気がします。もう、丸っと27年ですねぇ。本当に未熟だった私を、周りの方たちのおかげで、ここまで続けられたんだと思います。私を信用して来院してくれた飼い主の方、研究会のメンバー、我がまま放題、放言一杯の私の片腕を務めてくれた、歴代の看護師の皆様、あの時は失礼しました。皆様のおかげで、ここまで来れました。

同級生が定年退職を迎える昨今、いつまでやれるかなぁ〜と思いながらも、まだ健康ですから、もうしばらくは仕事を続けられそうです。幸い、優秀な近隣の先生方とも懇意にしてますから、協力しあって、真摯に症例に向き合っていこうと思います。

以前、SNS上での当院の評判ですが、「トミシタ先生は、できないことをはっきりとできないと言って、できるところを紹介してくれるのが良い」と、書き込まれたことがあります。はたして、喜んでいいのだろうか??(笑)


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