●2010年10月29日(金)
☆今日のワンコ☆ 「帰宅したら、ワンコがグッタリしている」と、高齢の中型犬が来院しました。フィラリアが寄生しているので、心臓や肝臓が悪くなって、腹水もたまっている子です。ほとんど一日寝ているのですが、いつもとは様子が変だということです。連れてきた方は、飼い主があまり面倒を見ないので、飼い主の代わりにワンコのお世話をしています。「そろそろ、お迎えかも?」なんて言ってます。 腹水がかなり溜まっているので、お腹が張って、胸を圧迫しています。エコーでお腹の中を見ますと、肝臓に大きな腫瘍が出来ているのが分かりました。多分、この腫瘍から出血したのが原因で、急にグッタリとなったのでしょう。舌の色が白っぽくなっているのは、貧血しているからでしょう。お腹の水を抜きますが、通常腹水は少し黄色味がかった透明な色をしています。お腹に溜まった水に血液が多く含まれていたら、腫瘍からの出血に間違いないでしょう。 腹水には血液が混じっていました。やはり、腫瘍からの出血です。ワンコの健康状態が良ければ、お腹を開けて腫瘍を切除して出血を止めるという積極的な治療方法もありますが、腫瘍は悪性のことが多いので、上手くいっても、それほど延命は期待出来ません。腫瘍からの出血は、自然に止まることもありますから、今日のワンコはフィラリアの持病もあることですし、あまり負担をかけずに、このまま様子を見ることにしました。 体重10kg位のワンコのお腹から2リットルの腹水が抜けました。お腹の圧迫が取れて、楽になったようで、診察台の上でAHTに頭を抱かれて、気持ち良さそうにしてましたよ。出血が止まって、もう一度元気を取り戻せると良いですね。 明日は、所要のため、午後から不在です。病院は開いていますから、処方食などは出せます。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。
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