2010年08月
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●2010年08月31日(火)

☆今日のワンコ☆

今日は小型犬の乳腺腫瘍の切除手術でした。このワンコ、2年ほど前にも同じ手術を受けています。その時は、お腹の方の乳腺に出来た腫瘍を切除しましたが、今回は、胸の乳腺に出来た腫瘍を切除しました。犬はおっぱいが10個ありますから、乳腺腫瘍はそれぞれに出来ます。

胸の両側に、大小の腫瘍が散在しています。大きさも小指の頭大から、5mm程度のものまで様々です。取り残さない様に、指で皮膚の表面から腫瘍を探りながら、切開ラインを決めて、マーカーで印をつけます。そうすると術中に「あれっ、もう一個はどこにあったっけ?」なんてことになりません。

今日のワンコは左右に腫瘍がありましたから、それぞれ別々に切除しましたから、通常の乳腺腫瘍と比べると、倍近く時間がかかりました。乳腺腫瘍の切除は、あっちこっちに腫瘍があると、切除する部位が広範囲になるので、縫合に時間がかかります。切っている時間よりも、縫っている時間の方が長いくらいです。

手術に3時間以上かかったので、午後の診察時間にずれ込みました。お待たせした方の診察を済ませて、一息ついていると、8時過ぎに、院内を掃除していたスタッフが上がってきました。「センセイ、外に患者さんがみえてます。猫が車にひかれたそうです」。

今日は、昼ごはんが午後10時になるというハードスケジュールでした。最近少しカロリーオーバーだから、丁度良かったかもね。

●2010年08月30日(月)

☆今日の診療☆

今日はバタバタした一日でした。

午前中は、水ばかり飲んで食欲がないニャンコ、ヘコヘコと呼吸がおかしくてやせてきたニャンコ、おしりのあたりを気にするワンコ2頭、水飲みニャンコは糖尿病、ヘコヘコニャンコは慢性の気管支炎、はじめのお尻ワンコは、肛門腺の化膿、2番目のお尻ワンコは、陰部周囲の皮膚炎でした。初診の子は検査があるし、病気と治療方針を詳しく説明しなければならないので、1時間近くかかります。待ち時間がたまらずに帰った方1名・・。

午後は猫の避妊手術の予約が入っていましたが、猫が捕まらないということでキャンセルになり、午後の時間が空きましたから、先週末からの風邪と痛風の治療に私自身が内科に行きました。内緒ですが、院内の薬で当座をしのいでいました。

午後には、外傷のワンコです。受傷したのは先週だそうですが、パックリと傷が開いています。麻酔をかけて縫わないと治りそうにありません。もう少し早く来院してくれれば、スケジュールが組めたのにとココロの中でぶつぶつ(ここに書いたら、心の中じゃないなぁ)、言いながら処置をしますが、その間にも午後の診察で来院する方が・・。食欲不振の診断のために血液検査が必要なワンコ、この子はフィラリア病でした。入院点滴が必要なワンコ、心不全でお薬を処方していますが、その効果が今ひとつのワンコ、皮膚病の猫・・などなど。やはり、待ち時間にたまらずに帰った方1名・・。

忙しかったのは休み明けばかりではないと思いますが、なぜか病気が重なりますねぇ。明日はどうかな?

●2010年08月28日(土)
☆今日のワンコ☆

ヨークシャー・テリアの空(くう)ちゃんです。2ヶ月目の男の子で体重は800gです。今日はワクチン接種で来院しました。最近のYTは小さいですね。小さい子が好まれるのでしょう。当院のハッチももうすぐ1歳ですが、体重はまだ2kgしかありません。小さい子がチョコマカと室内を走り回るのは可愛いですね。

●2010年08月27日(金)
☆今日のワンコ☆

柴犬の陸ちゃんです。5歳の男の子です。間違いなく笑っていますね。

●2010年08月26日(木)
☆今日のワンコ☆

トアちゃんです。1歳の男の子で、体重は5kgです。カメラの方をムスーッと見ているトアちゃんは、シーズーとチワワのミックスだそうです。少しお鼻が長いシーズーってな感じで、可愛かったですよ。ミックス犬は純粋種と比べると、体が丈夫ですよ。

●2010年08月25日(水)

☆今日のワンコ☆

先日ご近所のワンコに咬まれた小型犬が傷の付け替えに来院しました。来院時はグッタリしていたワンコもすっかり元気になってました。来院時はショック状態でしたから、その治療に追われて傷の処置は簡単に済ませていましたから、今日は、周囲の毛を剃ってきれいにして、傷の状態を見ました。2か所傷がありますが、深部に達した方の傷は、まだふさがっていませんでしたから、化膿止めの薬を塗って、テープで圧迫しました。

犬や猫の口の中には細菌がたくさんありますから、咬まれた時は流水でよく洗ってから消毒することが大切です。処置が遅れると後が大変になることがあります。私も以前猫に複数個所咬まれて、すぐに処置しなかったので、翌日には腕がパンパンに腫れて、赤ちゃんの腕の様になったことがあります。この時は、熱も出て大変でした。ご注意くださいね。

●2010年08月24日(火)

☆今日のニャンコ☆

「オシッコが出ていないようだ。昨日から元気がない」ということで、若いオス猫が来院しました。

猫が膀胱炎を起こすと、何回もトイレに入ります。猫は頻尿で砂があまり汚れていませんから、飼い主の方は、「うちの猫、オシッコが出ていないのでは?」ということになります。お腹を触ると膀胱は膨らんでいませんから、オシッコは出ています。この時は膀胱炎治療のためのお薬を処方します。

今日のニャンコのお腹を触ると、パンパンに膨らんだ膀胱がありました。これは大変です。オシッコが出せていませんから、すぐに処置しないと、尿毒症になって命にかかわります。詰まってから、尿道を開通させるまでの時間で、治療後の回復が違ってきます。過去には、処置中に麻酔に耐えられなくて亡くなった子も居ます。

猫に麻酔をかけて眠らせて、尿道から細い管を入れて、注射器を使って生理食塩水で水圧をかけて、尿道内に詰まった砂を取り除きます。今日のニャンコは、尿道の出口からすぐの所が詰まっていました。悪戦苦闘すること○○分、なんとか開通し、ピューっと勢い良くオシッコが尿道から飛び出しました。膀胱はパンパンに膨らんでいますから、つまりが取れると、いきなりオシッコが噴出します。ホッとする瞬間です。次は膀胱の中を何度も洗って、砂を出来るだけ洗い出します。

今日のニャンコの膀胱の中には、ティスプーン一杯分くらいの砂が入ってました。まだ若い猫ですから、体質的に膀胱に砂が出来やすいのでしょう。これからは、砂が溜まらないように、食事療法が必須ですね。

●2010年08月23日(月)

☆今日のワンコ☆

犬に咬まれた小型犬が来院しました。

咬んだのは、ご近所の中型犬です。門が少し開いていたところ、小型犬が飛び出して、散歩中の犬に咬まれたのだそうです。どうもこの中型犬とは相性が悪くて、以前も咬まれてことがあったそうで、その時は病院に来院することなく、自宅での消毒で治りました。

今回は重症でした。待合室でグッタリと飼い主に抱かれている姿が見えましたから、すぐに診察室に入ってもらいました。お待ちの方も居ましたが、快く順番を空けててくれました。

胸に2箇所歯型が付いています。傷は小さいのですが、ワンコの状態を見ると深そうです。ワンコはショック状態で、口の粘膜の色も良くありません。酸素が充分に行き渡ってない様です。すぐにレントゲンの準備をして、マスクで酸素を吸わせて、点滴の準備をします。スタッフ皆で協力してすべて同時進行です。他の診察は一時中断です。

レントゲンを見ると、肺が傷ついて胸の中に出血しているようです。点滴に止血剤を混ぜて投与します。化膿止めの注射を打って、酸素、温度、湿度が管理できるICUに入れました。出血が治まると、徐々に回復すると思いますが、逆に止まらないと、どんどん呼吸状態が悪化するでしょう。

ワンコは翌日には容態も安定して、粘膜の色も良くなりましたからICUを出て、一般病棟(普通の入院犬舎ですが・・)に移り、受傷してから3日目に退院しました。

先月も散歩中にリードを放して、咬まれた小型犬が来院しましたが、被害犬の住所を見るとご近所です。ひょっとしたら、この地域にギャング犬が居るのかもしれません。散歩の時は、犬を自由にしないで下さいね。

●2010年08月21日(土)
☆今日のワンコ☆

シーズー犬のHappyちゃんです。推定年齢15歳の男の子です。Happyちゃんは、以前交通事故にあって道路に横たわっていたところを、今の飼い主の方に保護されました。目も耳も不自由になりましたが、飼い主の方の優しくて逞しい腕に抱かれて、幸せ(Happy)な老後を過ごしています。良い人に保護されて良かったね。

●2010年08月20日(金)

☆今日のニャンコ☆

「食欲はあって、お水も沢山飲むんですが、最近やせてきた」ということで、13歳のメス猫が来院しました。猫は、元気は良いのですが、毛づやが少し悪くて、なんとなく体調が悪そうな感じがします。猫の症状から推測すると「糖尿病」が疑われますから、血液検査をしました。

健康な猫の血糖値は100前後です。空腹時の血糖値が200を超えると糖尿病が疑われます。今日のニャンコの血糖値は、当院の血液検査器で測定できる上限の450を超えていました。糖尿病に間違いありません。幸い、まだ猫の元気、食欲はありますから、インシュリンを投与しながら自宅での治療で大丈夫です。容態が悪いときは入院治療が必要になります。

インシュリンは自宅で飼い主の方が猫に打ちます。ほとんどの方が注射を打った経験はありませんから、最初は注射を打つことに難色を示しますが、今日のニャンコの飼い主の方は、糖尿病の方をお世話したご経験がおありで、いつも1日に2回注射を打っていたそうで、上手く打てそうでした。

糖尿病の方をお世話したご経験が、早めに猫を病院に連れてくるきっかけになったのかもしれませんね。

●2010年08月19日(木)
☆今日のニャンコ☆

スコテッシュ・ホールドのクレオちゃんです。2ヶ月目の女の子で体重はまだ800gです。今日はワクチン接種で来院しました。漫画のドラえもんのモデルは、スコテッッシュ・ホールドって聞いたような気がしますが、イメージがつながりませんね。チョコンと折れた小さなお耳がチャームポイントですね。

●2010年08月18日(水)

☆今日のワンコ☆

今日は12歳のメスの小型犬の乳腺に出来た腫瘍を切除しました。

以前から、お腹にコブが出来ていると相談を受けていました。「早く手術で切除した方が良いですよ。一度診せてください」と話していました。飼い主の方は、「もう年だから・・」とか、「痛がらないので・・」と、なかなか決心がつきませんでした。

今回はそれが急に大きくなったから心配になって、来院しました。連れてこられたワンコのお腹を見ると、大人のこぶし大のコブが下腹部にぶら下がっていました。歩くと、コブの表面が地面に引っ付きそうです。「もう12歳だし・・」とまだ迷っている飼い主の方に「もう12歳」じゃなくて、「まだ12歳」ですよ!とお話して、背中を押してあげました。

腫瘍は大きかったのですが、幸いなことに、組織に付着した部分はそれほど広範囲ではなかったので、比較的簡単に取れました。今日、飼い主の方は、不安と心配で一杯の顔でワンコと別れましたが、明日はスッキリしたワンコのお腹を見て、笑顔で会えますね。

●2010年08月17日(火)

☆今日のワンコ☆

小型犬のお産がありました。

5歳で初産のワンコです。ワンコにしては「高齢出産」ですから難産の心配があります。ちゃんと生めるでしょうか?レントゲン検査でお腹の中には5頭の赤ちゃんがいることが分かっています。万一、難産で帝王切開になったら、新生児の介護に人手が要ります。帝王切開の時は、次から次に胎児を取り出します。胎児は呼吸してませんから、口や鼻の中を綺麗にしてやって、体を乾いたタオルで拭いて乾かして、自分で呼吸するように刺激し続けないといけません。10分以上マッサージしないといけないこともあります。自発呼吸がでたら、保育器に移します。

当院のスタッフは3名です。1人は手術の助手をしますから、残りは2人、飼い主の方とご家族に手伝ってもらってもギリギリです。今日は朝からワンコがソワソワして落ち着きません。出産が近づいています。6時まででしたら、AHTが2人居ますが、それを過ぎると1人は上がります。5時過ぎに飼い主の方に連絡を入れますが、まだお産は始まっていません。

6時に上がるスタッフが帰ろうとしません。帰宅していつ呼び出されるかドキドキして待つより、居残っていたほ方が良いそうです。私も「今夜は夕食のビールは我慢して、帝王切開に備えてまつことになるなぁ」と思っていたら、7時丁度に電話が入りました。「今、1頭生まれました!」。

最初の赤ちゃんが無事に生まれたら、後は大丈夫でしょう。お母さんワンコは赤ちゃんのお世話をきちんとしてるようです。あまり回りで騒がないで、お産を静かにさせてあげるようにお願いしました。ワンコはその日のうちに5頭すべて出産したそうです。よかったね。「案ずるより生むが易し」ですね。

●2010年08月16日(月)
☆お盆休み終了☆

3日間の休みが終了し、今日から通常診療になりました。休み明けは、容態の悪い子が来院することが多いので、少し緊張しますが、幸い、暑い日が続いたにも関わらず、体調を崩した子は少なかった様で、良かったです。昨年までお盆は午前中だけ診療していましたが、最近は休日診療する病院もありますから、今回は初めて休診にしました。

3日間の夏期休暇は、墓参りをサクサク済ませて海&ビール三昧でした。おかげで、肩から腕がすっかり焦げてしまいました。

●2010年08月12日(木)

☆今日のワンコ☆

下痢と嘔吐で1週間入院していた14歳のワンコが退院しました。

入院時はかなり悪い状態で、「もしや、異物を飲んだのでは?」と思うほど激しい嘔吐で、「助からないかも?」と思った症例でした。H動物病院で詳しく検査してもらい、異物や腫瘍による腸閉塞の疑いはないということでしたから、点滴を主体に内科治療でやってました。症状も治まって、食欲も回復したので、自宅療養に切り替えました。ナーバスな子は病院では、食事を食べないので回復が遅れることがあります。こんな子は早めに自宅に帰します。

実は、このワンコの飼い主は、高校時代の恩師です。もう40年近く前のことです。当時、犬や猫を動物病院に連れて行く飼い主はかなり限られていましたから、獣医師という仕事は家畜の診療が主でした。

「富下くん、獣医科志望だそうだが、将来何をするつもり?」
「はい先生、アフリカか北海道に行って動物の診療をします」
「君は長男だし、北九州に家畜はほとんどいないし、考え直した方がいいぞ!」
という会話があったのを覚えています。

それから40年後に同じ先生から、「お世話になりました。もう覚悟していましたが、おかげ様で元気になりました。ありがとうございました」と言われるとは、夢にも思っていませんでした。

タイムスリップして、高校時代の自分にそっと教えてやりたいですね。

今日の午後から15日まで、お盆休みに入ります。16日からは通常診療です。よろしくお願いします。

●2010年08月11日(水)
☆今日のニャンコ☆

子猫のトラちゃんです。3ヶ月目の男の子で、体重は1.6kgです。今日はワクチン接種で来院しました。名前どおり、精悍な「虎」の様に見えますね。

●2010年08月10日(火)
☆今日のワンコ☆

MDのクッキーちゃんです。1歳の女の子です。フィラリアとノミの予防で来院しました。飼い主の方のお膝の上に座っていますが、座る姿に気品を感じるのは、育ちの良さかな?

お盆が来ますね。当院は12日(木)の午後から15日(日)まで休診です。よろしくお願いします。


●2010年08月09日(月)
☆今日のワンコ☆

今日は午後から雷雨でした。

14歳の大人しいワンコが体調を崩して入院中です。いつもは静かに点滴されているワンコが、午後の手術が終わって、見に行くと、室内で暴れた形跡があります。水を入れた容器がひっくり返って、シーツも乱れています。「どうしたのかな?」と思っていたら、面会に見えた飼い主の方が、「今日の雷雨で、うちの子、大人しくしていましたか?」。

このワンコ、雷をとても怖がるそうです。手術していたので、気が付きませんでしたが、入院室内でパニックになっていたのでしょう。点滴がはずれてなくて良かったです。

暦の上では立秋が過ぎましたが、暑い日が続いていますから、今日の雨は「恵みの雨」でしたが、おまけについて来た雷は、ワンコにとって迷惑だった様ですね。

写真は、昨日福津市で開催された花火大会です。海上から上げるので、浜辺から見る花火は綺麗でしたよ。

●2010年08月07日(土)
☆今日のワンコ☆

下痢と嘔吐と食欲不振で来院するワンコが増えています。若い子はそれほど症状は重くなくて、病院の嗜好性の良い缶詰を少し与えると、美味しそうに食べ、まだ欲しそうにします。こんなワンコは注射と内服薬で大丈夫ですが、高齢で症状が重く、血液検査で異常の見られる子は入院させて治療してます。

例年の夏は皮膚病で来院する子が多いのですが、今年は消化器疾患が多いようです。皮膚病が少ないのは、ノミ駆除の薬(フロントライン)を付けている子が近年多くなったからでしょう。体調を崩して下痢や嘔吐、食欲不振が多いのは、暑さのせいかもしれませんね。

写真は、コーギーのライス君です。8歳の男の子です。ワクチン接種で来院しました。笑っているように見えますね。ほんとに笑ってるのかも?

●2010年08月06日(金)
☆今日のワンコ☆

MDのレオン君です。3ヶ月目の男の子です。今日はワクチン接種で来院しました。体重は3.6kgです。大きくなりそうですね。

●2010年08月05日(木)
☆今日のワンコ☆

メス犬のルリちゃんです。7歳位です。ルリちゃんは沖縄の愛護団体から今の飼い主の元にやってきました。大人しくて良い子でしたよ。犬は子犬から飼う方がほとんどですが、大きさや性格がハッキリしているので、ルリちゃんみたいに成犬から飼うのもアリですね。長旅ご苦労さん。

●2010年08月04日(水)

☆今日のワンコ☆

今日は小型犬の前足の腕の部分に出来た腫瘍を切除しました。

直径1cmちょっとの瘤が出来ています。トリミングに出した時に見つけました。腫瘍はコロコロとして、下の組織との癒着はなさそうですから、切除し易そうですが、腫瘍の直下に、我々が採血や点滴をする時に使う血管があるのが気になります。この血管を傷つけないように切除しないといけませんが、腫瘍と血管の位置関係は、開いてみないと分かりません。

皮膚を切開して、腫瘍の横から慎重に下の健康な組織を剥がします。腫瘍のすぐ下に直径4mmくらいの大きな静脈があります。気が散らないように、スタッフにたのんで院内に流しているBGMを切ってもらいます。小さな鉗止を使って無事に腫瘍と血管を離すことが出来ました。

後は、傷口を縫い合わせて終わりですが、今回は縫合部のすぐ下に血管がありますから、それに縫合針を間違って刺さないように慎重に縫いました。

血管に気を使いましたが、小さな腫瘍でしたし出血もそれほど多くなく、ワンコもバッチリと目覚めましたから、夕方迎えに来てもらって、お家に帰りました。今日の手術は「日帰り手術」でしたね。

●2010年08月03日(火)

☆今日のニャンコ☆

11日間入院した13歳の猫が、今日退院しました。

「涎を流して食事を取らない。頻繁に吐いている。その中に血も混じっているようだ」ということで来院しました。一見すると、猫伝染性鼻炎やカリシウイルスの感染による舌炎のように見えますが、家からは一歩も出ない猫ですし、感染病は若い猫に多いので、その点が引っかかります。レントゲンを撮ると、胃や腸の中にはガスが沢山見られます。鼻炎で呼吸がしにくくなると、猫は空気を飲みますから、こんな状態になります。やはり呼吸器感染症のようです。

猫を入院させて、点滴をしながら風邪の治療を始めましたが、3〜4日しても容態は変わりません。強制的に流動食を注射器を使って口に入れますが、受け付けません。このままだと死んでしまうかもしれません。飼い主の方に連絡して、面会に来てもらいました。

涎を流して食べられないので、喉や食道に何かが出来ているかもしれません。猫の年齢を考えると腫瘍も考えられます。バリウムを飲ませてレントゲンを撮りますがハッキリしません。内視鏡で調べる必要がありますが、バリウムを飲むとその日はバリウムが邪魔して見えませんから、翌日、H動物病院に内視鏡の検査予約をいれました。

ところが、予約を入れた日から容態が少し良くなってきました。涎の量が減って、いやいやながらですが、流動食を少しずつ受け付けるようになりました。トンネルに光が見えてきました。入院8日目です。

その後は順調に回復し、今日退院しました。やはり呼吸器感染症だった様です。年齢を重ねた猫は、若い子と比べると、回復に時間がかかりますね。発病から10日間も点滴だけで、よく生き延びました。内科疾患の入院では、当院の最長記録かも?良く頑張ったね。


●2010年08月02日(月)
☆今日のニャンコ☆

子猫の姉妹です。生後2ヶ月くらいです。今日はワクチン接種で来院しました。正面を向いた猫の写真を撮るのは難しいのですが、今日はバッチリ、2頭ともカメラ目線ですね。


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