2009年12月
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●2009年12月30日(水)
★仕事納め★

今日で当院の今年の診療は終了です。

当院では今年の11月に長年連れ添ったモップが亡くなりました。10数年前に迷子犬で当院にやって来ました。子供の運動会に連れて行ったところオスのシーズー犬を飼っている方から見初められて、4頭の子犬を出産しました。

出産から子育て、そして子離れを見せてもらい、犬の母性のすばらしさに感動しました。最後の2ヶ月は足腰が弱くなりましたが、ヨロヨロしながらも日常生活を変わりなく過ごしていました。亡くなる前日まで食べて、翌朝、妻の腕に抱かれ私が見守る中で、静かに息を引き取りました。聴診器を当てていましたが、ゆっくりと心臓が止り、私を見る目から光が失われていきました。

10数年の間に沢山の良い思い出を残してくれました。モップは、室内で犬を飼ったことがなかった私に、神様がくれたプレゼントだと思いました。当時、まだ幼かった子供たちもそれぞれ成人を迎え、モップと一緒に過ごした月日の長さを思います。いつか向こうの世界に行った時にまた会えるといいなと思います。

モップが亡くなるのと前後して、極小ヨークシャーテリアのハッチがやって来ました。無事に育つか心配でしたが、今では体重は2倍(とは言ってもやっと1kgですが・・)になり、元気に跳ね回っています。ハッチも、我々が寂しがらない様に神様がくれたプレゼントだろうと思います。

来年も、モップの子供のロク(子供と言っても15歳ですが・・)、ラブラドルのスリーピー、ヨーキーのハッチ、猫の松&竹と元気に楽しくやっていこうと思います。

来年も皆様と皆様のペットたちが元気で過ごせることを願っています。良い年をお迎えください。新春の診療は1月4日からです。

●2009年12月29日(火)

★今日のワンコ★

5ヶ月令の小型犬が来院しました。昨日から下痢しているそうです。香水のフタもなくなっているので、ひょっとしたら食べているかもしれないそうですが、今日はとりあえず下痢の治療をして欲しいといくことです。

香水のフタは小さな物で、ワンコは元気も食欲もあるので、食べたとしてもそれほど心配はなさそうでしたが、昨夜のことですし念のために嘔吐させることにしました。

少し食事を与えてから吐かせました。吐しゃ物を調べると、小さな小石、噛み砕いたビニール、変形した香水のフタらしき物などなどが出てきました。どうもこのワンコ何でも食べてしまう様です。

検便すると、何やら繊維の破片みたいな物が見えます。異物を食べると体はそれを早く排泄させようとしますから、下痢をします。今日のワンコの下痢の原因は異物が原因でしょう。幸いこのワンコ、噛み砕いて食べているので消化管に詰まることはなさそうですが、今回はたまたまラッキーだったのかもしれません。

異物の破片を持ち帰ってもらって、ご家族に注意してもらうことにしました。ワンコの生活圏に危ない物を置かないことです。

そういえば、当院の超小型犬のハッチが携帯の充電器のコードを噛んでダメにしてしまいました。電源が入っていると感電して急性の肺水腫を起こして死亡することもありますから、今日のワンコの飼い主を責めるわけにはいきませんね。

●2009年12月28日(月)
★今日のワンコ★

プードルのひめちゃんです。2ヶ月目の女の子で体重は1.7kgです。ワクチン接種で来院しました。飼い主の腕の中で暖かそうですね。お顔は「不安顔」です。

●2009年12月26日(土)

★今日のワンコ★

今日は小型犬に輸血をしました。

ワンコの元気がないので血液検査をすると、赤血球の数が健康な子の半分以下になっているのが分かりました。貧血の原因には色々ありますが、今日のワンコの貧血は、エコー検査の結果、肝臓に出来ている腫瘍からの出血が原因ではないかと思われました。お腹の中の腫瘍が破れて大出血すると、そのまま失血死することもあります。今日のワンコの貧血はジワリジワリと進んでいますから、輸血で元気食欲が出れば、持ち直すのではないかと期待しました。

犬の血液バンクはありませんから、当院の健康犬Pから輸血用の血液をもらうことにしました。体重は30kgもありますから、少々採っても大丈夫でしょう。100mlほどいただくことにしました。

日ごろは甘やかされて、嫌なことはされたことがありません。何時もの調子でルンルンと診察室に入って来ました。そのまま処置台の上に乗せられると、ルンルン顔が一転不安顔になります。この上に乗せられると、ろくなことがありません。

嫌がって抵抗するのを3人がかりで押さえつけて、前足の血管から採血しました。80mlほど採りましたが、結構時間がかかるので、気を散らすのが大変でした。

数時間かけて輸血してもらった小型犬は、かなり表情が良くなって、目が生き生きしてきました。このまま元気になってくれると、Pも報われるんだけどなぁ。

●2009年12月25日(金)
★今日のニャンコ★

メス猫のネネちゃんです。3歳で体重は5.3kgもあります。今日は声が枯れたので来院しました。猫の風邪の症状のひとつに「声枯れ」があります。枯れるというより、声がかすれてほとんど出なくなります。

今日はネットに入れられて来院しました。カゴに入れられて来院すると、ほとんどの猫がカゴから出たがりません。爪を引っ掛けて抵抗します。気難しい猫はその時にパニックになってしまい、治療が出来ないこともあります。

ネットに入っていると、少々興奮しても、その上からバスタオルを被せて安心させてから治療出来ます。人見知りの激しい猫を飼っている方は、覚えておいて下さいね。お家でも、カゴに入れようとすると暴れて抵抗する猫が、ネットだとそれ程でもないようです。

●2009年12月24日(木)
★冬の休日★

冬の海の入水スタイルです。「何が良くてこの寒い海にこんな格好までして・・」。とか、「これこそ年寄りの冷や水だね」なんて言う声が聞こえそうです。

今日は暖かい日でしたが、今週末はまた冬型の予報で寒そうですよ。西高東低の冬型が決まると海が楽しいですよねぇ。お大事に(←天の声)。

●2009年12月22日(火)
★マツ&タケ★

当院の猫のマツとタケも10歳になります。若い頃は屋上で生活していましたから、越冬体制が出来ていて、冬前になると食欲が増進して体重が増えて丸々となります。防寒のために皮下脂肪を蓄えるのでしょう。

ここ数年は室内で過ごしていますが、冬前の食欲増進体質は変わりません。夏は4kg前後ですが、冬は5kg近くなります。それを記念して一枚撮りました。体重計の数字が見えますか?写真はタケですが、相方のマツも同じような体型になっています。皆さんの猫はどうですか?

●2009年12月21日(月)

★今日のニャンコ★

先週の金曜日に流産で入院して、避妊手術待ちのニャンコを帰宅させました。

1頭流産したので来院してもらいました。お腹の中にはまだ2頭居ましたので、母猫の容態が悪ければ、翌日避妊手術の予定でしたが、2頭とも当日の夜に流産してしまいました。

猫は風邪をひいていましたから、このことが原因で胎児がうまく育たなかったのでしょう。風邪の回復状況をみて避妊手術をする予定でしたが、このニャンコ、治療にかなり抵抗するので、入院治療から自宅療養に変えました。お家の帰ったほうが回復がはやいと判断しました。

ウイルス性の風邪ですから、回復は猫の体力勝負です。投薬しながら食事を強制的に与えますが、このニャンコ、強制給餌に抵抗します。私が近づいただけで、ダラダラとヨダレが出るようになりました。猫によって、不安を感じるとこんな反応の出る子がいます。このタイプの子は、食事を食べませんから、自宅で療養する方が良いのです。幸い、1回注射すると長期間効果が持続する抗生物質がありますから、その注射を打って退院しました。

同居猫に未去勢のオス猫が居るそうですが、もしまた交配しても、出産は2ヵ月先ですから、猫が元気になってから手術することにしました。手術は来年ですね。

●2009年12月19日(土)

★今日のワンコ★

今日は小型犬の歯石の処置をしました。8月のワクチン接種以来の来院です。この時に歯石の付着による歯周炎が進行しているので、麻酔下での処置をお勧めしていました。

「お電話で結構ですから、前もって予約していただいて、当日の朝は食事と水は与えずに・・」とお話していました。今日は診察がてら、歯石処置のご予約に来院されました。今日の午後の手術が延期になりましたから、午後は開いています。幸いワンコは朝ごはんを食べていなかったので、そのままお預かりして、午後から歯石を取って、抜歯と歯周炎の治療をしました。

口の中が清潔になってサッパリしました。これで、爽やかにお正月を迎えられますね。

●2009年12月18日(金)

★今日のニャンコ★

今日は時々雪が舞う寒い一日でした。こんな日は来院する方も少ないのですが、午後に1件の電話が入りました。初めての方ですが、「飼ってる猫のお尻に胎児が引っかかって出てこない」ということです。私は診療中だったのでAHTが受けて、診察が終わってすぐに折り返し電話すると、胎児は出ましたが死産だったそうです。状況がよく分からないので来院していただきました。

母猫を見るとひどい風邪をひいていました。それまでは元気だったそうですが、風邪をひいてから食事もあまり食べていないそうです。どうも、風邪が原因で流産したみたいです。まだ1歳になっていないメス猫ですから、母猫が幼いのも原因の一つかもしれません。

エコーでお腹の中を見るとまだ胎児が居ます。飼い主の方は避妊する予定だったそうですが、その前に妊娠させてしまったようです。このまま風邪の治療だけをして出産させるか、風邪の治療をして、手術に耐えられそうになったら避妊手術をするか選択してもらいました。

飼い主の方は後者を選びました。現在、猫は点滴治療中です。早めに手術した方が体は楽になると思いますが、風邪で状態が悪いので、いつ手術をするかの見極めが難しいですね。

●2009年12月17日(木)

★昨日の診察室★

週の半ばは、週の始めや週末と比較すると来院する方が少ないのですが、昨日は手術で忙しい一日でした。
(午前中)
午前9時の診察室に下りて行くとすでに二人の方がそれぞれペットを連れて来院していました。AHTが受付を済ませて症状をメモしてカルテに張ってあります。中型犬の方のカルテには「陰部から膿」と書いてあります。犬の年齢や症状からして「子宮蓄膿症」に間違いないでしょう(手術1)。

そのワンコを診察中にお電話が入りました。「外で面倒を見ている猫が3頭捕まりましたから避妊手術をお願いできますか?」次は何時捕まるか分からないそうなのでその手術も入れました(手術2,3,4)。ここで午後の時間内にできる手術の許容範囲を超えました。

そうこうしていると、本日手術予定だったメス猫が連れてこられました(手術5)。「明日の木曜日は午後休診でスタッフも1名休みなのに、どうやってこの手術を入れようか?」。

午前中の一番最後に猫2頭が来院しました。「この2頭相性が悪くて、いつも喧嘩するんです。2頭とも怪我してます」。1頭は簡単な処置で済みそうな怪我でしたが、もう1頭はお腹の皮膚が10cmほど裂けています。麻酔をかけて縫わなければなりません(手術6)。

(午後12時〜13時)
手術6の怪我の縫合。
(13時半〜16時)
子宮蓄膿症の手術(←太った中年の雌犬だったので大変でした)。

昨日は午後から天候が悪く、電話での問い合わせも少なかったので、午後来院する方は少ないだろうと予想して、残りの手術をドンドン入れて、午後9時半にすべての手術を終えました。昼食抜きで、チロリアン3個とコーヒーで頑張りました。夕方遅く来院された方で容態が悪そうだったのですが診ることが出来ず、他院に回っていただいた方には大変申し訳なかったです。

今日はその子たちがどんどん帰って、蓄膿症の子だけが点滴治療中です。経過は良いので、明日の午後にはお家に帰れそうです。今日の午後は休診でしたから、1日ずれたら大変でした。こんな日もあるんですねぇ。1日でこんなに手術したのは初めてかも・・。

●2009年12月16日(水)
★続ハッチ登場★

昨日の続きです。

入院時はほとんど動けなかったのですが、血管からブドウ糖を入れて、数時間おきに流動食を与えて、だんだん元気になり保育器の中でウロウロする様になりました。入院して5日目くらいですが、まだ安心してお帰しできる程までは回復していません。「後3〜4日は当院で面倒を見た方がいいかな?」と思っていました。その時、この子が居たショップから連絡が入りました。同腹の子犬が巨大食道症だったそうで、入院中の子犬も調べて欲しいということです。

あまり気乗りがしなかったのですが、流動食にバリウムを混ぜて食べさせてレントゲンを撮ると、この子も同じ病気の疑いがあることが分かりました。

「巨大食道症」という病気は、食道の一部が拡張する病気です。拡張したところに水や食事が溜まるので、食べても吐出します。それが原因で誤嚥性肺炎や食道炎を起こすことがあります。原因ははっきりとしませんが、先天的要因が強いようです。食物が食道をスムーズに落ちないのでいつもお腹がすいていますから、ガツガツと食べますが、また吐出します。前足を持ち上げて犬を立たせた状態で食事を与え、食べ物が逆流しないように、食後しばらくは、同じ体位をとらせます。

子犬を連れてきた方は、まだ飼い始めて2日しか経っていません。病気のご説明をすると、初めて飼う犬ですし、とても育てる自信がないそうで、この子を飼うことに難色を示しています。ペットショップに相談すると、この子を引き取っても先天的なハンディキャップが分かった以上他の方に販売するわけにもいかないので、ブリーダーさんに返却することになるそうです。

そうなると、火事場の馬鹿力で頸静脈に管を入れて点滴して、数時間おきに食事を与えてここまで回復させた私の努力はどうなるんじゃい!ということで、当院で面倒をみることにしました。ショップの方も快く同意してくれました。子犬は行き場がなくなったので、名前は(みなしご)ハッチにしました。写真は、給餌後食事が胃袋まで落ちるように、袋に入れられて私の首にぶら下げられているハッチです。カンガルーのお母さんになった気分です。

巨大食道症は自然に治ることもあるそうですから、それを期待しつつ食後はぶら下げて院内をウロウロしています。1ヶ月が経ちましたが、ぶら下がりながら元気で育っていますよ。


●2009年12月15日(火)
★ハッチ登場★

当院のハッチです。メスのヨークシャー・テリアで体重は500gしかありません。先月の下旬に、低血糖でふらふらになって運び込まれました。

ヨークシャーやマルチーズ、チワワなどの超小型犬は、元々食が細い上に環境の変化などでストレスがかると低血糖を起こして命が危険になることがあります。静脈からブドウ糖を点滴してしっかりさせて、口から食事が取れるようになったら、食事に糖を混ぜて強制的に与えて回復させますが、治療の甲斐なく亡くなることもあります。保育器の中で動かなくなって冷たくなっていく子犬を見るのはつらいものです。もう少し大きくなるまで母親の元に置いといてくれたら良かったのにと思います。最近は小さな子犬が好まれる様で、ペットショップのガラスケースの中には、こんな子の予備軍が沢山いますね。

超小型犬の血管に点滴用の管を入れることが出来たか否かが、命を救うことができるかどうかになります。文字通り「命綱」です。ハッチは頸静脈に奇跡的?に管が入り、治療を開始して1週間ほどで自分で食べられるようになり、元気を回復しました。「その子が何で当院に居るの?」続きは明日に・・。


●2009年12月14日(月)
★今日のワンコ★

四国犬のイヨちゃんです。3ヶ月目の女の子で、体重は8kgです。日本犬は子犬でも凛々しいですね。日本犬は気難しい子が多いので、しっかり躾けてくださいね。

●2009年12月12日(土)
★今日のニャンコ★

メス猫のルビーちゃんです。7歳です。今日はワクチン接種で来院しました。後ろからつかまれてムスーっとしていますが、可愛いメス猫でしたよ。

●2009年12月11日(金)

★今日のニャンコ★

「野良猫が捕まったので避妊手術できますか?」とお電話が入りました。通常、手術は予約制でやってますが、野良猫の飛び入り手術は出来る限り随時受けるようにしています。次にいつ捕まるか分からないからです。

今日連れて来られた猫は2頭でした。大きなカゴに入れられて、餌で釣ったのでしょう。カゴに中には猫缶が散乱しています。猫は目をランランとさせて興奮状態です。連れてきた方もフーフーいって、息を切らせています。捕まえた状況が想像できます。相当大変だった様です。

カゴの外から麻酔の注射を打ちますが、猫は大きなカゴに入っていますから、猫が端に寄ったところを見計らって外さないように、一発必中で打ちます。外すと猫が警戒してカゴの中を逃げ回るので大変です。猫が「このひげ面のおっさん、外で何してるのかな?」と思っているうちに打たなくてはいけません。

少し量を多めに打ちますが、野良猫は気合が入っているので完全には眠りません。猫をカゴから出して、ガス麻酔用のアクリルのケースに移しますが、素手でつかむと危険なので、そーっと猫の首に紐をかけて引っ張り出してケースに入れて、ガスを流して完全に眠らせてから、手術しました。

今、2頭の猫は麻酔から覚めて、目をランランとさせて私をにらみつけながら、仲良く引っ付いています。明朝、元の場所に放されます。これで交尾、出産、子育て、それに関わる喧嘩や事故などから開放されて、のんびりと野良猫生活を送れますよ。

●2009年12月09日(水)

★今日のニャンコ★

今日は猫の避妊手術でした。今日手術したニャンコは、6月に北九州市動物愛護センターで開催されたワンニャン譲渡会で今の飼い主の方にもらわれたメス猫です。譲渡されてから半年以内に避妊手術を受けると手術助成金1万円が支給されます。

捨て犬捨て猫防止キャンペーン事業の1つで、通常は抽選ですが、ワンニャン譲渡会でもらわれたメス猫にはすべて支給されますから、メス猫を飼おうかな?って思っている方は、ねらい目かもしれませんね。

でも、生後1ヶ月位の猫の雌雄鑑別は結構難しいのです。オマタの付け根を見てもなんだか良く分かりません。私も尋ねられると「たぶんオスだと思いますが??」という少し情けない返答になります。愛護センターの獣医さんが見てると思いますが、助成金が出るのはメスだけですから、間違うことはないのかなぁ?他人事ながら、少し心配です。

●2009年12月08日(火)
★今日のニャンコ★

子猫のはなちゃんです。5ヶ月目の女の子です。ワクチン接種で来院しました。

寒くなると猫風邪に感染した猫が来院します。以前は、クシャミ、鼻水、ヨダレで顔はをクシャクシャにして来院する子が居ましたが、最近はそんな子がめっきりと減りました。ワクチン接種を打つ子猫が増えたのと、室内だけで生活する猫が多くなったからでしょう。良いことですね。

●2009年12月07日(月)
★今日のワンコ★

ポメラニアンのユキちゃんです。6ヶ月令の女の子です。綺麗な毛色ですね。

●2009年12月05日(土)
★猫の砂?★

昨日尿道閉塞を起こした猫の膀胱の中にあった砂です。ストラバイト結石という結晶です。試験管の中のピンクの液体の下に沈んでいるのがわかりますか?

尿道の先から細い管を入れ、生理食塩水に潤滑剤を混ぜた液を逆流させて、圧をかけながら尿道を通します。膀胱は尿でパンパンに膨らんでいますから、圧をかけたり抜いたりしながらやりますが、栓がゆるんで尿道から飛び出ることがあります。夢中になって顔を近づけていると、オシッコが噴出して大変なことになります。年のせいで、最近は視力が弱まっているので、注意が必要です。

尿道が無事に開通したら、膀胱の中を生理食塩水で何度も洗って、膀胱の中に溜まった砂を洗い出します。昨日のニャンコは特に沢山溜まっていました。前回発症してから3年経っていますから、その間に溜まったのでしょう。血尿や頻尿などの膀胱炎の症状は出ていたでしょうね。

猫は食事付き(処方食)で退院しました。この結石は、食事で尿を酸性化すると再発しません。今度は食事管理してくれるかなぁ?

●2009年12月04日(金)

★今日のニャンコ★

今日の手術はオス猫の去勢手術の予定でした。短時間で終わる比較的簡単な手術です。この手術とは別に、小型犬の避妊手術をして欲しいというお電話が入っていました。次の発情がくる前に手術を済ませたいそうです。前回の発情が7月ですから、そろそろ始まりそうなので、この手術も入れました。この2件でしたら、午後の手術時間内で出来そうです。

午前中の診療が終わり、そろそろ手術予定のワンコに麻酔を入れようと準備していると、中年のおじさんが猫を連れてきました。午前中の診療時間が終わって、今から手術に入る旨をお伝えすると、仕事の都合で昼休みにしか連れて来れないそうです。どうしたのかとお尋ねすると、2日前からオシッコが出てないそうです。

お腹を触るとパンパンに膨らんだ膀胱があります。尿道閉塞です。緊急処置が必要です。実はこのオス猫、今までに2回尿閉をおこしたことがあり、その度に麻酔をかけて細い管で尿道を開通させています。処置後は必ず食事療法の重要性をシツコク言ってますが、実現しません。食事が原因で膀胱に砂がたまり、尿閉をおこすのです。

「もぉ〜。言うこと聞いてよ!」と文句のひとつも言いたくなりますが、猫に責任はありませんから、この子の処置を一番始めに入れました。処置は順調に終わり、現在猫は、前足には点滴用の管、オチンチンには導尿用の管を入れられて、スパゲッティ状態です。

すべての手術が終わったのは、4時前10分で、それからガツガツと遅い昼ごはんをかきこみ、午後の診療開始です。最近お腹の調子が悪いのは、食事時間が不規則なせいかもしれませんね。まあ、すべて上手くいきましたからヨシとしましょう。

●2009年12月03日(木)
★チビ犬★

シーズー犬の上に傍若無人に乗っかっているチビ犬は何者?当院のニューフェイスですが、詳細は後日お伝えしますね。

●2009年12月02日(水)

★今日のワンコ★

今日は12歳の小型犬の乳腺腫瘍の手術でした。プライベートで数年来の知り合いの方のワンコです。相談を受けていたので、1度診せていただいてから、今日の手術になりました。

メス犬は10個の乳腺がありますから、それぞれに腫瘍が出来ます。今日のワンコは上の左側に2〜3個、下の左右に3〜4個ありましたから、胸の部分の右半分とお腹の部分は左右とも切除しました。なるだけ一度に済ませてしまおうということです。

術前の検査には異常なく、麻酔も安定していましたから、ついでに歯石を取って、歯周炎でぐらついている歯を抜きました。すべての処置を終えるのに3時間半くらいかかりましたが、ワンコはすでにICUから出て、入院室で立ち上がっています。近づくと出してくれとクンクン言ってます。鎮痛薬は使っていますが、胸からお腹の下まで切り取られて、歯も数本抜かれたのに、痛くないんですかねぇ。私なんて、歯を1本抜かれただけでも大変ですよ。

●2009年12月01日(火)

★師走突入★

早いもので、今日から12月です。今日は小型犬の歯石の処置をしました。4歳の小型犬です。まだ若いのでそれほど歯石が付着しているわけではありませんが、歯石の付着で歯周炎が進むといけないので、早めに処置しました。

一般的に歯石の処置は高齢犬で行うことが多く、麻酔が安定せずに気を使うことが多いのですが、今日のワンコはまだ若いので、順調に進みました。

12月になると、避妊手術や歯石の処置などの予約が増えます。気になっていたので、年内に済ませておきたいという心理が働くのでしょう。傷の確認や抜糸が年末年始にかかるので、手術の予約は20日前後で締め切っていますから、予定されている方は早めにご連絡くださいね。


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