2008年10月
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●2008年10月31日(金)

★今日のワンコ★

今日はメス犬の避妊手術でした。犬の避妊手術は一般的な手術です。当院の規模で1年間に20頭位はやってると思います。胸の深い大型犬やパグ犬などの短頭種の手術は麻酔に気を使いますが、手術を受けるのは若くて元気なワンコ達ですから、通常はあまり心配しません。

今日のワンコはヨークシャーテリアで、体重は1.5kgしかありません。これで成犬です。元気で健康なワンコですが、これだけ体が小さいと、どこか体にハンディキャップを持っているかもしれません。「麻酔をかけたら容態が急変して・・」なんて、嫌な考えが頭に浮かびます。血管に麻酔導入用の管(留置針)を入れます。AHTがワンコを押さえてくれますが、小さいので腕の中に隠れてしまうほどです。「1.5kgの犬の静脈に管を入れるなんて、オレの腕はゴッドハンドだ!」なんて叱咤激励、自画自賛しながら、なんとか挿入しました。これで命綱を確保したので、少し安心です。何かあったらここから薬を入れることが出来ます。

術前は心配しましたが、どこにもハンディは無かったようで、手術は順調に進み、麻酔の醒めも順調でした。抜けていなかった乳歯も2本抜歯しました。今日の手術で、将来の乳腺と子宮、卵巣の病気が予防できます。今日の手術がこの子にとって最初で最後の手術になると良いですね。

●2008年10月30日(木)

★今日のワンコ★

レプトスピラ病の疑いで入院していたワンコが無事に退院しました。1週間の入院でした。

点滴で腎機能の回復を図り、抗生物質の投与で体内の菌をやっつける作戦でしたが、早めに連れてきて頂いたのと、過去に一回ワクチンを打ってあったのが良かったのか、治療開始4日目に食欲が出始めて、腎臓の機能の悪化を示す数値も下がって行きました。この病気は死亡率が高いのです。

それまでグッタリしていたワンコが、治療を始めるとだんだん元気になって、近づくと尻尾を振るまでになりましたが、食事を食べません。ドッグフードの缶詰やドライフードを口元に持っていっても匂いを嗅ぐだけでプイと顔を背けます。「おかしいなぁ?大型犬だし、そろそろ食べ始めても良いんだけどな」。

猟に使われているワンコです。「ひょっとしたら鶏頭を食べさせているかも!」と、近くの店から「鶏頭の水煮」の缶詰を買ってきて与えると、「ビンゴ!」。ガツガツと食べ始めました。

それ以降は体力も回復し、今日の退院になりました。院内で使うことはないので、1缶余った缶詰は快気祝いにワンコに差し上げました。鶏の頭がゴロゴロと入った缶詰は少し気色悪かったけど、この缶詰で元気になって何よりでした。


●2008年10月29日(水)

★今日のニャンコ★

今日は体重6.5kgのオス猫の抜歯をしました。室内で大切に飼われている猫ですが、上の奥歯が歯周炎を起こして歯茎から出血していました。年齢は8歳でまだ若いので、ひどくなる前に抜歯することにしました。

集団飼育されている猫で口内炎や歯周炎が問題になることがあります。猫は口が痛くて食べられません。匂いの強い粘調性のある唾液で前足がベトベトになることもあります。この様な猫達の血液検査をすると、猫白血病(Felv)や猫エイズ(FIV)が陽性になっていることがあります。集団の中に病気を持った子が入ったことで感染が広がるのです。

今日のニャンコはその様な環境ではありませんから、歯石が付き易い体質なんでしょう。歯がグラグラになるほど進んだ歯周炎ではありませんから、少し苦労しましたが、無事に奥の悪い歯を2本抜くことが出来ました。これで食べ辛さから解放されるでしょうね。

●2008年10月28日(火)

★今日のワンコ★

1週間前に会陰ヘルニアの手術を受けたワンコが来院しました。術後の定期健診です。

「会陰ヘルニア」は、お尻の筋肉がゆるんで直腸が曲がり、ウンチが出にくくなる病気です。薄くなった筋肉を寄せ集めて縫い合わせ、ウンチがスムースに通るようにする手術です。術後は、直腸が真っすぐになったのは確認していますが、手術が成功したか否かは、ウンチをさせてみないと分かりません。そのため、術後の経過が気になります。

今日のワンコは調子よく排便しているそうで、ホッとしました。傷の回復も良好で、半年間排便で苦しんでいたワンコは、久しぶりに快便になり、気のせいか、術前は情けない顔つきだったのが、自信を持った顔つきになった様な気がしました。術者の自画自賛かな?

●2008年10月27日(月)

★今日のワンコ★

今日は12歳の小型犬の乳腺腫瘍の切除手術でした。おなかに赤ちゃんの握りこぶし大の腫瘍があったので切除することにしました。

術前にレントゲンを撮って、肺に腫瘍が転移していないか調べます。血液検査をして、肝機能や腎機能を調べます。どちらにも異常ありません。犬種はマルチーズです。この年齢のマルチーズは心肥大や肝酵素の上昇など、成人(犬)病が多い犬種です。

麻酔は順調で、1時間程度で腫瘍の摘出が終りました。余裕があったので、麻酔のついで(?)に歯石も取ろうと思いました。この年齢だと、歯石が付いて歯周炎になっている犬が多いので、麻酔が安定している時は、歯の治療も同時に行います。

主治医としては、今回の麻酔処置が一生で最後の麻酔にしたいのです。2〜3年後に飼い主の方から「口が臭くて、食事が食べにくそうなので歯石を取って欲しいのですが・・」と言われたときにかかるプレッシャーを避けたいのが本音です。

ワンコの歯を見ると、ピカピカでした。飼い主の方が歯に関して気をつけている様子はありません。多分、何もしていないでしょう。生まれつき歯の丈夫なワンコです。人も言われていますが、歯が健康で食欲旺盛な高齢者は、元気で長生きだそうです。人の例えは犬にも当てはまりそうですね。

●2008年10月25日(土)

★今日のワンコ★

昨日、レプトスピラ病の疑いで入院した大型犬が少し元気になりました。血液検査で腎臓の機能を示す数値がとても高くなっていて、腎機能が悪くなっていることが分かっていました。点滴と腎臓の中の細菌をやっつけるための抗生物質を高容量で投与しました。

腎機能が悪くなっているので、オシッコが出来るかがポイントでした。腎機能の悪化で尿が産生されないと、尿毒症で死亡します。人は「透析」という治療がありますが、犬や猫ではまだ出来ません。理論的には出来るのでしょうけど、動物を何時間も無麻酔でじっとさせて置くのは無理です。

入院中のワンコは、日頃ゲージの中で飼われているので、ゲージから出して排尿排便の習慣がついています。点滴は続けていますから、オシッコが溜まっているはずです。朝一で、ゲージから出して屋上に上げてしばらくすると、チョロチョロとオシッコが出ました。第一関門クリアーです。まだ、腎臓は生きていました。

夕方は朝よりもたくさんオシッコが出ましたから、腎臓は頑張って働いているようです。腎臓が頑張っているうちに、細菌をやっつけなければいけません。まだまだ、ハードルが続きますね。


●2008年10月24日(金)

★今日のワンコ★

レプトスピラ病が疑われる犬が入院しました。

「レプトスピラ病」というのは、レプトスピラ菌という細菌が感染して起こる犬の病気です。この菌に感染すると犬は腎臓が悪くなって、尿毒症をおこし死亡率の高い病気です。他の臓器に菌が入ると黄疸などの症状も出ます。この細菌は、犬の口や傷口から感染します。菌が野生動物の糞などに含まれ、犬が菌に汚染された川の水や田んぼの水を飲んで感染し、主に猟犬で問題になる疾病です。

今回入院した犬も猟犬で、2週間ほど前に山に入ったそうです。一昨日まで元気で食欲旺盛だったワンコが急に食べなくなったので来院してきました。日頃から食の細いワンコは別ですが、いつもガツガツ食べる子が急に食べなくなった時は、何か重大な問題が体の中に起こっている可能性があります。異物を食べたとか、伝染病とかです。

今日のワンコも血液検査をすると、腎臓の機能を示す数値がとんでもない値に跳ね上がっていました。確定診断は出来ませんが、レプトスピラ病の可能性が高く、腎臓がかなり悪くなっていたので、通院での治療は無理だと判断し、点滴と抗生物質の大量投与主体の治療で入院治療することにしました。

入院しても助けられるかどうか分かりませんが、ワンコには頑張って欲しいと思います。この病気は人にも感染しますから、ワンコのお世話には気を使わないといけません。Pもしばらくは病院に入室禁止ですね。

●2008年10月23日(木)

★今日のニャンコ★

7ヶ月目のメス猫の避妊手術をしました。メス猫の避妊手術は特に珍しい手術ではありませんが、猫の種類がスコテッシュホールドでした。目がパッチリとしてお顔は真っ白で耳は小さくて、もう可愛いこと、可愛いこと・・。術後は猫の入院室で一泊しましたが、夜の見回りの時、一瞬違う動物が入っているかと錯覚しました。アニメに出てくる猫そっくりでしたよ。その上、人懐っこくて、ガラス越しに目が合うと、小さな声でニャーニャーと呼んでいました。

スコテッシュホールドの耳は、遺伝的な軟骨形成不全です。純粋種どうしをかけ合せると、手足の軟骨に障害を持つ子が生まれることがあるので、最近は障害を持つ子を出さないために、他の種類の純粋種を掛け合わせることが多いようです。そうすると、耳の小さな子猫と普通の耳が子猫が生まれます。時々耳が普通のスコテッシュホールドが来院することがありますが、耳が小さな子猫の同腹猫かもしれませんね。

●2008年10月22日(水)

★今日のワンコ★

今日は小型犬の足に出来た腫瘍(イボ)を切除しました。9歳のオスのワンコです。今年の5月ごろに足に1cm程度の大きさのイボが出来ました。飼い主の方は取って欲しそうですが、「この程度のイボで全身麻酔をかけるのもなぁ」と思い、上手くいくかどうか分かりませんが、皮膚と引っ付いている根っこの部分が細かったので、試しに糸できつく縛ったところ、1週間後には上手くポロリと落ちました。

しめしめ、と思っていたのですが、やはりこんな安直な方法ではそんなに上手くいくわけもなく、再び、イボは成長し始めて、2cmほどの大きさになったので、今回は全身麻酔下で切除しました。再発しないように少し大きめに切りましたから、4cmほどの傷になりました。

麻酔のついでに、数mmのイボも同時に切除し、歯石を取って歯をきれいにして、グラグラしている歯は抜歯しました。犬は人と比べると痛みに強いようですが、グラグラしている奥歯を抜歯してやると、食が進むようになることがあります。きっと痛みが取れるのでしょう。今日のワンコはどうかな?

●2008年10月21日(火)

★今日のワンコ★

今日はオスの中型犬の会陰ヘルニアの手術でした。

「会陰ヘルニア」という病気は、去勢手術を受けていないオス犬特有の病気です。臀部の筋肉が薄くなって直腸が曲がってしまい、そこにウンチが溜まって出にくくなります。排便が上手くいかないので、ワンコは何度もウンチの姿勢をして、時には痛いのかキャンキャンとなきます。見ていて気の毒になります。飼い主の方は「どうもうちの犬が痔になったみたいだ?」と思って来院されます。

原因はよく分かりませんが、中年以降に発病することが多いようです。手術は薄くなった筋肉を寄せ集めて縫合して、直腸を真っすぐにしてやり、ウンチの通り道を作ってあげます。放っておくとヘルニアの中に膀胱が落ち込んでオシッコが出せなくなり、命に関わることもあります。

手術してもいきみで縫った糸が外れて再発したり、反対側がヘルニアになるすることもあるので、あまり好まれる手術ではありませんが、手術を先延ばしにしているとドンドン筋肉が薄くなって、手術が大変になり、獣医師は自分の首をしめることになります。

今日のワンコは発病から3〜4ヶ月が過ぎていましたが、まだ縫い合わせる筋肉が残っていたので、上手くいきました。これで、スッキリとウンチが出せるようになるでしょうね。


●2008年10月20日(月)

★今日のわんこ達★

今日は休み明けで忙しい1日でした。まず朝一は食欲不振で呼吸状態があまり良くない大型犬です。先週から診ていますが、今日はレントゲンを撮ることにしました。体重が30kg以上あるので、当院の様な零細動物病院では大変です。幸いフレンドリーで大人しいワンコでしたから、あまり苦労しないで撮ることが出来ました。

次は、食欲がない猫です。昨日までは食べていたそうです。少し貧血気味だったので、血液検査をすると、Felv(猫白血病)とFIV(猫エイズ)に感染していることがわかりました。今の飼い主の方に保護されたのが成猫になってからで、ワクチンも打ってもらていましたが、保護される前に感染していたのでしょう。診察に時間がかかり飼い主の方のお仕事が始まる時間が近づいていたので、夕方までお預かりしました。

午後からも、食欲がない猫、クシャミする犬、皮膚や耳が痒い犬、体に障るとキャンと痛がる犬などなどが来院し、終わりかけに、「すみませーん。今捕まったんですけど、オス猫の去勢手術してもらえませんか!」。

今は午後8時半です。一般の人は夕食を終えてくつろいでいる時間ですよねぇ。スタッフはまだ片付けと明日の診察の準備に追われています。お疲れさ〜ん!

●2008年10月18日(土)

★今日のワンコ★

9月中旬から10月にかけて猛威をふるった犬のバベシア病が一段落してきました。「なんか最近元気がないなぁ〜。食欲も落ちて2〜3日前までは好きなものは食べていたのに、ここ2〜3日は何にも食べないし、元気もないし・・」という程度のワンコから、来院して来た時は、貧血でフラフラになって診察台の上で頭を上げるのがやっとで、治療を始めたのにも関わらず、3日間は寝返りも出来なくて、口から流動食を入れてもらって、何とか持ちこたえたワンコも居ました。

駆虫薬を注射後に血液検査をして原虫が血液中から居なくなったのを確認して、再発予防のための内服薬を処方しますが、「ノドもと過ぎればなんとやら・・」で、来院しないワンコも居ます。治療に1週間ほどかかりますから、だんだん元気になってくるので、容態が悪くなって来院できないわけではないと思って安心していますが、1クールの治療で完全に駆虫できなくて再発する子も居ますから、注意して下さいね。

この病気は、他の伝染病と違って、一度かかったら二度とかからない病気ではないので、発生地区では、犬を草むらに入れてダニを付けないようにして下さいね。


●2008年10月17日(金)

★今日のニャンコ★

今日は猫の去勢手術と避妊手術がありました。避妊手術は、外で餌をもらっている猫、いわゆる「野良猫」です。今日の夕方、餌で釣ってカゴに入れて連れてくることになっていました。夕方連れて来られて、次の日の午後、手術の予定でした。

猫は予定通りカゴに入って来院しましたが、当院からお貸ししたカゴではなくて、お家にあるキャリーバッグに入っていました。このままでは麻酔に注射を打てませんから、当院のカゴに移し変えました。

入口をプラステックの板で塞いで、カゴとカゴの入口を合わせてから、カゴを逆さまにしてから板を抜いて、当院のカゴに猫を落としこみました。移し変えは上手くいきましたが、同時に、猫をおびき寄せる為に入れた猫缶も一緒にカゴの中に落ちてしまいました。缶詰の中にはたっぷりと餌が入っています。このままだと夜中に缶詰をたらふく食べるでしょう。手術前は絶食ですから、それだと困ります。猫缶を取り出したいのですが、猫は逃げ出そうをして虎視眈々と目をギラギラさせて、こっちを見ています。

ということで、夕方から猫の緊急?避妊手術になりました。幸い6時を過ぎると、外来の方も少なくなりましたから、あまりお待たせしないで、診察と手術を同時に行うことが出来ました。

猫は麻酔から完全に覚める前にカゴに戻されました。明後日の退院後は、そのまま野に放たれることになります。

●2008年10月16日(木)
★今日のニャンコ★

メス猫のハナちゃんです。写真撮影のため、私に首をつかまれてもうカンカンです。

●2008年10月15日(水)

★今日のニャンコ★

今日はオス猫の去勢手術でした。外で食事を与えている猫ですが、お家の中で飼っている猫と仲良くなって、よく一緒に遊んでいるそうで、成猫になってケンカしてはいけないということで、去勢手術を受けることになりました。

いつも外に居る猫ですから、捕獲されて目をギラギラさせていました。伝染病の検査(猫エイズ、猫白血病)の検査も依頼されましたが、仮に陽性がでても2頭の飼い方が変わるわけではないので、検査をする代わりにワクチンを打ってあげることにしました。エイズや白血病は仲が悪くてケンカ傷から感染したり、逆に仲が良すぎてお互いをなめあったり、同じ食器で食事をすることで感染します。

ワクチンは毎年接種するのが望ましいのですが、一度打っておくだけでもかなり効果が出ます。2頭が病気をしないで、良い遊び相手が続くと良いですね。

●2008年10月14日(火)
★学会報告★

1泊2日で学会から昨日帰宅しました。犬の心臓病の新しい薬、リンパ腫などのガンの症例の報告、ミニチュアダックスの椎間板ヘルニアを62頭も手術した先生の発表、小型犬の前足の骨折の手術方法の発表等々・・・。

犬や猫の高齢化に伴って増えているガン、人気犬種特有の病気、室内飼いの超小型犬の治癒し難い骨折など、病気の種類が今のペット事情を反映していました。やは獣医師が治療に苦労している病気は同じなんですね。

写真はMDのクウちゃんです。2ヶ月目の男の子です。最近のMDは以前と比べると、胴が短くなった感じがします。腰の負担が少なくなって、椎間板の病気が減ると良いですね。

●2008年10月10日(金)
★今日のワンコ★

キャバリアのマロンちゃんです。今年の8月生まれの男の子です。体重は1.2kgです。キョトンとした表情が可愛いですね。

明日は学会出席のため休診します。病院は開いていますから、処方食やフロントライン等は対応できます。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。診療に使える新しい情報がゲットできると良いなぁ。

●2008年10月09日(木)

★昨夜の研究会★

昨日は午後9時から定例の症例研究会でした。月に1回開催されています。市内の動物病院の獣医師が10数人集まって1ヵ月間に経験した珍しい症例、治療に苦労した症例などを持ち寄って発表します。自分では経験したことがない病気や治療法を知ることが出来情報交換にもなるので、有益な研修会です。

先生によっては得意な分野がありますから、その分野の発表になります。整形外科が得意なY先生、「先日、トミシタせんせいから紹介された骨折の症例ですが・・」、眼科が得意なH先生も「トミシタ先生から紹介された白内障の症例の発表ですが・・」。

参加していた若い先生からは、「今日はトミシタせんせいの症例ばかりですね」と言われ、少々耳が痛かったです。開業当初は何でもかんでも自分でしていましたが、人脈が広がるに連れて、すばらしい技術を持った先生方を知ることができて、最近は専門の先生をご紹介することが多くなりました。「こんなんで良いのかなぁ。自分の技術も磨かなくっちゃなぁ」と時々思いながら、日々診療しています。


●2008年10月08日(水)
★今日のワンコ★

ポインターのケンちゃんです。2ヶ月目の男の子で体重は7kgもあります。カメラの前ではポヤ〜ンとしていますが、山に入ると別人(犬?)になります。もう少ししたら訓練が始まって、将来は立派な猟犬になる予定です。

●2008年10月07日(火)

★今日のワンコ★

今日もバベシア病のワンコを診察しました。室内で飼われている中型犬ですが、1週間程前から元気や食欲がなくなり、様子をみているうちにだんだん悪くなって、最近は好きなものも食べなくなり、体がふらついて階段も上がれなくなりました。連れてこられたワンコは診察台の上に横たわってじっとしています。ワンコを草むらやヤブの中には入れないようにしていますが、2〜3週間前にダニが付いていたことがあったそうです。

飼われている地区、経過、症状からバベシア病が強く疑われ、血液検査で原虫が見つかり、診断がつきましたから、すぐにバベシアの治療を始めました。今回のワンコは一連のバベシア症のワンコの中でも、重症です。駆虫薬の注射で元気になると良いですね。

先ほど、近隣の獣医師から連絡が入り、高見地区、美術館周辺の山でもバベシア病が発生しているそうです。近隣の犬の飼い主の方は、媒介するダニを付けないように愛犬を草むらに入れないで下さいね。

●2008年10月06日(月)

★今日のワンコ★

「庭で猫に顔を引っ掛かれたみたいで、目の下が膿んでいます」ということで、12歳のパグ犬が来院しました。確かに目の下のシワところが濡れています。指で押すと血液が混じった漿液が出るので、飼い主の方が言われるとおり化膿しているようです。

以前にもこんなことがあって、「庭に時々野良猫が入ってきています。うちの○○は大人しいので、庭に出て猫から攻撃されてもじっとしているのでしょう。全くけしからんヤツラです」。と飼い主の方はおかんむりです。

漿液は目の下のシワのあたりから出ています。「こんな奥を猫から引っ掛かれるのかなぁ?」なんて思いながら、傷の治療をします。傷は結構深くて、皮膚の奥の方まで化膿してます。「はは〜ん、これは歯根炎からの化膿だな」。

奥歯が歯周炎や歯根炎を起こすと、目の下が腫れてそのうちに表面が破れて血の混ざった膿がでることがあります。犬歯が歯根炎をおこすと、悪い方の鼻から青っぱなやクシャミが出ることがあります。

今日のワンコも歯根炎が原因だということで治療しました。原因の歯を抜くのが一番ですが、パグ犬は麻酔事故が多いので、よほどのことがないと、当院では高齢のパグ犬には麻酔をかけません。今日のワンコも、お薬主体の治療になります。一旦は良くなっても、原因は取り除かれていませんから、再発することがありますが、その時はまた化膿止めのお薬を投薬します。

お庭の野良猫にとっては、とんだ「濡れ衣」でしたね。

●2008年10月04日(土)
★今日のニャンコ★

「吐く」ということで13歳の猫が来院しました。実はこのニャンコ、昨日も同じ症状で来院しました。胃炎の治療をして一晩様子を見ていただきましたが、まだ回復していないそうです。外には出ない猫ですから、伝染病や事故の可能性はなさそうです。良く太った猫で、慢性経過をとる腎臓病などでもなさそうです。異物を食べる年でもないし、残るは腫瘍か??なんて考えながらレントゲンを撮りましたが、異常はみられません。通常の健康な猫のレントゲンと変わらないように見えます。

昨日使ったお薬とは少し作用の異なる吐き気止めの注射を打って、当院でお預かりして様子を見ることにしました。吐き気を見るために注射器を使って強制的に流動食を与えました。次の検査はバリウム造影か、内視鏡のある病院に搬送して、麻酔下で内視鏡検査か??

ところがそれから数時間見ていましたが、吐く様子はありません。近くに置いてあるタオルを引っ張ったり、私のズボンを引っ張ったりしていたずらしています。なんか、元気そうです。

結局、飼い主の方がお迎えに来るまで吐くことはなく、お家で様子を見てもらうことにしました。飼い主の方によると2日間吐き続けたそうですが、何だったんでしょうね。

写真は子犬のモモちゃんです。2ヶ月目の女の子で今日はワクチン接種で来院しました。モモちゃんは、トイプードルとキャバリアのミックス犬だそうです。これからこんな可愛いミックス犬が増えてくるのでしょうね。

●2008年10月03日(金)
★今日のニャンコ★

ロシアン・ブルーのジェリーちゃんです。2歳の女の子です。光沢のある独特な手触りの柔らかな被毛とエメラルドグリーンの目が特徴です。日本猫にはない雰囲気を感じますね。

●2008年10月02日(木)
★今日のワンコ★

シーズー犬のモモちゃんです。12歳の女の子です。12歳というと人に換算すると60歳くらいですね。「還暦」を迎えて赤い服着せてもらっているのかな?人の60歳はあまり可愛くないけど、犬の60歳は可愛いですね。

●2008年10月01日(水)

★今日のニャンコ★

先日外傷を縫合した猫の抜糸をしました。

フーフー、ギャアギャアと怒る猫で、背中に傷があるのは判りましたが、毛がかぶっているのでどんな状態になっているのか判りませんでした。縫合する必要がありそうなので、猫も怒っていることですし、麻酔下で傷を見ると、背中に大きな穴が開いて皮膚がなくなっていました。縫合するために傷をきれいに修正すると、穴の大きさは直径10cmにもなり、すべて縫合できるか心配になるほどでした。

背中のほぼ1/3の皮膚がなくなった状態でしたが、猫の皮膚は良く伸びるので、あっちこっち引っ張って、何とか中身が見えないまで縫い合わせることが出来、猫にチョッキを着せてその上からテープを巻いて、傷が開かないように圧迫して、抜糸の日を向かえました。

怒りんぼ猫ですから、「抜糸も麻酔が必要になるかな」と思っていましたが、案外大人しく抜糸させてくれて、傷も無事に引っ付いていました。縫合した時と比べて1kg近くも体重が増えていました。怪我の後は痛くて食べれなかったのでしょう。怒りっぽかったのも、痛みがひどかったせいかもしれませんね。

最近、一回の注射で2週間ほど効果が持続する抗生物質(化膿止め)のお薬を使っています。薬が飲めない猫や犬には大変重宝しています。この薬のおかげで、外傷の治癒率はかなり好成績を納めていますよ。


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