●2008年05月30日(金)
★今日のワンコ★ 乳頭の先に500円玉ほどの大きさのイボをぶら下げた大型犬が来院しました。乳頭の先にチョコンとぶら下がっています。悪い物ではなさそうなので、そのままにして置いてもいいかと思いましたが、飼い主の方は出来れば取って欲しそうです。 麻酔をかけて切除するのが、一番安全で確実なのですが、大型犬の全身麻酔は結構大変なので、イボの根元をギュッと糸で縛って、血行障害を起こさせて、自然に落とそうともくろみました。実は小型犬の小さなイボがこの方法で取れましたから、今回も上手く行くと思っていました。 翌日、飼い主の方からお電話が入りました。イボの先からポタポタと出血しているそうです。とりあえず来院して頂いて、イボを見ると悲惨なことになっていました。血行障害で皮膚は変色していますが、完全に遮断できていなかった様で、壊死した皮膚から血がポタポタと漏れています。 もうこうなると、「縛る」なんて姑息な手段は通用しません。メスで切除しないと、この状況は変わりません。大人しいワンコですから、飼い主の方にワンコを押さえてもらって、メスで一気に切りました。切除は上手くいきましたが、乳頭の一部にメスが入ったので、思いのほか出血します。ワンコは一瞬でも痛い思いをしたので騒ぎ出しました。血はボタボタ出るわ、ワンコは嫌がるわのテンヤワンヤの末、無事に出血を止めることが出来、包帯を巻いて帰って行きました。 引っ付いている部位は小さくても、イボが大きな時は、姑息な手段を使ってはいけませんね。今日は性格が温厚なワンコで助かりました。
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