2007年10月
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●2007年10月31日(水)

★今日のワンコ★

今日は、中型犬の避妊手術でした。犬の年齢や大きさ、性格によって麻酔を使い分けます。大人しいワンコは、すぐにお預かりして、手術開始時間を逆算しながら、鎮静薬や導入の麻酔薬を投与していきます。とても激しい性格の猫などは、注射が打てないので、ゲージごとビニール袋に入れて、麻酔ガスを吸わせることもあります。

今日のワンコは、少し怖がりのワンコでしたから、鎮静剤の効果が出るまで、飼い主の方に付き添って頂きました。犬は飼い主が居るので、不安感がなく、鎮静薬がよく効きます。鎮静効果が出たところで、静脈に点滴用の管を入れます。ここまで終れば、飼い主の方には引き取っていただいて良いのですが、今日の飼い主の方は、麻酔を入れてワンコが眠るまで見ていたいということでしたので、近くに居ていただきました。

静脈から麻酔薬が入って、愛犬がグッタリなると、目がウルウルでした。やはり少し刺激が強すぎた様でした。今日は、このワンコの他に、飛び入りで猫の避妊手術と去勢手術が入りましたから、麻酔時間の逆算で頭を使った1日でした。

●2007年10月30日(火)

★今日のワンコ★

10月も終わりますが、今年は暑い秋でした。平均気温も平年より2度以上も高いそうで、その関係か、例年ですと梅雨時期から夏に多い皮膚病が、今月に入ってからも散発的に見られました。ノミの寄生が多いのが、原因の一つでしょう。

また、当院の近隣では見られなかった、ダニが媒介する「バベシア病」という、犬がひどい貧血を起こす病気が、2週間に3頭も発生しました。発病した犬達は、回復に向かっていますが、まだ他の犬に発生する可能性があるので、犬を草むらに入れてダニを付けないように、来院した方には注意を促しています。

外にはまだ蚊が居ます。外で生活しているワンちゃんには、来月までフィラリアの予防薬を飲ませて下さいね。

●2007年10月29日(月)
★今日のワンコ★

MDのパスタちゃんです。2ヶ月目の男の子です。縞々シャツが良く似合っています。

●2007年10月27日(土)

★今日のワンコ★

先日(10月19日)ご紹介した犬のバベシア病という感染病が続発しています。15年間で4例しか見たことがなかった病気ですが、ここ2週間で3例も遭遇しました。バベシアという原虫が犬の赤血球の中に寄生する病気で、犬はひどい貧血を起こします。

貧血を起こした犬は、元気や食欲がなくなって、グッタリなります。ダニが媒介しますから、野原や川原、山の中に入る犬は要注意です。フロントラインをつけて、ダニの駆除をすることも大切ですが、ダニが付くような場所に犬を入れないようにして下さいね。

●2007年10月26日(金)
★今日のワンコ★

パピヨンのサラちゃんです。10ヶ月目の男の子です。今日は、狂犬病のワクチン接種で来院しました。バッチリカメラ目線ですね。撮られ慣れているのかもしれませんね。なかなかのイケメンです。

●2007年10月25日(木)
★今日のワンコ★

チワワのオールちゃんです。4ヶ月目の男の子です。今日はワクチン接種で来院しました。体重は1.7kgです。この年齢で、これ位の体重だと、成犬になった時は3kg位になると思いますから、安心して飼うことが出来ますね。成犬で2kg以下の極小チワワは、ガラス細工を扱うような細心の注意が必要です。

●2007年10月24日(水)

★今日のワンコ★

今日は中型犬の乳腺腫瘍を切除しました。

体重が8kgほどの痩せ型のメス犬ですが、一番後ろの乳腺が、ソフトボール程の大きさにまで膨らんでいます。大きな腫瘍をぶら下げていますから、見た目も重そうです。腫瘍は、これの他に2箇所にあって、その一つからは血様の漿液がポタポタと漏れています。飼い主の方の話によると、今年になってから、急に大きくなったそうです。これ以上大きくなると、表面が破れそうなので、切除して欲しいということです。確かに、腫瘍の先端は、地面に引っ付きそうです。

手術で切除する以外に治療法はないのですが、なんと、このワンコ17歳と高齢で、その上、血液検査でフィラリアが感染しているのが判りました。幸い、腫瘍の肺転移はありませんでした。はたして、長時間の麻酔と手術に耐えられるでしょうか?メスが入ったら、もう引き返すことは出来ません。

飼い主の方と充分に相談の上、手術することにしました。かなり緊張しながら麻酔を入れましたが、幸い容態が悪くなることもなく、3時間の手術に耐えて、無事麻酔から目覚めました。飼い主の方の期待に応えることが出来てホッとしました。明日の朝、退院です。

●2007年10月23日(火)

★今日のニャンコ★

先週末に外傷の猫が来院しました。胸の所に3箇所大きな穴が開いて、皮膚が欠損しています。犬か猫に咬まれたのが原因だと思います。咬まれて、皮膚の下が化膿して、皮膚が壊死脱落して、大きな穴が開いてしまったのでしょう。毛があるので、飼い主の方は気づかなかった様です。膿が出ると、毛が濡れるので、それで気付くことが多いのです。

通常は縫合しますが、あまりに傷が大きいのと、化膿がひどいので、しばらく薬を塗ってテーピングと投薬で、傷を落ち着かせてから、縫合することにしました。幸い、傷は胸の部分でしたから、猫にチョッキの様なものを作って着せて、傷を保護しました。

今日、その猫が縫合のために来院しました。飼い主の方には、麻酔をかけるので、猫に食事をあげないで来院してもらいました。飼い主の方は、猫を置いて帰ろうとしているので、傷の確認をするまで待ってもらいました。傷の程度によっては、2〜3日の入院が必要かもしれません。

テーピングを外して、傷を見てビックリ!あれほど大きくて化膿がひどかった傷が、1/4程の大きさにまで、小さくなって、ほとんど膿もでていませんでした。驚異的回復です。麻酔をかけて縫っても、これほど綺麗には治りません。このままの処置でも、後1週間ほどで完治しそうなので、今日の縫合処置は止めました。元気な猫の自然治癒力はすごいですね。

●2007年10月22日(月)
★今日のワンコ★

今日は2頭の小型犬の去勢手術をしました。同じお家で飼われている1歳のワンコです。1頭は、睾丸の一つが降りてきてなくて、途中で引っかかっていましたから、将来腫瘍化してはいけないので、去勢手術を受けることになりました。もう1頭は、最近気性が激しくなってきたので、こっちも去勢手術を受けました。今夜は、入院室の隣どうしで、仲良く休んでいます。明朝、退院です。

写真はポメラニアンの花子ちゃんです。8ヶ月の女の子です。今年中に避妊手術を受ける予定です。

●2007年10月20日(土)

★今日のニャンコ★

ネズミ捕りに捕まった野良子猫が来院しました。

夜中に愛猫家の方の家の縁の下から妙な泣き声がするので、様子を伺うと、仕掛けていたネズミ捕りに、生後1ヶ月位の子猫が引っ付いて動けなくなっていました。そのままにするわけにもいかず、思い切ってエイッと猫を引っ剥がしましたが、猫の体がベトベトになっているので、何とかしてくれということです。

何とか捕獲できましたから、連れてきてもらいました。小さな子猫の体は、ベトベト、ゴワゴワです。ネズミ捕りの粘着剤は強力です。バリカンで毛を刈るのが一番かと思いましたが、人に慣れていないので、触ろうとするとフゥーと威嚇してきます。毛を刈るどころじゃありません。処置には麻酔が必要ですが、こんな小さな猫に麻酔をかけたことは記憶にありません。

麻酔注射は危険なので、ガスを吸わせて眠らせました。顔にマスクをかけて麻酔ガスを吸わせながら、油と洗剤を使って、なんとか、ベトベト、ゴワゴワを取ることができました。

麻酔から覚めた子猫は、愛猫家の方が迎えに来てくれて、ここの家の猫になるそうです。めでたし、めでたし・・。


●2007年10月19日(金)

★今日のワンコ★

犬にバベシア病という病気があります。バベシアという小さな虫(原虫)が赤血球の中に寄生する病気です。赤血球が壊れますから、犬は貧血を起こして、治療を受けないと死亡することもある怖い病気です。このバベシアという原虫は、ダニが媒介します。この病気に感染した犬から吸血したダニが、他の健康な犬に寄生することで病気をうつします。

この病気は地域性があって、北九州界隈では、筑豊地区、特に遠賀川の河川敷、八幡西区、若松区、小倉北区では、阿部山から森林公園、平尾台などに発生が見られていました。当院は八幡東区にありますが、東区に発生は見られませんでしたから、安心していました。当院でこの病気を見たのは15年間で3頭だけです。この3頭は、上記の地区に遊びに行ったり、以前、その地区に預けられたりした犬達でした。

ところが、このバベシア病がすぐ近くの泉台地区で発生しました。下到津を流れる川の河川敷で感染したようです。駆虫薬がありますが、重篤な副作用が出ることがありますし、一旦治療しても、原虫が体の中に潜んでいて、再発病することもあります。

ダニが媒介しますから、ダニの予防(フロントライン)と、ダニが付きそうな草むらに犬を入れないことが大切です。お気をつけ下さい。

●2007年10月18日(木)
★今日のワンコ★

チワワのナナちゃんです。今年の夏に今の飼い主の方から保護されました。病気もあったのですが、手術してもらってすっかり元気になりました。7月に保護されたので、この名前を付けてもらったのかもしれません。保護したのは、中年男性の方ですが、いつも腕の中に抱っこされています。人と犬の間に「見えない赤い糸」があったんですね。

●2007年10月17日(水)

★今日のワンコ★

高齢犬が、ころんだり、落っこちたりする事件が続きました。1頭目は、10歳の中型犬です。飼い主の方は、このワンコが夜暗い中を走ってくる途中で、ドンと転ぶ音を聞きました。それ以降、後ろ足が少しふらつく様になったので、来院して来ました。

2頭目は、14歳の中型犬です。いつも高さ50cm位のベランダに居ますが、そこから落ちた様で、飼い主の方が気付いた時には、下の側溝の中で仰向けになっていました。それ以降、座った状態から立ち上がるのが不自由になりました。

診察すると、それぞれ、後ろ足の反応が鈍くなっていました。後ろ足の先を折り曲げた状態で立たせると、健康な犬は、すぐに元に戻しますが、この子達は、戻すのに時間がかかります。腰を痛めて、後ろ足に軽い麻痺が出ているようです。

両方とも、幸い歩けなくなるほどのダメージはありませんでしたから、炎症をとる薬を処方しました。ころんだワンコは、投薬で調子良くなりました。溝にはまった子は、経過観察中です。年をとると、目や耳が不自由になって五感が鈍くなりますから、落っこちて怪我させないように、気をつけてあげてくださいね。


●2007年10月16日(火)

★今日のニャンコ★

今日は、猫の避妊手術が2頭ありました。1頭は飼い猫、もう1頭は餌だけもらって、外で生活する猫です。

野生猫は、麻酔の効きが悪いので、少し多めに打ちますが、それでも完全には効きません。注射はカゴの外から打ちましたが、引っ張り出すには、まだ意識がハッキリしていますから、カゴごと大きなビニール袋に入れて、ガスを流して眠らせました。簡易ガス室です。手術が終って、麻酔を切るとすぐに目覚めましたから、あわてて、カゴの中に戻しました。猫はカゴに入ったまま退院して、明日、元の場所で放されます。

飼い猫の方はというと、軽い鎮静剤を打っただけで、すでに意識もうろうとしています。注射を打つと完全に眠りましたから、ガスを吸わせながら、すぐ手術に入りました。麻酔を切っても、眠りこけているので、覚醒させる注射を打ちました。

同じ年齢の猫でも、飼い猫と野生猫では、全く感受性が違います。これ位気合が入ってないと、野外では生きていけないのでしょうね。

●2007年10月15日(月)
★今日のワンコ★

シーズー犬のモコちゃんです。6歳の女の子です。とても元気で陽気なワンコでした。我が家のシーズー犬は、15歳と13歳です。寝ていることが多いのですが、食事の時間になると、ゴソゴソ起きてきます。モコちゃんみたいな元気なシーズーを見ると、若い頃を思い出しますね。

●2007年10月13日(土)

★今日のワンコ★

「皮膚病になったみたいです」ということで、中年オスの柴犬がご婦人に連れられて来院しました。このワンコ、気性が激しいのか、怖がりなのか、診察台に上げようとすると、ギャウギャウと抵抗して、ウーウーうなって、咬みそうな感じです。

犬がギャウーと言うと、飼い主の方が手を放しますから、「ほら、自分の飼い犬なんだから、しっかりと押さえて!」なんて言いながら、AHTを含めて、3人で押さえて、診察が始まりました。

始めは暴れていたワンコも、観念したのか少し大人しくなりました。お尻の方を見るとノミアレルギー性皮膚炎の様な感じだったので、「皮膚病はノミが原因かもしれませんねぇ」」と話すと、いきなり、中年男性の変な声で、「そんなの関係ねえ、そんなの関係ねえ、そんなの関係ねえ」。お尻のほうを見ていた私は、「うわぁ〜、犬がしゃべったぁ!!」

声の犯人は、飼い主の携帯電話の着信音でした。息子さんがいたずらして、着信音をこれに変えたのだそうです。まさに、絶妙のタイミングと台詞でした。

後で、当院のAHTに聞くと、「そんなの関係ねえ」は、最近人気のあるお笑い芸人のギャグなんだそうです。ビックリしたなぁ。

●2007年10月12日(金)

★今日のワンコ★

今日は、オス犬の会陰ヘルニアの手術でした。去勢手術を受けていないオス犬が中高年になるとかかる病気です。

お尻の周りの筋肉が薄くなって、直腸の位置が変わるので、直腸が蛇行して便が出にくくなる病気です。便が出にくいので、排便に時間がかかり、痛みが出ると、排便の時に犬はキャンキャン鳴きます。飼い主の方は、愛犬が痔になったんじゃないか?と思って来院されます。

お尻の周りの薄くなった筋肉を寄せ集めて、ヘルニアの穴を塞ぎますが、経過が長い子は、寄せ集める筋肉が無くなっているので、手術が大変で、再発率が高くなります。

今日のワンコは、ワクチン接種で来院した時のお話の中で、ヘルニアになっているのが判りましたから、比較的早い時期の手術でした。再発防止のために、去勢手術も同時に行い、前から気になっていた胸に出来たイボを切除し、歯石もついでに?取りました。

かなり長時間の手術になりましたが、もうこれで生涯何もしなくて済むと良いですね。

●2007年10月11日(木)

★今日のワンコ★

今日の午後は休診日ですが、当院では手に負えない手術を、H動物病院に依頼して、午後から、その手術の助手を務めました。今日の午後はたまたま休診でしたから、時間を気にしないで、良かったのですが、午後に診療がある時に、長くかかりそうな手術をお願いすると、夕方7時から手術の予約を入れてくれます。F院長は執刀医で、他の獣医師やAHTもスタッフとして入ってくれます。

先日は、私が依頼した手術が、7時半ごろから始まり、そろそろ終わりかな?って頃に、それまでスタッフとして入っていた獣医師とAHTが抜けました。すでに午後11時近くなっていましたから、「遅くなったので帰宅かな?」と思っていると、「院長、次のオペの準備に入ります!」。

私が依頼した手術を先に入れてくれて、自分のところは後回しにした様です。後で聞くと、そのオペが終ったのは、午前3時過ぎだったそうです。

日田市にある整形外科が専門の病院も、仕事が終わってから、主治医が傷ついた動物を連れて行くので、オペの始まりは、午後10時位です。終るのが、明け方で、朝焼けを見ながら高速をすっ飛ばして、手術が終った動物を、自分の病院に連れ帰ります。

動物達の健康を取り戻すために、深夜まで働いている獣医師が沢山います。同業として、頭が下がりますね。

●2007年10月10日(水)

★今日のワンコ★

今日は、7歳の小型犬の避妊手術でした。

通常、この年齢のワンコの避妊手術をすることはないのですが、オス犬と同居しているという事情もあり、飼い主の方が強く希望されましたので、少し重い腰をエイッと上げて、手術しました。

なぜ、この年齢になると手術を躊躇するかというと、まず始めに、中年の健康なメス犬にリスクをおかしてまで、手術をする必要があるかどうかということです。犬も中年以降になると、成人病になっているワンコも居ます。術中のトラブルが起こる可能性が若い子と比べて多いのです。

次に若いメスに比べると、皮下脂肪や内臓脂肪が多くて、手術がやり難いのです。白い脂肪に隠れて、大事な器官が見えないし、手はベトベトで滑るし、やった者にしか分かりませんが、もう大変です。小型犬でしたから、何とか出来ましたが、大型犬だったら、とても無理だったでしょう。

今日のワンコは乳腺に腫瘍があったので、同時に切除しました。いつもやっているワンコの避妊手術ですが、通常の1.5倍の時間がかかる「大手術」になりました。ワンコもニャンコも、避妊手術は、生後1年以内にしましょうね。

●2007年10月09日(火)

★今日のニャンコ★

今日は子猫の眼球の摘出手術をしました。

外に居た猫(いわゆる野良猫)です。数日前から目がおかしいのに気付いていましたが、捕まらないので病院に連れてくることが出来ませんでした。だんだん元気も無くなって、弱ってきました。それが幸い?して、捕獲することが出来たので、来院して来ました。

猫の伝染病で「猫伝染性鼻気管炎」という病気があります。いわゆる「猫風邪」ですが、これに感染すると鼻炎や結膜炎を起こします。子猫が目が開く時期にこの病気に感染して、適切な治療を受けられないと、目に細菌が感染して、角膜炎をおこし、それが目全体に広がると全眼球炎になって、目が飛び出してきます。子猫は、飛び出した眼球から膿がドロドロ出る悲惨な状態になります。

今日のニャンコは、そんな状態で運び込まれました。手術に耐えうるだけの体力をつけるために、食事を食べさせて治療していましたが、元気が出てきたので、目を摘出する手術をしました。不快な状態から回復した子猫は、すっかり元気になりました。2〜3日後には、保護した方が迎えに来てくれて、飼い主になってくれるそうです。猫は片目になってしまいましたが、そのおかげで、野良猫から飼い猫に出世できましたね。

●2007年10月06日(土)

★今日の手術★

今日は手術の予定は入っていませんでしたが、今週は手術の多い週でした。深夜までかかった手術も二件あって、H動物病院にも2回手術をお願いし、立会いました。今日は久々に午後ユックリできるかな?と少し期待していたところ、昨日の夕方、食欲不振のメスのワンコが来院し、検査の結果「子宮蓄膿症」になっているのが判りましたから、今日の午後に手術を入れました。

飛び入り手術ですが、午後が空いていたので良かったなぁと思っていると、今日の朝一番に、野良猫が捕まったので、避妊手術して下さい。という連絡が入りました。ワナで捕獲された猫ですから、連休明けまで、そのままにするわけにもいかず、このニャンコの手術も入れ、今日の午後は、満タンになりました。

午後の診療時間開始の15分ほど前から、外来の方が来院し始めて、手術が15分ほど伸びて終った時には、当院の狭い待合室が大変なことになっていました。来週も高齢犬の手術が何件か入っているし、明日は地元で開催される学会の主催者側で、朝から借り出されます。体育の日は、海での体育は控えめにしないと、来週の仕事に差し支えそうですね。

●2007年10月05日(金)

★今日のワンコ★

今日はH動物病院に、手術の見学&助手に行きました。

保護されたメスのポメラニアンです。年齢は7〜8歳位だと思います。体重は5kg位ですが、膣の中に卵大の腫瘍が出来ていました。幸い、排便や排尿に支障はありませんが、私が最初に診た今年の7月には、まだ鳩の卵程度の大きさでしたから、3ヶ月でかなり大きくなりました。

腫瘍が出来た場所には、直腸や尿道など、大事な器官があります。腫瘍を切除するときに、この様な場所を傷つけると、大変です。今は何も問題ないのに、手術したばっかりに排尿に障害でもでたら大変です。H動物病院で診察してもらって、摘出できそうだったら、取ってもらうことにしました。

F院長がエコーなどを使って検査して、ゴーサインが出ました。F院長の指が腫瘍を健康な組織から引き剥がして行きます。同業者が冗談交じりで言うF院長のGOD HAND(神の手)です。スルスルと腫瘍が表面に出てきて、最後は電気メスを使って、完全に摘出しました。大きさは小さなミカンほどもありました。

ずっと心配していた飼い主の方も、これで安心です。GOD HANDもすごいけど、術前の検査で取れると判断したF院長の眼力も尊敬です。

●2007年10月04日(木)
★今日のワンコ★

MDのローズちゃんです。5ヶ月目の女の子です。

●2007年10月03日(水)
★今日のワンコ★

暑い日が続いているのが原因かもしれませんが、今年はノミやダニによる皮膚病が多く見られます。ノミアレルギー性皮膚炎は、主に梅雨時期に多い病気で、背中から尻尾の付け根にかけて、ブツブツができる病気です。ノミ駆除をしないと、夏の間中見られますが、今年はこの皮膚病の時期が長引いています。九州は亜熱帯化しているのかもしれません。蚊もまだ活動していますから、フィラリアの予防薬は11月まで、確実に飲ませて下さいね。

写真は次郎君、5歳の男の子です。

●2007年10月02日(火)

★今日のワンコ★

今日の午後は、メス猫の避妊手術を終らせて、所用で外出していました。軟部外科について、H動物病院の院長のF先生に相談していると、当院から携帯に連絡が入りました。話の良い所で中断できなかったので、電話に出られなかったのですが、留守番電話のメッセージは、「当院に来院している方の犬が、スーパーボールを食べたかもしれないそうですが、どうしたらいいですか?」

異物を食べた時は、早めに吐き出させることです。時間が経つと、吐かせても出てこないことがあります。犬は元気だし、変わったとこないので様子を見ていると、異物が腸に詰って、犬の様子が変わり、元気はなくなり,愛犬は変わったとこだらけになります。そうなると、オオゴトになります。レントゲンを撮ったり、バリウムを飲ませたり、麻酔をかけて内視鏡で異物を探したりしなければなりません。異物があるのがハッキリしたら、切腹で出すことになります。往々にして、異物を食べるのは、レトリバー系の大型犬が多いので、尚更大変です。

飼い主の方に連絡を入れますが、連絡がとれません。ハラハラしながら待っていると、夕方連絡がありましたから、直ぐ連れてきてもらうことにしました。吐かせる方法を考えていると、再び飼い主の方から連絡が入りました。「ボールが小屋の下に見つかりました!」。ああ良かった・・。


●2007年10月01日(月)

★今日のワンコ★

耳血腫という病気があります。主に犬に見られることが多いのですが、耳の皮膚の下に血が溜まって、耳が膨れ上がります。外耳炎などが原因で、耳をバリバリ掻くと、その時に耳の皮下の血管を傷つけることが原因でなることがありますが、耳の血管の壁が変性することで起こる、一種のアレルギー病だという節もあります。

始めは内服薬で経過を見ますが、治らないときや、耳がパンパンに腫れ上がった時には、小さく切開して、溜まった血を出してやります。小切開は一瞬で済みますから、無麻酔でやります。結構沢山血がでますから、犬が驚いて暴れたりすると、そこら中に血が飛び散って、凄惨な状況になります。切開して出してやると、耳はぺちゃんこになりますが、傷が治ると、またすぐに溜まるので、困ってしまいます。

今日のワンコも3日前に切開したばかりですが、また溜まって来院しました。溜まらないように、時々圧迫してもらっていましたが、傷が癒えると、またすぐパンパンになったそうです。今日は少し大きめの穴をあけて、厚紙で耳をサンドイッチにしてみました。今日の処置で、上手く行くといいですね。



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