●2007年05月30日(水)
★今日のワンコ★ 大型犬のお腹に出来たテニスボール大の腫瘍の摘出手術をしました。 10歳のワンコですが、横腹に出来たコブが急に大きくなったので来院しました。手で触ると、テニスボール大の腫瘍がお腹の筋肉にガッチリと引っ付いて、出来ていました。 腫瘍には悪性と良性があります。一般的に、急に大きくなって、周囲の組織にがっちりと引っ付いているものは、悪性のものが多い様です。飼い主の方は、「痛がらないので大丈夫だと思って・・」とよく言われますが、悪性のガンでも痛がることはありません。動物はこの手に痛みには強いのです。 今日のワンコの腫瘍は、悪性腫瘍(ガン)が疑われます。再発させないためには、周囲の健康な組織を含めて、大きく切除する必要があります。切除する広さは、ある程度決めることが出来ますが、深さは切ってみないとわかりません。周囲の健康な組織から、腫瘍の底を目指して電気メスで切り進めますが、なかなか裏側に到着しません。 お腹の中まで入っていないのは、エコー検査で確認していますが、だんだん不安になります。お腹の筋肉に大きく穴が開くと、塞ぐのが大変です。塞げないと、そこから内臓が出てきますから、それはなんとしても避けなければなりません。 お腹には4層の筋肉がありますが、最後に一枚のところで、腫瘍が終っていました。腫瘍を周囲の組織ごとえぐるように取り出して、その後は、セッセと縫いました。摘出に2時間、縫合に1時間半、合計3時間半の当院としては大きな手術になりました。 再発や転移の心配もありますが、このまま放置していたら、1〜2ヵ月後には、腫瘍が破れて悲惨な状態になるので、手術を受けて良かったと思います。
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