2006年06月
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●2006年06月30日(金)

★今日のワンコ★

今日は、当院のスリーピーの避妊手術後の抜糸でした。先週の水曜日に手術をしましたから、9日目です。

術後は、自分で傷を舐めて糸を取ってしまわないように、首の周りにエリザベスカラー(装着するとエリマキトカゲの様です)を付けます。手術よりも、こっちの管理が大変で、水を飲んだり、暑いのでハーハーいってヨダレが垂れると、それがこのカラーを伝わって首が濡れます。気をつけて拭いていましたが、雨が多くて思うように乾きません。その内、濡れた毛のしたが皮膚炎を起こしてしまいました。そこで、その部分の毛を大きくバリカンで刈りました。我が家の犬ですから?多少見てくれが悪くなっても、大丈夫です。

カラーを外して、私の古いTシャツを着せて、その上から傷の上をテープでぐるぐる巻きにしました。ところが、隙間からベロベロ舐めて、今度は傷口がベタベタになりました。傷が化膿すると大変ですから、皮膚炎には目をつぶって、再びカラーを付けました。傷の回復は順調で、今日無事に抜糸を終えて、カラーも外れました。この1週間に、何頭かのワンコの抜糸をしましたが、カラーの下が皮膚炎を起こしたのは、ピーだけでした。

抜糸が終ってカラーを外してあげると飼い主の方は、「○○ちゃん、これでスッキリして良かったねぇ」と本当に嬉しそうですが、今日はこの気持ちが良く判りました。長い9日間でした。カラーが外れたので、皮膚炎も間もなく治ることでしょう。

●2006年06月29日(木)

★今日のニャンコ★

午後の診療の終了間近に猫を抱いた方が血相を変えて来院されました。「背中を拭いてあげると、いつも血だらけなんです!」

始めは怪我でもしたのかと、注意深く調べましたが、異常ありません。ただ、ノミがいるようで、ノミの糞が背中に沢山あります。白い紙の上に猫を乗せて、その上で猫の体をパラパラとはらうと、紙の上に黒いノミの糞が落ちます。そこに水を一滴たらすと、薄っすらと赤くなります。ノミの餌は血液ですから、糞の中にも血液が含まれています。それで赤くなるのです。

「血液と言われたのが、これですか?」とお尋ねすると、「そうだ!そうだ!」。すぐにノミ取りの処置をして、同居猫が後5匹居るそうなので、その子達の分もお渡ししました。

梅雨に入って、ノミが繁殖してきています。猫は犬ほど痒がりませんが、背中の皮膚を注意深く観察すると、黒いホコリの様なものがパラパラと見えることがあります。それを白い紙の上に乗せて水を一滴たらして赤くなるようだと、ノミが居ますので、ノミ取り(フロントライン)をつけてあげて下さいね。

●2006年06月28日(水)

★今日のニャンコ★

先日、歯の治療(抜歯)をした猫が来院しました。

10歳のメス猫ですが、慢性的な食欲不振で1年間で体重が1kg落ちてしまいました。1年前は4kgあった体重が、今は3kgになりました。

飼い主の方によると、「食事を食べる時に食べにくそうにしている」ということでしたので、口の中を調べてみると、どうも上顎の歯が歯周炎を起こして痛そうです。

抜歯をお勧めしましたが、年齢が10歳で、全身麻酔が可愛そうだということで、延び延びになっていました。ところが今度は、飼い主の方が体調を崩してしまいました。年配の方でしたが、「自分が入院なんてことになると、このままの状態で猫を置いて行くわけにはいかない」ということで、意を決して?抜歯を決断されました。

幸い、飼い主の方も健康を回復され、猫も元気になって、10日間で300gも体重が増え、毛づやもよくなりました。痛みには強い猫族ですが、歯の痛みだけはつらい様ですね。

●2006年06月27日(火)

★今日のワンコ★

今日は、雄犬の会陰ヘルニアの手術でした。

会陰ヘルニアとは、中高年の雄犬に多い病気で、お尻の横の筋肉が薄くなって、直腸や膀胱などがそこから皮膚の下に飛び出してくる妙な病気です。この病気になると、便が出にくくなって、排便の時に痛みがでることもあります。膀胱が出ると、オシッコが出にくくなったり、全く出なくなったりします。こうなると、緊急に処置しないと命に関わります。

原因ははっきりとは判っていませんが、ワンコが集団で生活しなくなって、強い犬に対して尾をさげる(いわゆる尻尾を巻く)格好をしなくなったので、それに使われる筋肉が萎縮して起こるという説もあります。肥満気味でよく吼えるワンコに多いような気がします。

実は、今日のワンコは昨年の秋に一度手術をしたのですが、再発してしまいました。穴を塞ぐために縫い付けた筋肉が持たなかったようです。今日は、また外れないように、何層もしっかり縫いましたが、筋肉が薄くなってペラペラなので、寄せて縫うのが大変でした。この病気は、去勢した雄犬には少ないので、今日は去勢手術も同時に行いました。もう再発しないと良いですね。


●2006年06月26日(月)
★今日のニャンコ★

先日避妊手術をしたメス猫の足先です。体全体は真っ黒な黒猫ですが、お腹と後ろ足の先だけが真っ白でした。可愛かったので、写真を撮らせてもらいました。


●2006年06月24日(土)
★今日のワンコ★

梅雨本番になり、高温多湿が続いています。この時期は、ワンコが皮膚病になり易い時期です。特に柴犬やゴールデン・レト・リバーなど、毛の深いワンコに多いようです。ワンコが体を痒がったり、同じところをしつこく舐めている時は、要注意です。

写真は、子猫のチャチャ丸ちゃんです。推定年齢1ヶ月目の女の子です。昨日、飼い主の方に保護されて、今日は健康診断で来院しました。外で保護されたようですが、ノミもついていなくて、健康そうな子猫でした。1ヵ月後にワクチン接種の予定です。


●2006年06月23日(金)
★今日のワンコ★

コーギーのエリックちゃんです。8ヶ月目の男の子です。エリックちゃんは当院に来院しているメスのコーギー犬から生まれた3頭のうちの1頭です。生まれて45日位の時に、今の飼い主の方の所に行きましたので、今日は6ヶ月ぶりの対面でした。

今週の日曜日に、グリーンパークで行われた、犬のフリスビーの大会を見てきました。レトリバーやボーダーコリー、ハウンド系の犬に混じって、コーギーも参加していました。あの短い足で、フリスビーに追いつけるのかと、興味深深でみていました。

フリスビーが飼い主の手を離れると同時にダッシュスタートして、車が一速から二速、三速とシフトアップしていく様な感じで、トップスピードに達して、前方を飛んでいる円盤を追い越して、円盤が地面に着く寸前に、ジャンプしてキャッチ!

体高が低いので、まさに「地を這う」様なスタイルで全力疾走する姿は、本当に美しかったです。コーギーは愛玩犬ではなくて、本来はスポーツドッグなんですね。

●2006年06月22日(木)
★今日のワンコ★

MDのラムちゃんです。生後1ヵ月半の女の子です。今日はワクチン接種で来院しました。まだお母さんからもらった免疫が残っている時期で、ワクチンには少し早かったので、健康診断だけで帰りました。接種は2週間後になります。

先日のNHKの番組で、犬の遺伝病(先天性疾患)が取り上げられていました。珍しい毛色の人気犬種を無理に繁殖させるので、目や耳や骨格に障害があるワンコが生まれてきているそうです。確かにこの仕事をしていると、ある犬種に人気が出ると、その内にその犬種の中で、ポツポツとハンディを持った子犬が見られるようになることを経験しています。極小チワワなどは、無事に育つのか心配になりますし、接種反応が心配で、ワクチン接種を先延ばしにすることもあります。

昔から「雑種は丈夫だ」と言われてきましたが、一理ありそうですね。

●2006年06月21日(水)
★今日のワンコ★

今日は当院のスリーピーの避妊手術をしました。スリーピーは1歳です。もう少し早くする予定でしたが、私の脱臼事件などがあって、延び延びになっていました。明日から雨模様で、私とスリーピーの野外活動も一時中止になるので、丁度良い機会でした。

当院の愛玩犬ですが、麻酔をかけて手術台に上がると、私を含めてスタッフ一同にいつもの手術モードのスイッチが入って、私情が入ってうろたえることなく、無事に手術を終えました。通常手術は私と助手と麻酔係の3名でしますが、ピーは体重が25kgもあるので、助手が2名必要でした。

手術が終って入院室に入ると、手術モードから愛犬モードに切り替わって、「お腹痛いだろう?かわいそうに〜」なんて言いながら、皆でセッセと様子を見に行ってます。

これで将来の子宮や乳腺の病気の心配をしなくて良いので、ピーにとっては、最初で最後の手術になるかもしれません。1週間後には、いつもの早朝ジョギングに一緒に行けるでしょう。

●2006年06月20日(火)
★今日のワンコ★

チワワのリクちゃんです。生後3ヶ月目の男の子です。ワクチン接種とフィラリアの予防で来院しました。お耳が大きくて、可愛いワンコでした。

●2006年06月19日(月)
★今日のワンコ★

ぽけ太ちゃんです。3ヶ月目の男の子です。ぽけ太ちゃんは、ワンワン譲渡会で、今の飼い主の所にやって来ました。今日は健康診断で来院しました。顔つきや性格を見ると、先代か先々代あたりにレトリバーが居そうですね。レトリバーとテリア系のミックスかな?大きくなったらどんなワンコになるか楽しみですね。優しそうなワンコでした。

●2006年06月17日(土)
★これは何だ!part3★

「水を飲んでも吐く」ということで来院した中型犬の胃から出てきたボールです。但し、このボールは本物ではありません。実物は、飼い主の方が「記念」にお持ち帰りになりましたので、手元にはありません。

ワンコはグッタリとはしていないのですが、血液検査でかなりの脱水症状になっていましたので、入院させて点滴しながら様子を見ていました。異物以外の胃腸炎でしたら、この処置で治ります。

ワンコはお腹が空いているようで、食べたそうにしていますが、固形物を食べるとすぐに嘔吐します。流動食だったら大丈夫かと思って与えますが、やはり、しばらくするともどしてしまいます。バリウムを飲ませてレントゲンを撮ると、何やら丸い物が、上腹部にあります。その部分にはバリウムが通りませんから、丸いバリウムの輪郭が見えます。きれいな○ですから、こんな物は普通、お腹の中にはありません。

一人で開腹手術をするのは少し不安だったので、他院に運んで、獣医師2人で手術しました。ボールは胃の出口をスッポリと塞ぐ格好で詰っていました。胃の出口にフタをする様な感じでした。胃酸で溶かされて表面がドロドロになっていましたから、飲み込んでから時間が経っている様でした。しばらく胃の中をゴロゴロしたボールが、何かの拍子にスッポリとはまってしまったようです。

このワンコ、散歩の途中のグラウンドでボールを持ち帰る癖があるそうで、そのボールが犬小屋の周りにゴロゴロしているそうです。どうもその一つを食べてしまったようです。

ボールが好きなワンコを飼っている方は、要注意ですぞ。

●2006年06月16日(金)
★これは何だ!part2★

嘔吐を繰り返し、全く食べなくなった大型犬の小腸から出てきた「トウモロコシの芯」です。但し本物ではありません。本物は、真っ黒で表面はドロドロでした。

「ここ1週間位あまり食事を食べなくなり、元気もなく痩せてきた」ということで来院してきた大型犬です。毛づやも悪く、一見して、ワンコの体の中に異常が起きている感じでした。

お腹を触ると、お腹の中に硬いものがあるのが判りました。レントゲンで腸閉塞が疑われる検査結果が出ましたので、開腹手術すると、小腸の3箇所に、トウモロコシの芯が詰っていました。

具合が悪くなる少し前の休日に、このお宅のお庭でバーベキューパーティをしたそうです。その時にご主人が、犬だから消化するから大丈夫と、トウモロコシを丸ごと与えたそうです。ワンコは喜んで食べていましたが、噛まずに丸呑みした様です。

バーベキューでは、トウモロコシ以外にも、鳥の骨、スペアリブなどが詰る事故が起きています。これから、野外で愛犬と過ごすことが増えるシーズンです。ご注意下さいね。

●2006年06月15日(木)
★これは何だ!★

さて、これは何でしょう?

具合が悪くなった小型犬のお腹から取り出した「ヤキトリの竹串」です。

「いつもの元気がなく、食欲もない」というお話で来院した小型犬ですが、診察の結果、幸運にも何か異物がお腹の中にあるのが判り、無事に手術で取り出すことが出来ました。竹串は、小腸を突き破っていましたから、発見が遅れたら、腹膜炎を起こして亡くなっていたかもしれません。

飼い主の方は、串ごとヤキトリを与えたことなどありません。ワンコが勝手に何処からか見つけてきて、飲み込んだ様です。何でも食べるワンコだそうです。

「何でも食べるワンコ」を飼っている方は、ご注意くださいね。

●2006年06月14日(水)
★今日のワンコ★

はなちゃんです。生後70日の女の子です。はなちゃんは、北九州市動物管理センターで毎月第二土曜日に開催される「ワンニャン譲渡会」で、今の飼い主の方に見初められました。今日は健康診断で来院しました。健康状態は良好でしたが、診察に飽きた様で、診察台の上でのびてしまいました。純粋種には見られない「愛くるしい」姿ですね。

●2006年06月13日(火)

★今日のワンコ★

今日は、小型犬とメス猫の避妊手術がありました。

小型犬は、今人気のあるミニチュア・ダックスです。手術をするときには、前足の血管に管(留置針)を入れます。この管を通って麻酔薬や化膿止めのお薬、点滴などを入れることが出来ます。一度この管を入れておけば、そこから何度でも注射が出来ますし、そのたびにワンコが痛い思いをしなくて済むので、とても便利です。また、手術中に突発的なこと(呼吸停止など)が起こっても、そこからお薬をいれることが出来るので、我々も安心して、手術をすることが出来ます。

ところが、ミニチュア・ダックスは、前足が短くて曲がっていて、この管がとても入れにくいのです。前足が普通の長さの中型犬と比べると、難易度80%です。研修医の時に、MDから採血が出来るようになったら一人前だと言われたことを覚えています。

ワンコの手術が終ると、今度は猫の手術です。この猫、外に居る猫だそうですが、お腹が大きくなっているのに気付いて、あわてて来院されました。お腹は、もうパンクしそうになっています。妊娠末期の猫の避妊手術は、通常の手術と比べると、難易度50%です。

両方とも無事に終わりましたが、同じ避妊手術でも、色々と違いますね。

●2006年06月12日(月)
★今日のワンコ★

2ヶ月目の子犬が、おなかをこわして来院しましたが、お話をお伺いすると、どうも「食べ過ぎ」の様です。体重が1.7kgなので、「ドライタイプのフードでしたら、1日に食べる量はこの位ですよ」と教えてあげると、「それが、1日??、うちの子はそれを一回で食べています!」ということでした。

同じ下痢でも、始めのウンチは硬いけど、後のほうに出るウンチが軟らかい場合は、消化不良の可能性があります。食べ物の量や質を再検討してみて下さいね。

写真は、コーギーのさくらちゃんです。今年の4月生まれの女の子です。

●2006年06月10日(土)

★今日のワンコ★

犬に斜頸という病気があります。主に中高年になって発病します。犬の首が突然傾いて真っすぐに歩けなくなり、眼球が上下にブルブルと震えて、なんとも妙な状態になります。耳の奥にある三半規管の異常と言われていますが、はっきりと原因は判りません。元気だったワンコが突然発症しますから、飼い主の方はビックリして来院されます。脳腫瘍などの大きな病気がなければ、2週間程度で少しずつ回復しますが、回復しても、頭が少し傾くことがあります。

年配の方が飼っているパグ犬が、この病気を発症しました。首が曲がったワンコは、ゼーゼー言いながら、グルグル回っています。飼い主の方は、何か悪い物でも食べたのかと、途方に暮れています。斜頸だろうと思いましたが、このゼーゼーを止めないと、熱射病になるかもしれません。パグやブルドックなのの短頭種は、ちょっとしたことで熱射病を起こします。

お預かりして、入院室にエアコンを入れて、扇風機の風を当てて体を冷やしてあげると、間もなくゼーゼーは治まって、ワンコはグーグー眠ってしまいました。飼い主の方によると、昨晩ワンコはほとんど寝ていないそうです。ワンコも突然首が曲がったので、ビックリして眠れなかったのでしょう。

一晩お預かりして、ワンコは帰って行きました。首が曲がった状態でも、何とか頑張って食べていますから、だんだん良くなって行くと思います。ワンコにも色々な病気がありますね。

●2006年06月09日(金)

★今日のワンコ★

今日は小型犬のお尻に出来た腫瘍を切除しました。

「肛門周囲腺腫」という腫瘍です。去勢手術を受けていない中高年の雄犬に時々見られます。急に大きくなって、表面に火山の噴火口の様な穴が開いて、そこからダラダラと出血することがあります。この様な形相のものは、悪性腫瘍の「肛門周囲腺がん」のこともあります。

今日のワンコの腫瘤は小指の先ほどの大きさでしたが、小さなうちに切除することにしました。腫瘍が小さなうちは、比較的簡単に切除できますが、大きくなって、どんどん奥に増殖すると、切除できないほど大きくなることもあります。

腫瘍の表面がカリフラワーの様になると、少し触れただけでも出血するようになります。以前、外で飼われているハスキー犬が、「大出血している。何かに咬まれたのかもしれない」、ということで往診に行くと、この腫瘍からダラダラと出血していたことがありました。手術をお勧めしましたが、原因が判って安心したのか、それ以降ご連絡はありませんでした。あのワンコはどうなったのかな?

今日のワンコは、お尻以外にも腫瘤(イボ)が2箇所ありましたので、それも同時に切除して、歯石も取り除いて、悪い歯は抜歯しました。14歳のワンコでしたが、今日の処置で、随分リフレッシュしました。まだまだ長生きできそうですね。

●2006年06月08日(木)
★今日のワンコ★

柴犬のサブちゃんです。3歳の男の子です。ワクチンとフィラリアの検査&予防で来院しました。日本犬らしい凛々しい横顔ですね。大人しくて人懐っこいワンコでした。

●2006年06月07日(水)

★今日のワンコ★

今日は小型犬の歯石の処置をしました。

歯石の処置をするワンコは、そのほとんどが10歳以上の高齢犬ですから、麻酔にはかなり気を使います。飼い主の方は、歯の処置が「命がけの処置」とは思っていないのです。処置自体は簡単なのですが、麻酔が心配です。無責任な言い方ですが、「やってみないと、どうなる判らない」ところがあります。

もちろん、重い心臓病や腎臓病を患っているワンコや、生まれつき気道に問題がある、ヨクシャーテリアやパグなどは、飼い主の方からどんなに頼まれても、歯の処置程度で麻酔はかけませんが、口の中の衛生状態が悪い子に限って、健康面でも何か問題を抱えていることが多いのです。

一説によると、歯周炎や歯槽膿漏のあるワンコは、口の中の細菌の数が、健康な子に比べると、圧倒的に多く、その細菌を多く含んだ唾液をいつもからだの中に入れているので、健康を害してくるのだそうです。日々の診療をしていると、納得できる説です。

今日のワンコも、心臓病で治療中の子でしたが、麻酔前の検査で、腎機能も落ちているのが判りました。麻酔には耐えられそうな値でしたから、思い切って処置を始めました。処置は順調に終って、悪い歯はすべて抜歯できましたが、麻酔の覚醒が、健康な子に比べて悪く、処置が終って飼い主の方がお迎えに見えても、まだフラフラしています。

万一に備えて、点滴をしていましたから、今日は一晩点滴をしながらお預かりして、明日、しっかりとしてから退院することにしました。ところが、飼い主の方がお帰りになった途端に置いていかれたと思ったのか、今まで静かだったワンコがギャンギャン泣き喚くようになり、今度は心臓の方が心配になったので、再び来院していただいて、連れて帰っていただきました。

ワンコは口の中がすっきりしたので、今までよりも元気に過ごせると思いますよ。

●2006年06月06日(火)

★今日のワンコ★

昨日の続きです。

メス犬ですから、子宮の病気も考えなければなりません。ヘルニアが大きいので、この袋の中に子宮が入っていることも考えられます。おなかの中の色々な臓器が、このヘルニアの穴を通ってこの袋の中に入っていますから、臓器は定位置にはありません。エコーを使って、袋の中を良く観察します。袋はおなかの皮一枚ですから、指でその内容物は良く触れます。エコーを当てながら、指であっちこっちを圧迫すると、何か変なものが指に触ります。硬くて細いものです。????

それを袋の手前までゆっくり持ってきて、指を使って観察すると、確かに細くて硬い異物です。長さは10cm近くありそうです。端っこを押すと、反対側がピョコンと飛び出します。こんなものは、正常な生体内にはありません。ワンコの容態が悪いのは、この異物が原因の様です。

午後に来院されましたから、急遽、その夜に手術を行いました。袋を慎重に切開して、異物を探します。袋の中には、血液が溜まっていて、少し汚い感じがします。その奥に異物はありました。異物の正体は「ヤキトリの串」でした。その串が小腸を破って突き出していました。

異物を抜き出して、小腸の壊死した部分を切除して繋ぎ合わせて、ヘルニアの袋の中身を、おなかの中に戻して、また出て行かないように、ヘルニアの穴を塞ぎました。子宮の一部も、串によって感染が起こっていましたから、取り除きました。

体重が6kg程度の小型犬です。我々が長さ数10cmの杭を飲み込んだようなものです。よくこんな長いものを飲み込んで、それが食道→胃→小腸と流れて、上手い具合にヘルニアの袋の中に入ったものです。ヘルニアの袋の中に入っていなければ、指で触ることが出来ないので、発見が遅れて腹膜炎を起こして、手遅れになっていたかもしれません。

鼠径ヘルニアは、なるだけ早い時期の手術をお勧めしていますが、今回は、何年も手術しないで放っておいたお陰で、竹串を早期に発見できました。ラッキーなワンコと獣医さんでした。

●2006年06月05日(月)

★今日のワンコ★

ソケイヘルニアのワンコが来院しました。

ソケイ(鼠径)ヘルニアというのは先天的な病気で、鼠径部(股の付け根)の部分に穴が開いていて、そこからお腹の中のものが出てくる病気です。穴が小さくて脂肪組織が少し出てきたものから、小腸、膀胱、子宮などが出てきて大きくなったものまで、様々です。

脂肪組織でしたら、大した影響はありませんが、小腸や膀胱までが飛び出すと、腸閉塞を起こしたりオシッコが出なくなったりして、大変なことになります。穴が小さいときは、そのままにしておくこともありますが、大きな時は、ワンコが健康な内に穴を塞ぐ手術をします。始めは小さかった袋が、突然大きくなることがあります。何かの拍子に、脂肪しか出てなかったものが、膀胱や子宮が飛び出した時に、そうなります。

今日のワンコは以前からヘルニアがあって、手術をお勧めしていましたが、今回は、元気や食欲がなくなったということで、来院されました。ヘルニアも少し大きくなったようです。

ヘルニアが原因で具合が悪くなったとすると、膀胱が圧迫されてオシッコが出なくなったか、小腸が圧迫されて腸閉塞を起こしたかですが、オシッコは出ているし、腸閉塞にしては、嘔吐がありません。エコーやレントゲン検査でも、その様な病気が疑われる結果は出ていませんが、飼い主の方は、明らかにいつもとは様子が違うとおっしゃいますから、ワンコの体の中に異変が起きていることには、間違いなさそうです。

つづく・・。

●2006年06月03日(土)
★里親募集です★

当院の患者さんが保護したニャンコです。
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生後1〜2ヶ月くらい(体重約450g)のメスの猫で、目が青くてとても綺麗で、シャムネコのような毛色です(*^-^*)

元気いっぱいで、甘えん坊の人なつっこい猫で、すごくかわいいんですよー♪
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ということですから、飼ってもいいかな?って思った方は、メール下さいね。私も写真でしか見ていませんが、目がブルーで元気そうですよ。






●2006年06月02日(金)

★今日のワンコ★

額を怪我したということで、15歳のミニチュア・ダックスが来院しました。大人しいワンコですが、飼い主の方といっしょに、お米屋さんにお買い物に行って、少し目を離した隙に、ノコノコとその店の番犬ワンコの前に出てしまって、「ガウゥ」と押さえ込まれたそうです。

お家に帰っておじいさんに相談すると「赤チンでも塗っとけ!」と言われたそうですが、どうも額が割れているようなので、当院に連れて来られました。

診てみると確かに額がきれいにパックリと割れています。ほんとうに綺麗に真一文字に数cmほど切れていますが、ほとんど出血していません。

咬まれた時に出来る傷は、こんなに綺麗ではありませんから、威嚇されて押さえ込まれた時に、びっくりして引っくり返って
額をどこかにぶつけたのでしょう。本来でしたら、きちんと麻酔をかけて眠らせてから、縫合しますが、今日のワンコは、高齢でもあるし、大人しいので、簡単に局所麻酔をして、外科用のホッチキス(タマは文具のホッチキスそっくりです)で、数針パチン、パチンと縫合しました。ワンコも数回、キャンキャンと泣きましたが、30秒ほどで縫合は終りました。

縫わないと治らない様な傷でしたから、赤チンつけてお家で様子を見てなくて良かったですね。怪我してからすぐの来院でしたから、傷は綺麗でしたが、時間が経過して、傷が化膿したら、こんなに簡単にはいきませんからね。

●2006年06月01日(木)
★今日のニャンコ★

子猫のスバルちゃんです。生後約1ヶ月くらいの女の子です。3日前に今の飼い主の方に保護されて、今日は健康診断で来院しました。外で生活していた子猫は、伝染病にかかっていたり、ノミだらけだったりしますが、スバルちゃんは、健康で綺麗な子猫でした。これからは、お家の中で生活できるので、ますます可愛くなることでしょうね。


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