2005年10月
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●2005年10月31日(月)
★今日のワンコ★

チワワのナナちゃんです。2ヶ月半の女の子です。2ヶ月目に来院した時には、まだ小さかったのでワクチン接種を延ばしていました。その時の体重はわずか500gでした。

今日の体重は700gで、かなりしっかりしてきましたから、ワクチンを打ちました。接種後も注意深く見ていましたが、特に異常も起きずに元気よく帰って行きました。

犬の生ワクチンには、生きたウイルスが入っています。このワクチンウイルスを体の中に入れて免疫を作って、外敵からワンコの体を守るわけです。もちろん、ワクチンウイルスには病原性はありませんが、体重50kgのセントバーナードに打つ量と、今日のワンコの様に500gの子に打つ量は変わりませんから、体の小さな子に接種する時には、気を使いますね。

●2005年10月29日(土)
★今日のワンコ★

今日の午後は、フィラリアの寄生が原因で腹水が溜まった高齢犬の、腹水を抜きました。

もう3年近く治療中で、心臓の中には、もう虫は居なくなっていますが、長年虫が寄生していた影響で肝臓が悪くなってしまいました。以前は、体重15kgのワンコの体に4Lもの腹水が溜まって大変でしたが、飼い主の方が本当に根気良く投薬を続けてくれたおかげで、最近は随分体調が良くなって、食欲も回復して体重も増えてきました。

今日は、食欲が落ちてきたので、またお腹に水が溜まったのでは、ということで来院しました。以前ほどではありませんでしたが、2Lほど水が抜けました。これで食欲が回復すると良いですね。フィラリア病は、治療より予防が一番ですね。

写真は、ラブラドル・レト・リバーのはなちゃんです。2ヶ月目の女の子で体重は3kgです。今からどんどん大きくなりますよ。

●2005年10月28日(金)
★今日のニャンコ★

ソラちゃんです。7ヶ月目の男の子です。昨日去勢手術を受けて退院するところです。ソラちゃんは室内で生活していますが、マーキングするようになったので、手術を受けました。

オス猫は成猫に近づくと、縄張りを示すためにマーキングするようになります。この時期に手術を受けると、比較的早くマーキングは収まりますが、完全に大人になると、手術を受けても期待したほど効果が出ないこともあります。

また、外に出る猫は、去勢していないと、ケンカでひどい怪我をしたり、どこかに居なくなってしまうこともあります。ペットとして飼うのであれば、生後半年から1年の間に、手術を受けておいた方が良さそうですね。

●2005年10月27日(木)
★今日のワンコ★

今日の午後は休診でしたので、ラブラドルのスリーピーを連れて海に行きました。天気が良くてTシャツでも汗ばむ暖かさでしたが、スリーピーはジャブジャブと海に入って、半分溺れているような感じの「犬かき」で泳いでいました。来年の夏に一緒に泳ぐのが楽しみですね。いっしょに走ったり、泳いだりして、楽しみを分かち合っています。楽しいのは私だけかな?

今年の秋は暖かくて、まだ蚊が飛んでいますから、用心のためにフィラリアの予防薬は、11月下旬〜12月上旬まで飲ませてあげて下さいね。

写真は、虎鉄くんです。2ヶ月目の柴犬です。名前のとおり凛々しいワンちゃんです。

●2005年10月26日(水)

★今日のニャンコ★

今日は高齢猫の抜歯をしました。

歯周炎が痛むので食事をうまく取れなくなっていました。痛み止めの注射を打つと1ヶ月ほどは、食べられるのですが、また痛み出します。口の中を良く見ると、右上の歯の周囲の炎症が強くて、ここが痛む様です。その部分を前足で掻く様な行動を盛んにしています。かなり気になるみたいです。

麻酔をかけて、悪い歯はすべて抜歯しました。麻酔中は、自力の呼吸が不安定だったので、補助呼吸も併用して無事に処置が終りました。歯周炎が痛む時は、この処置で痛みが取れますが、のどの奥のほうにひどい口内炎があってそこが痛む時は、期待したほどの効果が出ません。このタイプの口内炎は、猫エイズに感染した猫に多いようです。今日の私は、即席の「歯科医」でしたね。


●2005年10月25日(火)

★今日のワンコ★

今日の午後は、小型犬の「子宮蓄膿症」の手術でした。

子宮蓄膿症は、子宮が感染をおこす病気です。若い犬には見られませんから、雌犬が中高年になってホルモンバランスが変わってくると発病する様です。人で言う「更年期障害」みたいなものかもしれません。

化膿して膿が溜まった子宮を手術で取り除くとすっかり良くなりますが、ワンコが高齢だったり、発見が遅れて長引いた時などは、術後の経過が悪いこともあります。今日のワンコは、飼い主の方がワンコの異常に気が付いてから早めに来院されたので、手術は無事に終了し、術後の経過も良好です。

今日のワンコの体重は約8kgでしたが、取り出した子宮の重さは700gでした。お腹の中に、体重の約1割の膿が入っていたわけですから、ワンコも大変だったでしょう。体重50kgの人に例えると、4リットルほどの膿がお腹の中にあるわけですから、この手術をするたびに、ワンコの強さに驚かされます。今日のワンコも、手術前にはそこらを歩き回って、我々が近づくと尻尾を振っていましたからね。

元気&食欲が戻ったら退院です。

●2005年10月24日(月)
★今日のワンコ★

先週末、学会で半日休診にしましたが、その反動?で、今日は忙しい1日でした。

朝から、呼吸が苦しくなった小型犬が来院し、その子の酸素吸入中に、肝臓が悪くなって食欲不振になった子を右の診察室で診て、左の診察台には、子宮の病気でやはり食欲不振のワンコが居て、この子は明日手術になり、その次は貧血で、その次は腰が悪くなって上手く歩けなくなったニャン子、などなど・・・。

気が付いたら、診療時間が終っていました。今は、当院のワンコのスリーピーの寝顔に癒されながら、カルテ整理中です。「秋の夜長」を楽しむ余裕は、しばらく無さそうですね。

写真は、ヨークシャー・テリアのチロちゃんです。10歳の男の子ですが、飼い主の方の腕にしっかりつかまっている姿と、不安そうなお顔が、かわいいですね。怖かったんでしょうね。

●2005年10月22日(土)

★今日も学会です★

先月から学会続きで、東京、鹿児島と続きましたが、今日明日は博多です。午後1時からでしたから、午前中の診療を済ませて、すっ飛んでバスに飛び乗りました。

明日も9時からですから、7時半には出なければいけません。近隣の先生たちも行ってますから、不在の病院が多くてご迷惑をおかけしていると思います。そろそろ、北九州市も「夜間&休日救急病院」を検討しないといけないかもしれませんね。

●2005年10月21日(金)
★今日のワンコ★

今日は小型犬の腰に出来た腫瘍を切除しました。

「腫瘍」というと、「もしやガンでは」と不安になりますが、今日の腫瘍は、周囲の組織と癒着もなく出血もほとんどなかったので、良性腫瘍でしょう。

切除しても、すぐに再発したり、他の部分に転移する腫瘍は「悪性」ですが、これらの腫瘍は手術で切除する時に、周囲の組織と癒着がひどくて、出血も多く、切除に大変手間取ります。

人では、ガンの再発や転移を5年という歳月で見ますね。手術して5年間無事に過ごせたら、治療成功ということです。人より寿命が短い犬や猫は、半年という時間で見ます。半年間無事に過ごせたら成功です。ということは、悪性腫瘍の場合、手術しても早ければ1~2ヶ月で再発するということです。

ゴールデン・レト・リバーの約半数が、ガンで死亡すると言われています。動物が長寿になって、この様な病気が増えると、「治療」というよりは「介護」のご相談を受けることが多くなりました。飼い主の方と獣医師のコミュニケーションが大切ですね。

写真は、朝日を浴びてくつろいでいる「タケ」です。最近は、冬に備えて、皮下脂肪を蓄えているようです。

●2005年10月20日(木)
★今日のニャンコ★

カメラに興味深深なのは、子猫のチーちゃんです。今日はワクチン接種で来院しました。大きなお耳がチャームポイントですね。

●2005年10月19日(水)
★今日のワンコ★

MDのマリンちゃんです。生後約半年の女の子です。今日は避妊手術を受けるために来院しました。

初回発情前に避妊手術を受けると、将来乳ガンになることがほとんどありません。これは、避妊すると乳腺の発育がそこで止まるので腫瘍が出来にくいのだと思います。

手術すると子宮も取り除きますから、将来、子宮の病気もありません。ワンコはお腹を切られて、少しかわいそうですが、将来のことを考えると、手術しておいた方が良さそうですね。

●2005年10月18日(火)
★今日のニャンコ★

動物の病気にも季節性があります。梅雨時期から夏にかけては、ノミやダニが原因の皮膚病が多くなり、ワンコの来院が増えます。秋から冬にかけては、猫の風邪が流行します。猫は犬と違って、外に出て野良猫と接触しますから、彼らから病気を移されるのです。

またこの時期は、猫の膀胱炎が増えます。外が涼しくなって、猫の活動も休止期に入るので、運動量の減少で猫が水を飲む量が減って尿が濃くなって膀胱炎になるのです。大きなオス猫が膀胱の中の砂が尿道に詰まってオシッコが出なくなって、青息吐息で来院するのも、この時期です。

今日はこの青息吐息猫が続けて来院しました。1頭は処置が早かったので、治療を終えると帰れましたが、1頭は入院になりました。「猫泌尿器症候群」という病気ですが、ニャンコがこの病気で来院すると「ああ、今年も秋になったんだなぁ」と思います。動物の病気で秋を感じるなんて、あまりロマンチックじゃありませんね。

写真は、シーズー犬のハナちゃんです。3ヶ月目の女の子です。シーズー犬も膀胱結石が多い犬種ですから、注意して下さいね。

●2005年10月17日(月)
★福間海岸★

休日は福間海岸で過ごしていますが、昨日は秋晴れの気持ちの良い1日でした。気候が良いので、ペットを連れて遊びに来ている人がたくさんいます。ラブラドル・レト・リバーなどの大型犬から、シェルティーや柴犬、ミニチュアダックス、最近人気のチワワまで、多種多様のワンコに会えます。隣のお店には、ロットワイラーという強面(コワモテ)の大型犬がいます。ボブサップそっくりで、迫力満点ですが、人には優しいようです(犬には怖い?)。

昨日は、猫にリードを付けて遊びに来ている人もいましたが、その他にも、体高50cm位の大きな鳥(オウム?)を、腕に止まらせてるい人もいて、ビックリしました。昨年の夏は、砂浴びをしているイグアナも見ました。近くの乗馬クラブの馬が海岸を駆け足で走っているときもあるし、冬になるとお相撲さんも登場します。おっと、動物とお相撲さんをいっしょにしてはいけませんね。

●2005年10月15日(土)
★今日のニャンコ★

10月8日にご紹介した子猫の兄弟が来院しました。外で生まれた子達ですが、人にすっかり慣れたので、性別を調べて、里親の募集をしてくださいということでした。

性別は2匹ともに男の子でした。写真のとおり可愛いニャンコ達です。どなたかこの子達をもらっていただけませんか?

●2005年10月14日(金)

★今日のワンコ★

心臓病で、呼吸困難になった小型犬が来院しました。前日までは元気だったのですが、昨夜から容態が悪くなったそうで、来院時は、腹ばいになって首を伸ばして苦しそうに呼吸しています。

心臓病が原因で肺に水が溜まる「肺水腫」の状態です。早めに処置しないと、急激に容態が悪化して死亡します。酸素吸入と投薬のために血管に管を入れて、肺の水を抜くお薬を注射します。そうこうしていると、発作が来ました。喀血です。水が溜まった肺が耐え切れずに破れたのです。すぐに酸素吸入をして、酸素室に入れました。このまま入院になりますが、余談を許さない状況です。

そのうちに2回目の喀血です。ワンコは意識を失いました。すぐに気管に管を入れて、人工呼吸を始めました。間もなく呼吸が再開して、ワンコの意識が戻りました。

喀血はそれからも再三続き、その度に同じ処置をして生き返らせますが、ワンコはとても苦しそうです。大量に喀血しています。「次に喀血したら、もうこれ以上の処置はしないで、楽にしてあげた方がワンコにとっては良いのでは・・」という思いが心を過ぎります。

ワンコの命がいつまであるかわかりませんから、飼い主の方に来ていただきます。飼い主の方は年配の方ですが、今までの経過と酸素室のワンコの状態を見て、「もう、ここから出して抱かせてもらえませんか」とおっしゃって下さいました。

それから数分後に、飼い主の方の腕の中で、ワンコは息を引き取りました。まるで、来てくれるのを待っていた様な最後でした。

●2005年10月13日(木)
★今日のワンコ★

チワワのナナちゃんです。2ヶ月目の女の子です。ワクチン接種で来院しましたが、あまりにも小さいので、もう少し先に延ばすことにしました。体重は500gです。飼い主の方の手の中に入ってしまいそうですね。

「ワクチン接種が終わるまでは、一歩も外に出てはいけませんよ!」って、ペットショップの方から脅される(?)ので、初めて犬を飼った方などは、特に心配されますが、要は伝染病にかかった犬と接触しなければ大丈夫ですから、お庭に出た位で病気になることはありません。

ただ、犬が多く集まる公園や、ペットショップ、犬の訓練所、美容室などは、一見健康そうでも病気にかかっているワンコが混ざっていることがありますから、ワクチン接種が終わるまでは、近寄らない方が良いでしょう。

でも、一番病気の犬が集まるのは、動物病院ですから、事前に電話して、あまり混んでいない時間帯や曜日を調べてから、来院した方が安心ですね。

●2005年10月12日(水)

★今日のワンコ★

当院のシーズー犬の「おばあ」、年取ってやって来たので「おばあ」と名づけましたが、2年前に来た時は、体重8kgの肥満犬でした。それまでは、食べないからということで、ジャーキーやお肉、半生タイプのフードを与えられていました。

長年、皮膚病や膀胱炎に悩まされていましたが、当院に来てから、アレルギーの治療の一つとして、食事療法が始まりました。厳密な食事管理下におかれて、それ以外のものは一切与えませんでした。その後、膀胱結石の摘出手術を受けて、結石予防の食事に変わりました。体つきもスッキリして、この時の体重が7.5kgでした。

その後、肥満が気になったので、ダイエット食に切り替えました。規定どおりの量を与えて3ヶ月で、体重は6.3kgになって、動きが軽快になりました。皮膚の状態も以前と比べてかなりよくなりましたし、膀胱炎も再発していません。以前は食べなかったドッグフードですが、今は食事を心待ちにしています。

獣医師の目で見ていますから、ここまで食事管理が出来ますが、愛犬家の目で見ると、ここまでの食事管理は、なかなか難しいでしょうね。でも、きちんと食事管理が出来ると、期待通りの効果が出ますね。

●2005年10月11日(火)

★今日のニャンコ★

今日はニャンコの手術が続きました。

避妊手術や去勢手術は、予約制でやっています。今日は、先週ご予約いただいていた去勢手術と避妊手術が1件ずつ入っていました。ところが、朝一番に「今、野良猫を捕まえたので、今日手術して欲しい」というお電話が入りました。

野良猫の手術は、捕まったときにしないと、次は警戒して二度と捕まらないので、予約なしでお受けしています。これで、今日は4頭の手術になりましたが、なんとか午後の手術時間内で終わりそうでした。

午前中の診療が始まると、木の箱の中に猫を入れた方が来院しました。
「ああ、先ほどお電話で野良猫の手術を依頼された方ですね?」
「いいえ、予約なしなんでけど、今捕まったので、今日手術してください」
「???」

そこに、先ほどお電話をいただいた方が2頭の猫を連れて来院されました。結局、合計5頭の猫を手術することになりました。

1頭は午前中の診療時間内に済ませましたが、連休明けで病院は混雑し、午前中の診療が終ったのが午後1時過ぎで、それから手術を始めたので4時までには終わらず、1頭は明日の手術になりました。その間に急患の連絡が入りましたが、「手術台&私の体」が空かないので、他院にお願いしました。

麻酔を打つときに「フギャァ〜」と怒っていた猫たちも、今は入院室で大人しく休んでいます。

今日は、獣医師の助っ人が欲しい1日でした。


●2005年10月08日(土)
★今日のニャンコ★

約2ヶ月目のメスの子猫です。今日は健康診断で来院しました。実は、この子猫は3匹兄弟で、後の2匹の飼い主を募集中です。この子はメスですが、後の2匹の性別はまだ不明だそうです。この子の兄弟だから、きっと可愛いと思いますよ。子猫の新しい飼い主になってくれる方は、私あてにメール下さいね。

●2005年10月07日(金)

★今日のワンコ★

先週は、膀胱結石や会陰ヘルニアなどの手術が続きましたが、膀胱結石のワンコは今週の始めに、会陰ヘルニアのワンコは今日無事に退院しました。

膀胱やヘルニアの手術は、手術も大変ですが、手術後の経過に気を使います。術後にオシッコやウンチが無事に出るまでは、とても心配します。理屈ではうまくいっているはずですが、生体ですから何が起こるかわかりません。

膀胱結石のワンコも、手術で石はすべて取り除いたはずなのに、次の日にまたオシッコが出なくなってしまいました。レントゲンで確認しても石はありませんが、尿道の先から入れた細い管が奥まで入りません。このままではどうしようもありませんから、今度は尿道を切開したところ、オチンチンの先から3cmほど奥の尿道が硬く狭くなっていました。長い間、石が詰まっていたので、そんなふうになってしまったのかもしれません。

今日抜糸にみえた飼い主の方が「オシッコて勢い良くでるもんなんですねぇ」と笑って言ってました。「オシッコが出た!」とか、「ウンチが出た!」とか言って、大の大人が一喜一憂しているわけですから、知らない人が見たら、おかしいでしょうね。


●2005年10月06日(木)

★番外編★

月間wanという雑誌に原稿を書かされています。読者の方からの質問に原稿用紙2枚程度の字数でお答えしています。毎月月初めに3つの質問(宿題)が編集部からメールで送ってきます。

病気に関することで800字位は比較的簡単に書けますが、中にはとても字数を埋められないような質問が来ます。
「犬でも夏風邪をひくのですか?」
「上手に爪を切る方法を教えて下さい」
「小型犬には洋服を着せないといけませんか?」
あっちこっちから資料を集めて、升目をうめていますが、今月の質問は
「お酒を飲んでしまったのですが、大丈夫でしょうか?」

犬が酒を飲む???手持ちの文献には一言「症状は人のアルコール中毒と同じである」と書いてあるだけで、どこを探しても、犬が酒を飲んだ時のことは書いてありません。さすがにこの質問だけは編集部に連絡して勘弁してもらいました。

このコーナーは、評判が悪かったのか?、来月号で打ち切りだそうですから、興味のある方は早めに書店で立ち読みして下さいね。

●2005年10月05日(水)

★今日のワンコ★

先日手術したヘルニアのワンコが順調に回復してきました。心配していた排尿も問題なく、とんでもないところまで行っていた膀胱も、収まるべき場所に無事に収まった様です。

次は食欲が気になります。手術後の回復は、食欲に左右されるので、食欲が出ると一安心します。当院は犬の入院室の前に、食事を準備する場所がありますから、お腹を空かせたワンコは、食事の準備を始めて、いいにおいがしだすと落ち着かなくなります。

今日のワンコも、そんな感じで、食事の準備を始めるとソワソワし始めて、鼻をクンクンさせています。どうやら食べそうです。ところが、室内に食事を入れても、匂いは嗅ぎますが食べようとしません。スプーンですくって鼻先に持っていっても、顔をそむけます。「食べたそうなのにおかしいなぁ」と思いながら、今度は手であげると、やおら口を開けて食べようとしますから、そのまま放り込むともぐもぐ食べて、時間をかけて一皿食べ終えました。

翌日、ワンコの容態を尋ねてきた飼い主の方に、この話をすると、「ああ、言い忘れてましたけど、うちの○○ちゃんは、毎日私の手で食事を口まで持っていってあげているんですよ」。

もう2~3日で退院できそうですが、毎日せっせと手で食べさせる日々が続きそうですね。まあ、食欲が出て良かったけど、色んな食事の仕方がありますねぇ。

●2005年10月04日(火)
★今日のワンコ★

診療の中で、ワンコのしつけについての相談を受けることがあります。特に、初めて子犬を飼った方が、問題のある子になっては大変だと、心配されるようです。TVや雑誌などで問題行動犬のしつけに関することがよく取り上げられるので、心配になるのでしょう。

犬の訓練所でのしつけ講習などは受けたことなどないので、主に本から得た知識を元にお話しますが、飼い主の方が真剣に聞いてくれるので、だんだん自信がついて来ました。「犬は、生後6が月位までが大切で、この時期に他の犬や人に慣れておくと、将来臆病にならないで、落ち着いた犬になりますよ」等等・・。

ところが、うちのスリーピー(通称ピー)、散歩に出してもう1ヶ月が過ぎましたが、大変怖がりです。散歩中にどこからか犬の吼える声が聞こえると、わき目も振らず尻尾を巻いてダッシュー、バスの横を通る時に、バスのドアが閉まる「ブシュー」という音が聞こえると、またダッシュー、「まあ、可愛い!」と知らない人が近づくと、フリーズ状態です。おかげで、ジョギングシューズなしでは、散歩出来なくなりました。

ところが、家族の顔を見ると今度はダッシュで駆け寄って来て、なめる、かむ、なめる、かむ,飛びつく、飛びつく・・。

これからは、しつけの話はあまりしないようにしよう。

●2005年10月03日(月)

★今日のワンコ★

今日はオス犬の会陰ヘルニアの手術でした。

会陰ヘルニアは去勢手術をしていないオス犬に見られる病気です。お尻の横の筋肉が薄くなって、そこに直腸が入り込んでウンチが出にくくなって、排便の時に痛がるので来院することもあります。原因はまだはっきりとは判っていません。

膀胱や前立腺までもが入り込むとオシッコが出なくなって、命に関わることもありますが、今日のワンコは排尿には問題はありませんでしたので、お尻の手術だけの予定でした。

先日受講したフォーラムで、「会陰ヘルニアの時は、かならず膀胱造影をして膀胱の位置を確認すること」と聴いてきましたので、今回はいきなり手術をしないで、造影検査をしました。

出来上がったレントゲン写真を見て、ビックリ!なんと膀胱が、お尻のはしっこに飛び出しているではありませんか・・。オシッコが普通に出ていたのが不思議な位です。膀胱が正常な位置よりも10cm近くも移動しています。

お腹を開いて、膀胱を正常な位置に戻してからお尻の手術もしました。実は、このワンコ、病気には今年の5月にフィラリア予防で来院されたときに気が付いて、手術を薦めましたが、諸事情で延びていました。膀胱の変移に気付かすに、お尻だけ手術したら、オシッコが出なくなって、大変なことになるところでした。

2週間前に受講した講義が、こんなに早く役立つをは思いませんでしたね。



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