●2005年02月23日(水)
★今日のワンコ★ フィラリア病で治療している15歳の中型犬がいます。 2年前に、「散歩中に倒れる」ということで来院しました。検査の結果、心臓にフィラリアが寄生していることが判りました。心臓の中の虫を駆除することは出来ませんから、心臓の負担を楽にしたり、血栓を予防するお薬を処方していました。ワンコは痩せて、健康状態も悪そうでした。 その内にお腹が膨れてきました。心臓に虫が寄生して血行が悪くなって、腹水が溜まってきたのです。いよいよ、病気が進行してきました。お腹に針を刺して水を抜きます。お腹に水が溜まってこないようにお薬を処方しますが、フィラリア病で腹水が溜まり出すと、かなり病気が進行しています。このまま衰弱していくこともあります。その後、1年間に3回ほど腹水を抜きました。 投薬は続いていましたが、今日は久しぶりにワンコも来院しました。「またお腹に水が溜まったようなので、抜いて欲しい」ということです。ところが、ワンコを見ると、見違える様に元気になっていました。痩せてひょろひょろだったワンコに筋肉が付いたので、飼い主の方が、腹水が溜まったと勘違いされたようです。 飼い主の方は年配の方です。初めて来院されてから2年間、毎日欠かさずに投薬を続けて、ワンコは健康を取り戻しました。心臓の中に虫も居なくなりました。「不治の病」とあきらめないで、根気良く治療を続けた甲斐がありました。「元気になりましたね」と声をかけると、言葉少なげに「お蔭様で」と言われた飼い主の方の嬉しそうな顔が、印象的でした。長生きして欲しいですね。
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