2004年01月
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●2004年01月31日(土)

★今日のニャンコ★

嘔吐するニャンコが来院しました。嘔吐の原因は多種多様で、簡単な処置で回復するものから、手術が必要なこともあります。特に外に出る猫は、飼い主の方の目が行き届きませんから、何か悪い物を食べたんじゃないか?とか、事故にあったんじゃないか?とか、頭を悩ませます。具合の悪いニャンコを前に、「この子がしゃべってくれたらなぁ」と思うのも、このような時です。

今日のニャンコは、臨床症状や各種の検査の結果、なにか重大なことが、お腹の中で起こっていることが予想されました。残る検査は、検査のための、開腹手術しかありません。具合の悪い子に麻酔をかけて、お腹を開けるわけですから、大きなリスクがあります。原因が分かって、それを手術で取り除くことが出来れば良いのですが、原因が分かっても悪性腫瘍などで対処できなかったり、あるいは、原因すら分からないままに、お腹を閉じなければならない事もあります。じっくりと飼い主の方と相談します。

つづく・・。

●2004年01月30日(金)
★今日のニャンコ★

今日は、ジュンちゃんです。外から帰ってきたら、後ろ足にコールタールみたいな油をべっとりとつけてきたので、「何とかしてくださーい」と来院しました。シャンプーで洗っても、ゴワゴワしてうまく取れませんし、あんまりゴソゴシ擦ると、猫は嫌がって暴れだします。そこで「裏技」をひとつ・・

台所からサラダオイルを持ってきます。それを塗って、体にこびり付いた油を溶かして、軽く乾いたタオルでふき取った後に、シャンプーでオイルを洗い落とします。ハサミなどで、こびりついた油を毛ごと切り取ろうとすると、誤って皮膚まで切ってしまうことがあるので、ご注意くださいね。


●2004年01月29日(木)
★今日のニャンコ★

診察台の上で「ギャオウ!」と言ってるのは、モモちゃんです。虫下しの注射で来院しました。猫条虫という寄生虫が寄生していることがあります。猫が休んでいる場所やお尻も回りに、小さな虫が引っ付いていて気付きます。

ノミが媒介します。虫下しを投与すると、すぐに駆除できますが、ノミの対策を怠ると、数ヵ月後にまた出てきます。この虫が寄生すると、食欲が異常に出る猫がいます。お腹の中で、寄生虫に栄養を横取りされているのが、わかるのかな?

●2004年01月28日(水)

★今日のニャンコ★

今日は猫の断脚手術でした。「断脚」と聞いてぞっとするでしょうけど、そうした方が猫が健康に過ごせることもあります。

今日のニャンコは、小さい頃に交通事故で足を怪我して、その時は「野良猫」の状態だったので、そのままにされていました。車に踏まれたのか、足先を切断していました。足先から血を滲ませながら、治療を受けることができないままに、1年近くを過ごしていましたが、避妊手術のために、食事を与えている方が、なんとか捕まえて、当院に連れてこられました。

手術後は、この方がお家に入れてあげることにしましたから、これを期に、足の手術をすることにしました。長い間放置されていた足は、かなりひどい状態でしたから、悪いところを切除して、きれいなりました。

猫や犬は後ろ足の筋肉が良く発達していますから、後ろ足1本でも、充分に生活できます。走っている姿を一見すると、足が1本ないのに気付かないくらいです。今日のニャンコも、これからは健康的に過ごせることでしょうね。

●2004年01月27日(火)
★今日のワンコ★

今日は、ポメラニアンのミルキーちゃん、3ヶ月目の女の子です。ワクチン接種での来院です。

ポメラニアンは足の骨がとても細いので、ちょっとしたところから飛び降りても、骨折してしまいます。以前、飼い主の方は日ごろから注意していたのですが、留守の間に椅子を伝ってテーブルに上がって、そのまま飛び降りて、前足を骨折したワンコがいました。ご注意下さいね。

●2004年01月26日(月)
★今日のニャンコ★

外傷の猫が2頭入院しています。通常、外傷の場合は、すぐに麻酔をかけて縫合などの処置をするのですが、今回入院中の猫たちは、経過が長いので、体力の消耗が激しく、点滴や流動食の給餌で体力を回復した後に、外科的な処置をすることになります。

外出する猫は、「4〜5日姿を見ないなぁ」と思っていると、ある日突然、ヨレヨレになって帰ってきます。「ここまで怪我がひどくなって、疲れきる前に、もっと早く帰って来ればいいのに・・」と思いますが、「その心は、猫のみぞ知る」ですね。

写真は、シーちゃん、1年目の女の子です。避妊手術での来院です。シーちゃんは外には出ないので、怪我の心配はありませんね。

●2004年01月24日(土)

★今日のワンコ★

今日はワンコの乳腺腫瘍の切除手術でした。

通常、乳腺腫瘍は、おっぱいの「しこり」に飼い主の方が気付いて来院されることが、ほとんどで、たまに、ワクチンの接種などで来院された時に、こちらが見つけることもあります。

乳腺腫瘍は、そのほとんどが皮膚の下に埋まっている「しこり」です。しこりが大きくなると、皮膚の表面にコブのように出てきて、いよいよ大きくなると、表面が破れて出血が始まります。

ところが、今日のワンコの乳腺腫瘍は、皮膚に埋まっている部分はそれほど大きくないのですが、表面に出ている部分が、子供の握りこぶしほどもあって、表面がデコボコしています。まるで「ニガウリ」の様です。外で飼われているワンコですが、飼い主の方は、最初はウ○チが引っ付いているのかと、思ったそうです。

胸の部分に出来ていましたが、腫瘍は、胸の筋肉とかなり引っ付いていましたから、出血が多くて切除が大変でした。乳腺腫瘍は切除してしまえば、体力の回復は早いので、2〜3日で帰られると思います。良性、悪性をふまえて、この「ニガウリ」がどのような腫瘍なのかは、組織検査に委ねることになります。

●2004年01月23日(金)
★今日のワンコ★

昨夜の寒波で道路は凍結し、時々雪が降っている朝の診療時間前に、近くの交番から電話が入りました。「奇特な方が、事故にあった犬を連れてみえているのですが、そちらに行くように伝えていいですか?」

連れてきた方に、治療後は、きちんとお世話をしてくれることをお願いして、来院していただきました。ワンコはかなり高齢の様で、後ろ足を痛めていました。いのちに関わるほどの怪我ではないようです。身元不明ですし、ワンコの年齢も考慮して、手術などの積極的な治療はしないで、投薬主体の治療をすることにしました。

治療後は寒くないようにしてあげて、元のところに戻しておいたら、飼い主が見つけてくれるもしれない、とも思いましたが、あいにく雪が降ってきたので、とりあえず、保護した方が連れて帰られました。ワンコの写真を撮ってあげたので、それを手がかりに飼い主を探すそうです。

その後、交番からも連絡があり、ワンコは「拾得物」という扱いになるそうです。北九州市の動物管理センターにも連絡を入れています。昨年末にも同じような事件がありましたが、ワンコが高齢化してくると、いわゆる人で言う「ボケ」の症状が出てきます。夜中に大きな声で吼えたり、自分の家が判らなくなったりしますから、気をつけてあげて下さいね。早く飼い主の所に帰られるといいですね。

ワンコは柴犬のメス、推定年齢は15歳位です。心当たりのある方は、ご一報下さい。

●2004年01月22日(木)
★今日のニャンコ★

外は、すごい雪です。朝、病院の前の雪かきをしたのですが、すぐにまた積もってしまいました。外を走る車も、何時もの10分の1位です。来院する方は、コートの胸の中にワンコを入れて、歩いて来院されています。ワンコ達は飼い主の方の胸の中で、幸せそうにポカポカとしています。退院予定の子が2頭いるのですが、迎えに来てもらえるかなぁ。

写真はビビアンちゃん、1歳の女の子です。ストロボに少しびっくりしたかな?

●2004年01月21日(水)

★今日のニャンコ★

今日は寒い一日でした。外で生活している高齢な猫は、寒さによるストレスで体調をこわすことがあります。脱水症状でヨレヨレになって担ぎ込まれます。暖かな部屋で点滴をすると2〜3日で元気になって、食事をとるようになります。いつまでも若いつもりで外出していると、思いのほか寒さが身にこたえるのでしょう。人の世界と同じですね。寒い日はコタツで丸くなるのが一番ですよ。

●2004年01月20日(火)
★今日のワンコ★

ぬいぐるみみたいに見えるのは、ルナちゃん、2ヶ月目の女の子です。ルナちゃんのお父さんとお母さんの種類は何でしょう?正解は、チワワとプードルです。大きくなったら、どんな感じになるのか楽しみですね。きっと可愛いでしょうね。

●2004年01月19日(月)

★今日のニャンコ★

腎臓が悪いニャンコが来院しました。15歳と高齢な猫ですが、「この2〜3日食欲がなくて嘔吐している」と、いうことでの来院です。

血液検査で腎臓の状態を示す数値が、異常に高くなっています。この数値では、生きているのが不思議な位です。飼い主の方に病状を説明して、点滴主体の治療になりますが、猫の年齢も考慮すると、元のように元気になるのは難しいことをお話しました。

飼い主の方もよくご理解くださって、最後は看取ってあげたいが、出来るだけのことはしたいというご希望なので、朝から夕方まで当院で点滴して、夜は自宅に戻っていただくことにしました。

治療を続けること1週間、猫は随分元気になりました。それまでうずくまっていた猫が階段も上がれるようになりました。経過を見るために血液を再検査すると、異常に高かった腎臓の状態を示す数値が、正常値に戻っているではありませんか!

高齢な猫の場合、長い間に腎臓が悪くなっていくので、見た目は元気になっても、検査をすると、それほど良くなっていないことが多いのです。今回のようなケースは初めてです。

まだ、安心はできませんが、「動物の治癒力」には驚かされますね。


●2004年01月17日(土)
★今日のニャンコ★

今日は、ゴローちゃんです。3ヶ月目の男の子です。民間のボランティア団体の里親探しで、新しい飼い主の方のところにやってきました。検査にも協力的で、おとなしいニャンコでした。もう少ししたらワクチン接種です。

●2004年01月16日(金)

★今日のワンコ★

16歳のワンコが来院しました。以前心臓が悪くて治療していたワンコです。最近来院が途絶えていましたから、少し気になってました。

今日は歯周炎の治療での来院ですが、以前と比べて元気そうです。心臓病からくるセキも、最近はほとんど出ないそうです。心臓が悪い、この年齢のワンコが元気になるのは稀なので、診察台の上に乗せて体重を見ると「!」・・。

2年前に8kgだった体重が、5kgまで落ちています。以前から間食をやめて、ダイエットをお勧めしていましたが、それが成功したそうです。

ワンコは動きも軽快になり、不思議なことに、心臓から聞こえていた雑音も、心なしか少なくなったようでした。セキが出るので月に何回も来院して、色々なお薬を飲んでいたワンコが、ダイエットしただけで、こんなに元気になるんですね。少しびっくりしました。まだまだ、長生きしそうですよ。

●2004年01月15日(木)

★今日のワンコ★

お腹に腫瘍ができたワンコが2頭続いて来院しました。

1頭は高齢なメスのワンコです。診察すると乳腺腫瘍の様です。中型犬ですが、大きさはピンポン玉くらいです。ワンコの年齢も考慮して、少し様子をみて、大きくなってくるようだったら、切除することにしました。

次のワンコは7歳ですが、胸の下あたりに、かなり大きな腫瘍があります。腫瘍の先端はすでに破れてジュクジュクしています。多分、急に大きくなってきたのでしょう。早めの切除が必要ですが、胸の筋肉と癒着しているので、手術が大変そうです。

この様に、同じ腫瘍でも、発生部位や動物の年齢で、対応が変わってきます。いずれにしても、早めに診察を受けることが大切ですね。

●2004年01月14日(水)

★今日のニャンコ★

外傷の猫が来院しました。年齢不詳のオス猫ですが、年に1〜2回怪我で来院します。その怪我も毎回生易しいものではなくて、ビックリするほど大きくて深いのです。いつも猫同士のケンカによる傷です。

今日も右のほっぺが大きく裂けています。本来なら縫合しなければならない程の傷ですが、もう何度も同じところを怪我しているので、皮膚が「日にちが経って乾燥したお餅」の様に厚く、硬くなっています。つきたてのお餅(もち肌?)でしたら、サクサク縫いますが、カチカチですから、縫ってもすぐに開いてしまうでしょう。消毒と化膿止めの処置をしましたが、治療中も暴れることなく「ムスッ」としています。まるでスクリーンの中の「高倉健」みたいです。

去勢手術は以前からお勧めしていますが、上半身は傷だらけで、漫画に出てくる路地裏のボス猫そっくりです。家から一歩も出ない「箱入り猫」が多い中で、こんな猫の生き方もあるんでしょうね。また今夜も寒空の下で戦っているのかな?


●2004年01月13日(火)
★今日のオバア★

今日は風が強くて寒い一日でした。

当院のシーズー犬のオバアが私の横で休んでいたので、寒いだろうと思って、白衣をかけてあげてました。オバアはスヤスヤ寝ていたのですが、診療が一段落して廊下を見ると、なにやら白い物体がウロウロ・・・。

白い物体は、目が覚めて、白衣の袖に頭を突っ込んで困り果てていたオバアでした。かけてあった白衣から出ようとして、こんな状況になったのでしょう。スタッフ一同大笑い。寒い日でしたが、院内はいっぺんに暖かくなりました。ペットは「生活必需品」ですね。

●2004年01月10日(土)
★今日のワンコ★

舌をペロリと出しているのは、コーギーのキャンディちゃん、6ヶ月の女の子です。ワクチン接種で来院しました。元気が良くて、写真を撮るのが大変だった様です。もう少しで大人の仲間入りですね。

●2004年01月09日(金)

★今日のニャンコ★

背中にブツブツが出来たニャンコが来院しました。「粟粒性皮膚炎」という、ノミが原因のアレルギー疾患です。

この病気はノミが寄生することが原因で発病しますから、毎年繰り返すことが多いのです。今日のニャンコは7歳で、初めての発病です。

お話をお伺いすると、昨年、外から新しい猫がやってきて、それ以降から、このニャンコが皮膚病になってきたそうです。多分、ニューフェイスが外からノミを持ち込んだのでしょう。

ノミが原因の皮膚病は、主に春から夏にかけての病気ですが、今年は暖冬なのか、室内で生活するペットが多くなったせいか、この時期でも、ノミ駆除薬が出ています。冬の寒さに打ち勝つ「強いノミ」が出てきたのかな?

●2004年01月08日(木)
★今日のワンコ★

昨日、アタマの皮を引っ張り上げられた「おばあ」の写真を掲載したところ、本人(犬?)が不満を漏らしておりましたので、今日は、「いつものお顔」を掲載します。「ウーン、なかなか可愛いなぁ」と思うのは、飼い主のひいき目かな?

●2004年01月07日(水)
★今日のワンコ★

アタマの皮をピローンと引っ張り上げられて写真を撮られたのは、当院のワンコ「おばあ」です。

当院の診察券は、その子の顔写真を貼り付けていますが、カメラ目線の写真を撮るのは、結構タイミングが難しいのです。当院のワンコを使ってAHT達が、写真を撮る練習をした中に含まれていた1枚です。

動物病院のワンコ達も、結構、働かされていますね。本人(本犬?)は迷惑だろうなぁ。

●2004年01月06日(火)
★今日のワンコ★

今日はワンコの乳腺腫瘍の手術でした。年末に来院されて、健康診断で問題なかったので、年明け一番の手術を予約されていました。

乳腺腫瘍の切除手術は、体の表面に出来た腫瘍を切除するので、開腹手術とは違って、体の負担にはなりませんが、犬は乳腺が10個もあるので、何箇所にも出来ていると、その傷の大きさに皆さん驚かれます。早期発見、早期切除が一番ですね。避妊手術を受けている子に発病することは、極めてまれですから、子供を望まないのであれば、手術を受けておくといいですね。

写真はチワワのピクちゃん、5歳の男の子です。飼い主の方のセーターの間からチョコンと顔を出しています。いつもここで休んでいるのかな?

●2004年01月05日(月)

★謹賀新年★

皆様、明けましておめでとうございます。

昨年末に身元不明の高齢なワンコが交通事故にあって、当院に運び込まれたことは、「今日の診察室」に書きましたが、お正月に飼い主の方が見つかったという、嬉しい報告を頂きました。

運び込まれて2日ほど入院していましたが、様態も安定したので、連れてきてくれた方に引き取って頂いて、その方が自宅で介護していました。保護した方が、保護された場所の近くのスーパーや、人通りの多いところに張り紙をしていたところ、お正月に飼い主の方から連絡が入ったそうです。20年近く飼っていたワンコだったそうで、飼い主の方は、連れてきていただいた方に大変感謝していました。

身元不明の動物の場合、怪我が回復しても、行き先が決まらないで、頭を悩ますことが多いのですが、今回は一番いい顛末で、お正月早々爽やかな気持ちになりました。今年は良いことが沢山ありそうですね。


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