2003年07月
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●2003年07月31日(木)
★番外編★

当院の看護婦さんと治療中のワンコです。彼女たちの愛情あふれる看護が治療の強力な武器です。シャンプーとトリミングで写真のワンコの皮膚病も随分回復しました。実はこの写真、本人には無断掲載です。後で怒られるかな?

●2003年07月30日(水)

★今日のニャンコ★

皮膚病の子猫が来院しました。今日、公園で拾ったそうです。

体を痒がっているということで診察すると、どうもカイセンの様です。カイセンは皮膚の下にトンネルを作って寄生するダニで、皮膚の中だけで生活しています。病変部を少し削って顕微鏡で見ると、やはりダニがたくさん見つかりました。

カイセンは治療で治りますが、病変部から落ちたフケの中で、次に寄生する猫を待ちます。このお宅には他にも複数の猫がいますから、くれぐれも同居させないことをお願いしました。次から次に移って、大変なことになります。カイセンは人にも皮膚病を起こしますから、抱いたり、いっしょに休んだりしないことが、大切です。

今日の子猫も、きちんと治療すれば、一ヵ月後には見違える様になるでしょう。

●2003年07月29日(火)
★今日のワンコ★

バッグに入って来院したのは、MDのリリちゃん、2ヶ月の女の子です。3日間で体重が0.6kgから1.0kgに増えていて、びっくりしました。良く食べているんでしょうね。

●2003年07月28日(月)

★今日のワンコ★

今日は心不全のワンコの来院が多い日でした。中高年になると心臓の弁の動きが悪くなる「僧房弁閉鎖不全症」という病気になることがあります。マルチーズに多い病気です。

この病気になると、夜中に咳き込んだり、興奮した時に倒れたりすることがあります。病気が進むと肺に水が溜まって呼吸困難になって、急死することもあります。

ワンコの症状に応じて、血圧を下げる薬や肺の水を抜く薬を使って、治療します。投薬をやめると症状が悪化することがありますから、継続的な治療が必要です。塩分の多い食事を長期間与えると発病を早めることにつながります。犬の塩分の必要量は人の四分の一と言われています。人と同じような食事を食べているワンコは注意が必要ですね。

●2003年07月26日(土)
★今日のニャンコ★

昨夜は、月に一度の研究会でした。10数名の獣医師が集まって症例を検討します。若い先生が多いので、熱気ムンムンです。

薄く切ったリンゴをもらって、丸のみして、のどに詰まらせた小型犬の報告、ビニール袋を食べた猫のお話、お灸や針を診療に利用している病院からの報告もありました。レーザー治療も普及しつつありますし、獣医療の進歩も日進月歩ですね。

写真は、チャチャちゃんとミクちゃんです。2回目のワクチン接種で来院しました。

●2003年07月25日(金)
★今日のワンコ★

診察台の上でのんびりしているのは、ミニチュアダックスのティニーちゃん、1ヶ月目の女の子です。ワクチンには少し早いので、健康診断をして、診察券をもらって帰りました。今まで兄弟たちといっしょだったから、のんびりした性格に育ったのかな?何か困ったようなお顔が、かわいいですね。

●2003年07月24日(木)
★今日のワンコ★

「誰だ!二人で仲良くバッグに入っているのを邪魔するやつは!」とにらんでいるのは、パグ犬のアート君とチョコちゃんです。生後2ヶ月目の兄弟ワンコです。アート君が約1ヶ月前に新しい飼い主の所に行ったので、2匹は久々の対面です。とても仲良しで、お互いにペロペロとお顔を舐めあっていました。次のワクチンが1ヵ月後ですから、またその時に再会できますね。

●2003年07月23日(水)

★今日のワンコたち★

今日は手術が3件続きました。

まず最初は、先週から予約してあったワンコの避妊手術、わずか1.5kg(避妊するネコの平均体重が2.5〜3.0kgですから、その半分!)の超小型犬です。麻酔に気を使いながら無事終了して、次は、ニャンコの避妊手術・・。休憩を挟んで、午後の診療直前に終了し、ほっとしたのもつかの間で、先週から調子が悪いと来院していた3歳のメスのニャンコが、子宮の病気になっていることが判りました。

エコーで診ると、子宮の中がパンパンに膨らんでいます。エコーを使わなくても、お腹が張っているのが判ります。猫の様態がこれ以上悪くならない内に子宮を摘出しなけらばならないので、午後7時から本日3頭目の手術でした。「よくまあこんなに・・」と思うほど、子宮の中に膿が溜まっていました。本日、当院は「産婦人科」でした。

避妊の2頭は明日の退院です。子宮の病気のニャンコは、早くて土曜日かなぁ。早く元気になるといいね。

●2003年07月22日(火)
★今日のワンコ★

土曜日に診療している当院にとっては、久しぶりの二連休でした。お休みを利用して、海仲間のミニチュアダックスフンドのRINDAちゃんに、海開きした福間海岸で、ワクチンを接種して来ました。

「ワクチンの前に検便をしておいた方がいいですよぉ」ってお話していたら、前日になんと宅急便でウ○チが届きました。送った仲間は中身を何て書いて送ったのでしょうね?

検便は異常なし、ビーチが見えるショップのレストランで簡単な健康診断をして、ワクチンを打ちました。RINDAちゃんショップ内で一番の人気者でしたが、日差しと人ごみとワクチンで体調を崩してはいけないので、早々におうちに帰ってもらいました。夏のビーチに連れて来られたワンコが、熱射病になることがありますから、注意して下さいね。

写真は、RINDAちゃんです。小麦色のサーファーの厚い胸に抱かれて、幸せかな?つぶらな瞳がかわいいですね。

●2003年07月19日(土)
★今日のワンコ★

昨夜は、豪雨と雷がすごかったですね。雷鳴や花火がきらいなワンちゃんがいますけど、皆様のところでは大丈夫でしたか?

我が家のシーズー犬も雷が大きらいで、昨日は心身症状態でした。顔には不安の色ありありで、ビクビクして落ち着かず、抱き上げると小刻みにブルブルと震えて、気の毒な有様でした。何時もとは違う場所で、震えながら一夜を過ごした様です。

抗不安剤を前もって投与する方法もありますが、雷が何時始まるかが判りませんから、あまり現実的ではありませんね。今から、雷と花火のシーズンですから、これらが嫌いな大型犬を外で飼っている方は、ワンコをなだめるのが大変ですね。

写真は、ゴールデン・レト・リバーのマロンちゃん、2ヶ月目の男の子です。今日はワクチン前の健康診断で来院しました。

●2003年07月18日(金)
★今日のニャンコ★

雌ネコのアウちゃんです。8歳の女の子です。ニャンコの登場は久しぶりです。ニャンコはシャッターチャンスが難しいので、出番が少ないですね。

●2003年07月17日(木)
★今日のワンコ★

ミスティちゃん、生後50日の女の子です。先週の土曜日に動物管理センターで開催された「わんわん里親探し」で新しい飼い主のもとにやってきました。

「里親探しのワンちゃんは病気が多いぞぉ」って脅かされたそうですが、とっても元気な女の子で、健康診断でも問題なし、でした。

英語でミスティは、misty(ぼんやりした)といいう意味ですが、名前に反して、とても活発な子でした。来月の初めに初回のワクチン接種です。

●2003年07月16日(水)
★今日のワンコ★

今日はコロちゃんです。約10ヶ月の女の子です。フィラリアの予防と避妊手術の打ち合わせで来院しました。この年齢の柴犬は、子犬の頃の毛が抜け変わって、額が歌舞伎役者の様に見えることがあります。写真から、わかりますか?

●2003年07月15日(火)
★今日のワンコ★

アトピー性皮膚炎のワンコ(シーズー犬)を治療中です。

アトピー性皮膚炎→ステロイド剤投薬の図式を打破しようと、ステロイドは使わずに、各種のサプリメント、皮膚病専用のフード、シャンプーにコンデショナーを駆使しながら、日々戦っています。

治療を開始して約2ヶ月ですが、これまでの成績では、
1.毛を短く刈る。
2.頻繁にシャンプー(3日に一回)する。
3.シャンプー後や皮膚が乾燥してフケが多いときには、コンデショナー(保湿剤)を塗布する。
4.天気良い日は外に出して、適度に日光浴をする。
ことが、皮膚に良いことがわかりました。ジメジメした蒸し暑い日は痒そうです。

これだ!というサプリメントやフードにはまだ行き当たりませんが、お肉&キャベツ&ジャーキーなどが主体の食事だった頃に比べて、健康状態は格段に良くなりました。痒みから開放されて、スヤスヤ寝ている姿を見るとほっとしますね。

●2003年07月14日(月)
★今日のワンコ★

ゴールデン・レト・リバーのカーラちゃんです。7ヶ月の女の子です。避妊手術後の検診で来院しました。初回の発情前に手術すると、年をとってからの乳腺腫瘍の発病率が、かなり低くなることが報告されています。子宮の病気の予防にもなるし、子供を望まないのであれば、生後1年以内に手術することをお勧めします。カーラちゃんは後1週間で抜糸です。

写真を撮るときに、そっとカーラちゃんの肩についたゴミを取ってあげている飼い主の方の手に、愛情を感じますね。

●2003年07月12日(土)
★今日のワンコ★

今日は、シーズー犬のルークちゃんです。ワクチンの接種と健康診断で来院しました。ルークちゃんは生後2ヶ月目の男の子です。今日は目の周りの毛をカットしてもらって、見晴らしがよくなりました。ルークちゃんは、当院のホームページを見て来院したそうです。うれしいですね。

●2003年07月11日(金)

★今日のニャンコ★

交通事故のネコが来院しました。連れて来たのは、ネコの飼い主ではありません。連れてきた方の家の前で、事故にあったのだそうです。

ネコは重体です。頭部を強打したようで、起き上がることも出来ず意識も朦朧としています。昨夜はケイレンが激しくて、他院で麻酔を打ってもらったそうです。連れてきた方は安楽死も考えています。さて、どうしたものか?

飼い猫だと安楽死も考慮するケースですが、今日のニャンコは飼い主が判りません。北九州市の動物管理センターに相談すると、センターでは、首輪などで明らかに飼い猫や飼い犬であることがわかる場合は、治療してしばらく預かるが、そうでない場合は、野良猫や野犬として取り扱う、ということでした。

今日のニャンコは、入院させて治療することにしました。ショック状態からは回復していますが、脳の障害が強いのか、意識は混濁しています。ショックを抑えて、脳圧を下げる治療が主になりますが、猫自身の回復力に負うところが大きいですね。


●2003年07月10日(木)

★今日のワンコ★

「最近オシッコを漏らすんです」と10歳のオスのワンコが来院しました。飼い主の方のお話によると、たくさん水を飲むのでオシッコの量が多くて、ポタポタ漏らすのだそうです。

去勢していないオス犬は中高年になると、前立腺肥大を起こして、オシッコが出にくくなったり、逆にポタポタと漏らす様になることがあります。

今日のワンコは「たくさんお水を飲む」のが気になったので血液検査をすると、血糖値が異常に高いことが判りました。糖尿病の疑いがあります。

前立腺肥大や糖尿病など、ワンコの病気もヒトと変わりませんね。ワンコの糖尿病は、ヒトの様に不摂生が原因になることは少なく、遺伝的要因が強いと言われていますが、治療には、飼い主の方の協力が不可欠です。

●2003年07月09日(水)

★今日のワンコ★

今日はワンコの外傷(咬傷)の処置をしました。

実は、ケンカしたのは、同じ家で飼われているワンコたちです。6歳のワンコが9歳のワンコに咬みつきました。日ごろは仲良しで、いつもいっしょに居て、6歳の子が9歳の子に付いて回っていますが、今日は若い方のワンコの虫の居所が悪かったのか、古株のワンコに咬みついてしまいました。

消毒や縫合の処置をしなければいけないので、麻酔をかけて処置をしました。お迎えには、咬みついた方のワンコも来ていましたが、特にわだかまりもなく、仲良く2匹で帰って行きました。

飼い主の方のお話によると、最近雨が多くて散歩に行けないので、ストレスがたまっているのが、原因かもと言ってました。梅雨の長雨が、ワンコの日常生活にも影響している様ですね。


●2003年07月08日(火)

★今日のワンコ★

梅雨の長雨のせいか、例年以上にノミやダミの発生が多いようです。

狂犬病のワクチンで来院した中型犬ですが、何気なく耳の内側を見ると、なにやら小豆の様なものが引っ付いています。ダニです。ダニは吸血すると大きくなって、黒いホクロかイボの様に見えるので、「最近、うちのワンコ、ホクロが増えたなぁ」って間違うことがあります。

このワンコも左右で大小のダニが10匹近く付いていたので、ピンセットで取って、フロントラインを塗布して、ノミ取り首輪をつけました。この処置でしばらくは、ダニが寄り付かないでしょう。

地域によっては、伝染病を媒介するダニもいますから、草の多いお庭や、山に行くワンコは、フロントラインを塗布するか、ダニよけの首輪をつけておくことをお勧めします。

●2003年07月07日(月)
★今日のワンコ★

今日はキャバリアのベンちゃん、4ヶ月目の男の子です。健康診断で来院しました。イギリスが原産地で、キャバリア・キングチャールズ・スパニエルという由緒正しい名前がついています。

●2003年07月05日(土)

★今日のニャンコ★

夕方の診療終了時間前にお電話がありました。

「猫が塀から落っこちて、今消防署から助けに来てもらうように、要請していますが、助けてもらったら、そちらに連れて行ってもいいですか?」

状況が良くわからないままに、救助したら連絡していただくことにしました。待つこと20分、飼い主の方に連れられて、猫がやってきました。お話によると、お隣との境に塀があるのですが、その下に泥棒防止のため最近鉄柵と作ったところ、いつもの様に猫が飛び降りて、柵が刺さったのだそうです。

すぐに麻酔をかけて、切れた皮膚を縫合しました。傷は大きかったのですが、幸い皮膚だけで、受傷してからあまり時間が経過していなかったので、きれいに縫い合わせることができました。

動物の救助にも消防署が出てきてくれることを、初めて知りました。サイレンを鳴らさずに、消防自動車に乗った2名の消防士の方が駆けつけてくれて、手際よく助けてくれたそうです。猫はパニックになっていたと思いますから、かじられたりして、消防士の方は怪我しなかったのでしょうか?

消防署も病院までの搬送は、しないそうですが、その内、動物専用の救急車が出来るかもしれませんね。その前に、24時間体制の救急病院が先ですね。

●2003年07月04日(金)

★今日のニャンコ★

今日は、野良猫の避妊手術でした。

屋外の猫に食事を与えている方達が居ます。猫が集まるので「糞害」が問題になることもあります。餌を与えることの是非は別にして、猫が増えると困るので、この方達から避妊手術を依頼されます。

野外の猫を捕まえるのは難しいのですが、何とか捕獲して来院されます。ここからが大変です。手術のために麻酔の注射を打たなくてはなりませんが、猫は隙あらば逃げ出そうと、目をランランとさせて機会をうかがってます。そのため、当院からカゴを貸し出して、それに入れて連れてきてもらいます。当院のカゴはまわりが網になっていますから、猫の隙をついて、その隙間から注射を打つことができます。

今日のニャンコは「大人しいから大丈夫ですよぉ」とおっしゃるので安心していましたが、いざ連れてきて頂いて、かごの中を見ると、目の中に炎が宿っています。やば〜ぁ!

当院のカゴの入り口を開けて、今入っているカゴのドアを少し開けて、落とし込もうとすると、なんと、片手でカゴにぶら下がって、逃げ出そうとします。何とか手を振りほどいて、ストンと落っこちたところで、カゴのドアを閉めて、無事に入れ替えました。

猫は授乳中でも発情しますから、一年に3回出産します。一回の平均出産数は4頭ですから、一年で一匹が翌年は13匹になる計算です。野外ではすべてが健康に育つわけではないので、不幸な猫を増やさないためにも、避妊手術を受けさせましょうね。

●2003年07月03日(木)
★今日のワンコ★

今日は、ミニチュア・ダックスフンドのレモンちゃんです。5歳の女の子で体重は2.6kgと小柄です。ノミがついたので、お薬をつけてもらいました。これで一ヶ月は大丈夫です。

●2003年07月02日(水)
★今日のワンコ★

今日はシーズー犬の赤ちゃんの、ユズちゃんとマオちゃんです。今年の5月2日生まれですから、2ヶ月目ですね。お母さんワンコがあまり面倒をみなかったので、飼い主の方がせっせとお世話をしたそうです。スクスクと育って良かったですね。

●2003年07月01日(火)

★今日のワンコ★

今日は、ヘルニアを手術したときに入れたインプラントを取り出す手術でした。

去勢していないオス犬が中高年になって、会陰ヘルニアという病気になることがあります。お尻の横の筋肉が薄くなって、そこに直腸が入り込んで、便が出にくくなったり、排便の時にキャンキャン鳴いたりします。

犬同士の接触がなくなったので、強い犬の前で「尻尾を巻く」という行為が少なくなったのが原因という説もありますが、はっきりとした原因は判りません。

薄くなった筋肉を縫い合わせたり、生体に反応の少ないインプラントを入れて、筋肉を構築する手術があります。今日のワンコは、インプラントを入れる手術を行って、調子良く排便していたのですが、手術から半年経って、インプラントを入れた部分が、ジクジクしてきました。

しばらくは消毒とお薬で様子を見ていたのですが、スッキリしなしので、インプラントを取り出すことにしました。術後、排便がうまくいって、傷がスッキリと回復したらOKです。これから、ウンチの出るのを心待ちにする日が続きます。


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