2003年02月
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●2003年02月28日(金)

★今日のワンコ★

今日は往診の依頼が多かった一日でした.往診では充分な検査や診察が出来ないので,依頼されても来院していただくことが多いのですが,今回は,飼い主の方が多忙な方で,小型犬の健康診断の依頼でしたから,ワンコをお預かりして,諸検査を終えて,また御返ししました.検査結果やコメントを診断書に書いて,代理の方にお渡ししましたが,診察室でレントゲンや検査結果を見ながら説明するのと違って,飼い主の方に,こちらの真意がきちんと伝わったかどうかが,少し心配です.

このワンコの検査をしていると電話が入りました.
「あのぉ,今日往診に来ていただけるということでしたが,何時ごろになりますか?」
「???,そんな予約,あった?」そういえば,週の始めに往診の依頼があって,金曜日だったら,手術の予定が入ってないので,行けるかもしれません,と答えていた様な・・

アタフタと,とりあえず診察だけにお伺いして,検査の必要がありそうだったので,採血の準備をして出直しました.検査結果を見て,お薬を準備して,今度は取りに来ていただいて・・.やはり,来院していただくのが,一番ですね.

●2003年02月27日(木)
★今日のワンコ★

今日は,2ヶ月目の男の子のサブちゃんです.ワクチン接種での来院です.サブちゃんはマルチーズとポメラニアンの両親から生まれました.マルチーズの毛並みでポメラニアンの体..想像しただけでも,かわいいワンコになりそうですね.

●2003年02月26日(水)

★今日の講習会★

今日は午後7時から博多で,新しいフィラリアの予防薬の講習会でした.午後6時過ぎに病院を出ましたから,それ以降に来院された方には,ご迷惑をおかけしました.

従来,フィラリアの予防薬は,飲ませるお薬が主流でしたが,昨年からは一回の投与で半年間有効な注射薬が発売になりました.今年は,首の後ろに滴下するノミ駆除薬にフィラリア予防薬が入った薬剤が発売になります.

月に一回の投与で,ノミの駆除とフィラリアの予防が同時に出来ます.今年のフィラリア予防は,飲ませるお薬,注射薬,滴下薬の3つから選択することになりますね.

●2003年02月25日(火)
★今日のワンコ★

今日は,ボーダーコリーのラムちゃん,2ヶ月目の女の子です.ボーダーコリーはスコットランドの山間のボーダーズ州で羊飼い達に飼われていた犬種です.本来働く様にできている犬種ですから,とても運動能力に優れていて,常に刺激を必要とする犬だそうです.公園でフリスビーで遊んでいる姿を時々見かけますね.

●2003年02月24日(月)

★今日のニャンコ★

20日の「今日の診察室」でご紹介したニャンコ,骨盤と背骨を傷つけていました.骨盤の骨折は手術で治しますが,背骨の神経を傷つけたのが原因で,排尿障害が出てました.自分でオシッコができませんから,人の手でお腹を圧迫して出してあげなければなりません.

レントゲンで見ると,背骨のズレが少ないので,「うまくいくと麻痺がだんだん回復して,自分でオシッコが出来る様になるかもしれませんよ」,とお伝えして,圧迫の方法を教えてあげて,土曜日に退院しました.

退院から2日経って,「オシッコはうまく出せているかなぁ」と気になっていたところ,飼い主の方から,「トイレに連れて行ったら,自分でオシッコ出来ました!」と,うれしいご連絡をいただきました.

2週間もすると歩ける様になると思うから,また元気な頃にもどれますね.よかったね.

●2003年02月22日(土)

★今日のニャンコ★

今日は2月22日で,ニャンニャンニャンのニャンコの日だそうです.ちなみにワンコの日は11月1日,ニャンコの日だからというわけではないと思いますが,今日は野良猫の避妊手術が2頭続きました.

朝「餌を入れていたら捕まりましたぁ.今から連れて行きます」とお電話があり,1時間後にダンボールの箱に入れられて,ガムテープで厳重に封印された猫が,宅急便の荷物の様に,当院に2個届けられました.

麻酔を打って眠ったところで性別を確認して(野良猫は,充分に観察が出来ないので,時々連れてきた方が性別を間違っていることがあるので,注意が必要です.雄猫のお腹を間違って切ったら大変!)手術開始です.

今日のニャンコは毛を刈って仰向けにすると,お腹の横が妙に膨れています.腹壁ヘルニアの様です.事故等でお腹を強く打つと,お腹の壁が破れて,お腹の中の物が皮膚の下に飛び出してきます.これが腹壁ヘルニアです.腸が飛び出したりすると,命に関わりますから,避妊手術と同時にヘルニアの手術も行いました.

ニャンコは明日の朝には元の場所にもどされるそうですが,ヘルニアが良くなったので,目が醒めたらお腹の調子が良くてビックリするかもしれませんね.

野良猫の表現があまり適切ではないようなので,「野生猫」に変換します.確かに彼等は「野生」です.失礼しました.

●2003年02月21日(金)
★今日のニャンコ★

最近,猫の来院が増えています.事故にあったり,ケンカしたり,突然の避妊手術の依頼があったり..

繁殖期を迎えたニャンコたちが,路地裏でバタバタ,ソワソワしているようですね.大きな怪我で来院する子もいるので,本能にまかせて,あんまり羽目を外さないで,ご自愛くださいねっ,て言っても,ニャンコには分からないだろうなぁ.

写真は,ビーグル犬のラブちゃん,約2ヶ月の女の子です.遠路鹿児島からやってきました.今日はワクチン前の健康診断で来院です.キョトンとした表情がカワイイですね.

●2003年02月20日(木)

★今日のニャンコ★

昨日来院した事故で骨盤を骨折したニャンコの手術を何時しようかということになり,今週は週末まで手術の予定が入っているし,あまり延ばすわけにもいきません.今日の午後は休診なのですが,天気も悪そうだし?「ヨーシ,休み返上で木曜日の午後にヤルゾー」と言うと,当院の数少ない2名のスタッフが「実は,もう予定が入っていて..」と困ってます.

で,朝5時からの早朝手術になりました.手術は無事に朝の診療時間前に終了し,私を含めた3名のスタッフは,心置きなく午後から休めることになりました.めでたし,めでたし.(一番休みたかったのは,お前だろう!と天の声が...)

●2003年02月19日(水)

★今日のニャンコ達★

今日は忙しい一日でした.午前中は,事故で自力排尿ができなくなってしまったニャンコが来院し,手で膀胱を圧迫してもうまくいかなくて,カテーテルを膀胱に入れてオシッコを出してあげていると,昨年末にケイレンをおこしたワンコが来院し,その後はお薬で落ち着いていたのですが,また再発して,通常のお薬では効かないので,少し強い麻酔薬に近いものを使ったところ,すっかり眠ってしまい,アタフタしているうちに午前中の診療時間を大幅にオーバーしてしまいました.

午後からは1時間送れで脱臼の手術が始まり,これにも手を焼いて終了が4時過ぎ・・.今度は交通事故で骨盤を骨折したニャンコが来院し,今後の治療方針を飼い主の方とお話していると,「うちのワンコ,発情中なのですが,朝,庭を見ると,どこの馬の骨かわからない(←このセリフは飼い主の方は言ってません)雄犬が入って,ややこしい事をした様なのですが,ナントカなりませんか?」という,ご相談のお電話が..その後には,昨年の秋から家にいついた猫に食事を与えていたのですが,子猫とばっかり思っていたら,お腹が大きくなってきたみたいで,調べてくれませんか?

世間はすっかり春ですねぇ.おかげで,昼ごはんは,午後8時半でした.明日は午後がお休みですが,休診できるかなぁ.

●2003年02月18日(火)
★今日のワンコ★

今日はゴールデン・レトリバーのボビー君です.2歳半の男の子です.今日はお母さんのナナちゃんのワクチンの付き添いで来院しました.ライオンを思い浮かべる程,迫力満点のワンコです.写真から,その雰囲気が伝わりますか?カメラを向けると,いきなりドスの効いた声で「ウワン」と警告されました.

●2003年02月17日(月)

★今日のワンコ★

「後ろ足の着き方が何時もとは少し違う様なので..」とりっぱなオスのゴールデン・レトリバーが来院しました.草むらから出てきたら様子がおかしかったそうです.歩き方を診ると,少し足をかばっている様な歩き方ですが,ひどく痛がっているふうはありません.

膝や股の関節の状態を,曲げたり延ばしたりして調べますが,特に大きな問題はなさそうです.「レトリバーは生まれつき股関節に問題をかかえている子が多いので,この子も少し年をとってきたので,あまり激しい運動は控えて,とりあえず鎮痛薬を処方しますから..」なんてことを話しながら,指の間を触っていると,何やら変な物に触れます.

「ありゃ,コリャなんじゃ?」昔は「ヒッツキボウ」と言ってた植物の種?が,パットの間の毛に絡まっていました.これをバリバリ剥がして,一件落着です.

やはり,基本に帰って,きちんと調べなければいけませんね.もう少しで,股関節形成不全を疑って,レントゲンを撮るところでした.

●2003年02月15日(土)

★今日のニャンコ★

「昨日からオシッコが出てない様なんですが・・」とオスのニャンコが来院しました.お腹を触ってみるとパンパンに膨らんだ膀胱があります.確かにオシッコが出ていません.雄猫は膀胱炎を起こして尿道に血液や結石が溜まると,オシッコが出なくなることがあります.早く出してあげないと,尿毒症で死亡することになります.

体にあまり負担にならない方法で麻酔をかけて,細い管をオチンチンの先から入れて,尿道を開通させますが,尿道の入り口は細いので,根気がいる処置です.悪戦苦闘すること十数分・・.無事にオシッコが出るようになりました.閉塞が取れると,パンパンに膨らんだ膀胱からビューッとオシッコが噴出しますから,こっちまで,なにかスッキリした気分になります.あまりに熱中して,尿道を覗き込んで処置をしていると,ピューと顔面に洗礼をうけることになりますから,注意が必要です.

血液検査で「尿毒症」に近い状態になっていたのが分かりましたから,入院させることにしました.オシッコがうまく出るようだったら,2〜3日で退院です.再発防止には,食事療法が必要です.

●2003年02月14日(金)

★今日のワンコ★

10才のマルチーズが来院しました.昨日から様子が変で,夜は一睡もしていないそうです.ワンコは診察台の上で首を伸ばして,口をパクパクさせて息をしています.水面に上がってきたキンギョみたいです.

聴診器を胸に当てると,強い心雑音が聞こえます.心臓が悪い様です.レントゲンで,心臓の肥大と肺に水が溜まっている(肺水腫)ことが分かりました.肺水腫を起こしたので息が苦しくて,寝るといよいよ胸を圧迫するので,横になれなかったのでしょう.

肺水腫の治療をして,夜の分のお薬を処方したところ,次の日には随分呼吸が楽になって,ワンコも飼い主の方もゆっくり眠れたそうです.

再発しない様に,これから心臓の治療が始まりますが,太り気味のワンコですから,塩分の制限と減量も必要ですね.年をとるとワンコも人間といっしょですね.

●2003年02月13日(木)
★今日のワンコ★

今日はモモちゃん,2ヶ月の女の子です.モモちゃんはパピヨンとマルチーズのミックスです.シーズーの子犬に良く似ていると思いませんか?少しお鼻が長いので,シーズーとマルチーズかな?と思いましたが,パピヨンでしたね.

今もカワイイけど,大きくなったらもっとカワイイでしょうね.1ヵ月後の来院が楽しみですね.

●2003年02月12日(水)

★今日のニャンコ★

昨年の暮れに乳腺腫瘍の手術をしたニャンコが,腫瘍が再発して来院しました.猫の乳腺腫瘍は約90%が乳腺癌(ちなみに犬は40〜50%)と言われています.乳腺癌は再発や転移が多いのが特徴です.若い時期に避妊手術をした子には少ないのですが,このニャンコは手術はしていませんでした.年齢は15歳です.

飼い主の方は再手術を希望されていますが,再発するのは時間の問題でしょう.肺転移の可能性もありますし,飼い主の方とゆっくりお話して,このニャンコに一番良い治療方法を選択することが,大切ですね.

避妊手術は不妊の目的以外にも,乳腺や子宮の病気の予防にもなりますから,子供を望まないのであれば,若い時に手術を受けることをお勧めします.

●2003年02月10日(月)
★今日のニャンコ★

学会で金,土,日と休診で,今日の朝一のお電話が,前回の日記でご紹介した,避妊手術を木曜日に行ったニャンコの飼い主の方でした.退院してから元気,食欲がなくて,グッタリしているそうです.

術後2〜3日は元気がないことがありますが,この子は小柄で,手術前から何となく活気がなかったので,気になっていたのですが,術後の回復が悪い様です.おうちでは手術前までは元気だったそうで,飼い主の方はとても心配されています.頻繁に行っている手術なので,手術には問題ないと思いますが,用心のために,入院させて様子を見ることにしました.

点滴を主体に治療していますが,午前中よりは,かなり容態が良い様です.ほんとに小さなニャンコなので,妊娠や手術のストレスが思いの他,大きかったのかもしれませんね.元気食欲が回復したら退院です.ガンバレ!

写真は,コーギーのドンちゃんです.ワクチンの接種での来院です.お家ではとっても元気だそうですが,今日は,飼い主の方の手の中で,緊張していますね.


●2003年02月06日(木)

★今日のニャンコ★

昨日お腹の大きなニャンコが来院しました.飼い主の方は,子猫の時からお腹が大きかったのであまり気にしていませんでしたが,最近特に大きくなってきたので「もしや,妊娠?」と心配になっての来院です.

ニャンコは小柄で,まだ顔にあどけなさが残っていますが,確かにお腹がポッコリとふくれています.エコーをあてると「ピンポーン,ご懐妊です.おめでとうございます」・・ですが,飼い主方は全然おめでたくなさそうです.飼い主の方はこれ以上飼えないし,野良猫を増やさないという観点からも,急遽手術をすることにしました.

今日(木曜日)午後が休診なので,通常は手術を入れないのですが,明日から3日間学会で不在なため,今日の午前中に手術をしました.手術中に外来の方がみえるとお待たせすることになるので,心配しましたが,幸い「めぐみの雪?」で,来院する方が少なく,落ち着いて手術ができました.

明日から3日間学会で不在です.ご迷惑をおかけしますが,よろしくお願いします.日常の診療に還元できる「知識&技術」を仕入れて来ますね.

●2003年02月05日(水)
★今日のワンコ★

今日は,バーニーズ・マウンテンドッグのジャック君,6歳の男の子です.体重は40kgもあります.迫力いっぱいですけど,非常に情愛深いジャイアント犬だそうです.原産国はスイスです.

●2003年02月04日(火)

★今日のワンコ★

後ろ足を引きずっているミニチュアダックスフンド(MD)が来院しました.レントゲン検査や症状から「椎間板ヘルニア」が疑われます.「椎間板ヘルニア」は,背骨と背骨の間にある椎間板が脊髄の方向に飛び出してきて,神経を圧迫する病気です.軽い痛みがある程度のものから,後ろ足の完全な麻痺,排便や排尿にまで障害を及ぼすものまで,圧迫の程度によって,色々な症状が現れます.胴が長くて足の短いMDに多い病気です.

治療も,お薬で治るものから,手術でも完全に治らない場合もあります.このワンコは「完全な麻痺」ではないので,お薬で様子を見ますが,症状が進行するようだったら手術が必要で,その時には大学病院をご紹介することになります.飼い主の方はとても心配そうです.

幸い,3日後に来院していただいた時には,症状が軽くなっていたので,しばらくはお薬で治療することにしました.最近,MDは大人気で,ワクチンの接種で来院する子犬の70〜80%はMDです.数年後に「椎間板ヘルニア」を発病しないように,肥満と「飛び上がりや飛び降り」などの過剰な運動には,注意して下さいね.

●2003年02月03日(月)
★今日のワンコ★

ミニチュア・ダックスのクリスちゃん,3ヶ月目の男の子です.健康診断&ワクチンの来院です.1ヶ月前と比べると,お顔が随分大人っぽくなりました.

●2003年02月01日(土)

★今日のワンコ★

ご家族3人の方がシーズー犬を連れて来院しました.「2ヶ月前にある病院で血液検査をしたら,腎臓が悪いと言われて治療を続けていますが,元気だったワンコがだんだん元気がなくなってきたので,ご相談に..」と心配そうです.

2ヶ月前の血液検査の成績を見せてもらってビックリ!腎機能をチェックする項目の数値が異常に高い値です.私だったら,検査機械の故障を考えたかもしれません.検査した先生もきっと驚いたことでしょう.治療を続ける中で,何度も検査していますから数値には間違いはありません.この状態で2ヶ月間,ワンコの「生活の質」を落とさずに維持させている主治医の先生に,頭が下がります.

まだ若いワンコですから,生まれつき腎臓が悪かったのでしょう.人では人工透析などの治療方法がありますが,犬は治療にも限界があります.徐々に腎臓が機能しなくなってきたので,ワンコの容態が悪くなってきたのでしょう.病気の説明をすると,治癒を期待されていたご家族の方は,少し落胆された様でしたが,病気を知ることで,残された時間を愛犬と一緒に,心穏やかに過ごすことができると思います.

「セカンド・オピニオン」の役目をちゃんと果たせたかなぁ,と考えています.


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