2002年03月
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●2002年03月30日(土)
★今日のワンコ★

今日は8ヶ月のヨークシャーテリアの抜歯です.普通は5〜6ヶ月の頃に乳歯が自然に抜けて,その下から永久歯が生えてきますが,小型犬では乳歯が抜けないで,横から永久歯が生えてくることがあります.そのままでも大きな問題はありませんが,乳歯と永久歯の間に歯石がたまりやすく,歯周炎の原因になります.抜けてない乳歯が邪魔して,歯並びも悪くなるので,早めに抜いてあげたほうが良いでしょう.

全身麻酔下で抜歯します.少し引っ張ったら抜ける乳歯もありますが,きょうのワンコの乳歯は,ガッチリ入っていたので少し時間がかかりました.全部で4本抜きましたが,これで永久歯の歯並びが良くなるでしょう.今日は矯正歯科の歯医者さんになった気分でした.

写真は,孝太郎くん3ヶ月の雄のワンコです.ワクチンで来院しました.今日は初めての外出だったので,外を通る車や人に興味深深でした.好奇心旺盛な人懐っこいワンコになりそうですね.

●2002年03月29日(金)

★今日のワンコ★

2頭のミニチュアダックスフンドが来院しました.1頭は2歳の雄,もう1頭は,2ヶ月の子犬でこの雄のお嫁さん候補です.ところが,お嫁さん候補のワンコが旦那さん候補の雄に寄っていくと,旦那さんは逃げて行って,部屋の隅でじっとしてるそうです.今まで活発だった旦那さんは,お嫁さん候補の子犬が来てからしょんぼりしています.

「子犬が大人になって,うまく夫婦になれるでしょうか?」と飼い主の方は心配そうです.今まで飼い主の方の愛情を一手に受けてたワンコが,新しい子犬がやってきたので戸惑っているのでしょう.

生後50日より早く親や兄弟から離すと,子犬の社会性に問題が生じ,他の犬とのコミュニケーションがうまくとれなくなると言われてますが,今日のワンコはどうでしょうね.

まだ子犬がやって来て1週間ほどですから,これから一緒に食事したり散歩したりしながら,仲良くなっていくといいですね.いじけないように,前からいるワンコを今までと同じようにかわいがってあげることが大切ですね.

●2002年03月28日(木)
★今日のワンコ★

今日のワンコは当院のモップ&ロクです.ペロリと舌を出してるのがモップでロクの母親です.モップは開業して1年目の頃,当院にやってきました.その頃は毛は伸び放題,汚れ放題で,見た目がお掃除の時に使う「モップ」そっくりだったので,この名前が付きました.

美容院に行ってきれいになって(?)小学校の運動会に連れて行ったら,運動場でボスというハンサムなシーズーに見初められて,2匹の間に恋が芽生えて,4頭の子犬が生まれ,その内の1頭がロクです.女の子です.

ロクは生まれた時に頭の毛の模様が数字の「6」に似てたのでとりあえず「ロク」と呼んでたのですが,それがそのまま名前になってしまいました.

ボスとモップの恋物語やモップの子育て奮闘記は,また次の機会にお知らせします.

●2002年03月27日(水)

★今日のワンコ★

まだ診療時間前の朝一番に電話が鳴りました.「すみませーん.うちの子が先ほど靴下を食べたんですが..」「すぐに連れてきてください」病院で嘔吐させる準備をして待ってると,飼い主の方に連れられてラブラドルレトリバーが来院しました.「あれっ?このワンコ,以前パンツを食べて来院した子じゃないかな?」

カルテを見るとやはりそうでした.この子は嘔吐の処置で無事に靴下を吐き出しました.靴下やタオルなどの布製品は胃の中に留まってる間は大丈夫ですが,腸の方に移動すると腸閉塞の原因になります.かみ裂いて食べた時はウンチに出ると思いますが,丸呑みした時は危険です.飲み込んで時間が経つと吐き出せなくなるので,早めの処置が大切です.

異物を食べる癖のある子がいます.この子も2度目ですから多分そうでしょう.室内で飼われているので,雨の日に洗濯物を室内に干した時は要注意ですね.2度あることは3度・・ないようにお願いしますね.

●2002年03月26日(火)

★今日のワンコ★

10才の雌のワンコが来院しました.「最近,散歩に行っても以前みたいに元気に歩きません」とのことです.食欲もあり,一見すると元気そうですが,念のため血液検査をしました.特に異常はありません.成人病の心配はなさそうです.聴診器で胸の音を聞きますが,ここも異常なし.さて,何だろう?

1年前のカルテに体重が記載してあります.その時が10kg,今日が14kg,体重が1年間に約1.5倍にもなってます.このワンコ,1年前に子宮の病気で子宮と卵巣を手術で摘出してるので,その関係もあって急激に太ったのでしょう.

人に換算すると,1年間で60kgの人が80kgになった計算になりますから,足腰の関節に負担がかかっても不思議ではありません.このワンコは関節炎のお薬を飲ませて経過をみることにしましたが,少し時間をかけて体重も落とす必要があるでしょう.

健康診断で異常がなかったので,飼い主の方は喜んでましたが,心を鬼にしてワンコのダイエットできるかな?


●2002年03月25日(月)

★今日のニャンコ★

今日は10才の雄のニャンコです.頭を怪我して来院しました.きっと他の猫とケンカしたのでしょう.額に2箇所傷があります.頭をガブリとやられたのかな?かまれてから時間が経つと皮膚の下が化膿して,麻酔をかけて切開しなければならなくなりますが,今日のニャンコは昨夜の事件だったようで,化膿止めの処置をして経過を見ることにしました.

いつも決まった子が怪我で来院しますが,不思議なことに頭を怪我する子とお尻の方を怪我する子がいて,怪我の場所もほとんど決まってます.勇敢に立ち向かって頭をガブリとやられるか,「やばい,逃げろ!」て逃げ出したときに後ろからガブリとやられるのでしょうね.頭を怪我するニャンコは年を重ねてくると顔つきが親分風になってきます.日なたで目を細めている風体は「貫禄」を感じます.

猫のケンカを目撃することはあまりありませんが,繁殖シーズンになると路地裏では激しいバドルが繰り返されているのでしょう.ニャンコの世界も大変ですね.

●2002年03月23日(土)
★今日のワンコ★

ラブラドルレトリバーのホタルちゃん,2ヶ月の女の子です.今日はワクチン接種で来院しました.おうちではとってもヤンチャだそうです.前から居たワンコが少し困ってるそうですが,そのうち,きっと良い友達になることでしょう.

●2002年03月22日(金)
★今日のワンコ★

2〜3日前から足を痛がってると言って,雄のマルチーズが来院しました.診察室で歩かせますが,今日はだいぶ良いようです.チョコチョコと動き回り,片足上げてチーってオシッコしたりしてます.とても人懐っこいワンコで,かまってあげるとうれしそうにしてます.

念のためにレントゲンで関節の状態を調べてみますと,膝のお皿が内側にずれてる(膝蓋骨内方脱臼)ことが判りました.膝のお皿を受ける骨のくぼみが浅いので,内側にお皿がずれてしまう生まれつきの病気です.痛みがひどいときは手術することもありますが,大半は痛み止めや運動の制限で様子をみます.

この子は大丈夫そうだったので,階段の上り下りや,高いところからのジャンプなどの激しい運動を控えてもらうことをお願いしましたが,飼い主の方は「いやぁ,この子,精力絶倫なんですよぉ」って少し恥ずかしそうに言われてました.いったい何のことだったんだろう?

どうです?「絶倫」の顔してますか?


●2002年03月21日(木)
★番外編★

今日は春分の日でお休みです.休日はこんなことしてます.
春になって,気持ちいい海になりました.

●2002年03月20日(水)
★今日のワンコ★

今日は,ラブラドルレトリバーのモアナ&プアちゃんを紹介します.写真手前がプアちゃんで後ろがモアナちゃんです.モアナちゃんはブラックなので写真が小さいとよくわかりませんね.2ヶ月の女の子です.体重は9kg近くあります.

今日はワクチン接種で来院しましたが,はじめは知らないところに連れてこられたので,キョロキョロしてましたが,そのうちに,昼間に遊び疲れたのか,診察台の上でグーグー寝てしまいました.診察台の上では緊張でソワソワしてる子が多いのですが,眠ってしまう子は珍しいですね.性格が落ち着いてるのでしょう.盲導犬や介護犬には,こんな性格の子が適してるのかもしれませんね.

飼い主の方のところには,この子たちのお父さんとお母さんがいますから,この子たちを入れるとラブラドルが4頭!大所帯ですが楽しいでしょうね.みんなで散歩に行ったらきっと注目の的です.

●2002年03月19日(火)
★今日のワンコ★

3月15日の「今日の診察室」で交配の時期を決める方法を簡単にご説明しましたが,1ヶ月前に検査をして,交配の日にちを決めたワンコが来院しました.交配はうまくいったようで,今日は妊娠したかどうかの確認にみえました.

人は尿に含まれるホルモンを検出することで簡単に妊娠診断ができるみたいですが,ワンコではまだこの方法は確立されてません.犬の妊娠期間は63日です.超音波検査で妊娠30日目位,レントゲンでは45日目位で妊娠診断ができます.お腹が目立って大きくなるのは,50日以降です.

ワンコのお腹に超音波をあてます.飼い主の方が期待でドキドキ,ワクワクしてるのが伝わってきます.ワンコは小型犬ですから,見落としてはいけないので,お腹の中を注意深く観察すると,直径1cmほどの子宮の中に小さな胎児(といってもただのモヤモヤですが)が見えました.「ご懐妊おめでとうございます!」

飼い主の方は,「うわぁ〜,きゃぁ〜」と喜んでます.予定日が近づいたらレントゲンで頭数を確認することをお勧めして,2〜3の注意事項をお伝えしましたが,飼い主の方は,どうも上の空だったような気がします.

妊娠してないことをお知らせしなければならないこともあり,こんな時は飼い主の方の落胆がこちらにも伝わってくるのでつらいのですが,今日はめでたしめでたしでした.これから1ヶ月間,ワクワクしながら出産をお待ちになることでしょう.

写真は,ミニチュアダックフンドのアッシュちゃん,2ヶ月の男の子です.ワクチン注射を打たれたので少しビックリしてますが,人懐っこくてかわいいワンコです.


●2002年03月18日(月)
★今日のニャンコ★

暖かくなってノミの発生する時期になりました.ノミは1年を通して見られますが,これからが本格的(?)なシーズンです.ノミに弱い子は背中からお尻にかけてブツブツが出来て毛が抜ける,いわゆる「ノミのアレルギー性皮膚炎」を起こしたり,ノミが媒介する寄生虫に感染して,お尻から白い小さな虫が出てきてビックリすることがあります.

ノミは,1.注射や内服薬でノミの繁殖力を絶つことで予防する方法や,2.首筋に滴下したり,体に散布するお薬でノミを駆除する方法があります.詳細はメールかお電話でお問い合わせください.

写真は,アメリカンショートヘアーのサクラちゃん,3ヶ月の女の子です.ワクチン接種で来院しました.知らないところに連れてこられて,少々緊張してます.

●2002年03月16日(土)
★今日のワンコ★

6ヶ月のヨークシャーテリアのタロウ君がお耳を痒がるとのことで来院しました.外耳炎はよく診る病気ですが,タロウ君のお耳はそれほど汚れてません.「特に異常はないかな」と思いましたが,念のためにミミアカを採集して顕微鏡で観察すると,あらまっ「ミミダニ」がいました.確かに痒みが強かったようで,よく見るとお耳の後ろの毛が少し薄くなってます.後ろ足でポリポリ掻いていたのでしょう.

ミミダニはお耳の中だけで繁殖するダニで肉眼では見えません,お耳の中でゴソゴソ動いて耳道をかじったりするので,ミミダニが寄生するととても痒がります.治療すれば完治しますから,あまり心配はいりませんが,顕微鏡につないだモニター画面にダニが大写しになると,飼い主の方はびっくりします.今日は,お耳を詳しく検査して良かったな.

●2002年03月15日(金)
★今日のワンコ★

「発情が始まりましたが,いつ雄犬と交配させたらいいでしょうか?」という質問をよく受けます.一般的には最初に発情出血に気付いてから10日目と12日目に2回交配させます.交配の回数が決められてる時はこのようになりますが,特に決められてなければ,最初に出血に気付いて7日目頃から雄の所に連れて行くといいでしょう.

雌は発情期でなければ雄を受け入れませんから,昨日はダメだったけど,今日はうまく交配できた,ということもあります.

発情期間は個体差があるので,スメアー検査と言って,膣の粘膜の細胞を綿棒で少し採集して,顕微鏡で調べて日にちを決めることもあります.検査結果と出血が始まった日,陰部の大きさなどを総合的に判断して一番良い日を決定します.

今日はシーズー犬のパールちゃんがスメアー検査で来院しました.検査の結果,来週の前半にお相手の雄のところに行くことにしました.

「ハイ、私、頑張りますっ!」って顔ですね。うまくいくといいね。


●2002年03月14日(木)
★今日のワンコ★

今日はパグ犬のキキちゃんをご紹介します.6ヶ月の女の子です.昨年の9月に生まれました.お母さんは大きくて立派な体格をしてますが,陣痛が弱かったので,帝王切開で4頭出産しました.

兄弟はお母さんに似て大きな赤ちゃんでしたが,最後に取り出した一番小さかった子がキキちゃんでした.他の子と比べると自分で呼吸するまで少し時間がかかり心配しましたが,今はとっても元気です.

姉妹のキリンちゃんとお母さんのマルちゃんと仲良く暮らしてます.

●2002年03月13日(水)
★今日のニャンコ★

以前から口内炎の治療をしてるニャンコが来院しました.11歳のオスのニャンコです.「鼻カゼがなかなか治らなくて,最近少し元気もない」とのことです.定期的に来院してますから,体重が記録してありますが,特に痩せてきてるわけではありません.食欲はそれほど落ちてないのでしょう.

そこで飼い主の方のご希望で血液検査をすることにしました.「フニャ〜」と怒る猫をなんとかなだめすかして,採血をします.貧血や脱水の有無,白血球の数,肝機能,腎機能,糖尿病,etc..と検査を進めていきますが,特に異常はありません.成人病は大丈夫のようです.

次に,猫白血病と猫エイズの検査をすると,エイズに感染してることがわかりました.猫エイズは主に他の猫からかまれることで感染します.外によく出て行くニャンコですから,どこかでエイズ陽性猫から感染したのでしょう.

エイズに感染してもすぐに命にかかわることはありませんが,口内炎やカゼが治りにくい傾向があります.ストレスが病気の進行を早めますから,これからはあまり外には出さないで,おうちの中でのんびりと過ごすのがいいでしょうね.

☆今日のニューフェイス☆
ミニチュアダックスのハルちゃん,生まれてまだ50日目の女の子です.お母さんから離れたばかりで,離乳食がうまく食べれないので来院しました.ペットミルクや高カロリー栄養食,ドッグフードを使った離乳食のレシピと食事の与え方をお伝えしました.今日は,うまく食べることが出来たかな?

●2002年03月12日(火)
★今日のワンコ★

高齢なワンコを飼っている飼い主の方から「夜鳴き」のご相談を受けることがあります.外で飼ってる場合が多いのですが,夜中に突然「ギャン,ギャン」と吠え出すので,ご近所に迷惑になるので困ってるというご相談です.これは高齢犬のいわゆる「ボケ」の症状です.

グレートデンなどの超大型犬は5〜6才,マルチーズなどの小型犬は12才位から高齢期になります.高齢になると,耳が遠くなる,目が白内障になって少し白くなってくる,などの症状が出てきます.これは普通の老化現象ですが,飼い主の呼びかけに反応しない,同じ所をグルグル回る,部屋の隅に頭を突っ込んで戻れなくなる,自分の寝床で排泄してしまう.昼と夜が逆転して夜中に吠え出す,などの症状が「ボケ」の主症状です.

適度な運動で脳を活性化する.1日に1回は遊んであげて生活に刺激を与えることなどが,「ボケ」の予防には効果的です.近々,症状の進行を抑える抗酸化剤を強化した特別食も発売になるようで,人間社会同様,犬の社会も高齢化対策が問題になって来てますね.

写真は当院のコテツ君です.10才になります.お鼻のまわりの毛が最近白くなってきましたが,週に3〜4回のジョギングがいいのか,まだまだ元気です.

●2002年03月11日(月)
★今日のワンコ★

柴犬のゴンタ君,8歳です.4歳の頃から皮膚病の治療で来院してますが,最近はとても良くなりました.一言で皮膚病と言っても,細菌の感染やダニなどの寄生虫によるものから栄養性のもの,アレルギーまで原因は様々です.アレルギー性の皮膚炎を起こす原因も,食事,環境,ノミなどの寄生虫など種種雑多で,まず原因を見極めることが大切で,飼い主の方の協力と根気が必要です.

ゴンタ君の飼い主の方はとても協力的でしたので,最近はほとんど治療の必要がなくなりました.なかなかハンサムなワンコと思いませんか?

●2002年03月09日(土)
★今日のワンコ★

今日は13歳のオスのゴールデンレトリバーの目の下にできた約1cmの腫瘤を切除しました.昨年の暮れに来院したときは,小さく切開して内容物を押し出して処置しました.最近また大きくなってきて,下のまぶたにぶら下がってるので,ワンコは「あかんべぇ〜」をしたようなお顔になってきました.そこで,思い切って切除することにしました.

大型犬は小型犬に比べて年を取るのが早く,人の年齢に換算すると,この子は70〜80才くらいになるでしょう.手術前の検査で特に異常は見られませんでしたが,高齢ですから麻酔には神経を使います.手術は40分程度で終わり,10数分後にはワンコは無事に目覚めました.手術跡が少し腫れてますが,「あかんべぇ〜」からは開放され,もとのハンサムなお顔にもどりました.

☆今日のニューフェイス☆
秋田犬のコリンちゃん,3ヶ月の女の子です.1ヶ月前の体重が6kg,今日が13kgです.もう中型犬ほどの体重があります.子供さんから尻尾やお耳を引っ張られても全然気にしてません.まだまだ大きくなるので,飼い主の方に抱っこされて診察室に入って来るのは,今日が最後でしょうね.ゆったりした大きなワンコになることでしょう.

しかし,前足が大きいなぁ〜.どこまで大きくなるんだろう.

●2002年03月08日(金)
★今日のニャンコ★

3歳のオスのニャンコが来院しました.「なんか胸のあたりに穴が開いてるみたいなんですが・・」と飼い主の方は心配そうです.診察すると,丁度胸の真ん中あたりの皮膚が,直径2cmほどなくなって穴が開いてます.多分,ケンカの傷が化膿して皮膚が落っこちてしまったのでしょう.

猫のケンカによる外傷は,受傷後しばらくして化膿してきます.猫の皮膚は厚いので,相手の牙や爪が入ってもしばらくは気が付きませんが,皮膚の下が化膿してきて,遂には皮膚の一部が破れてびっくりして来院されることが多いようです.破れる前が一番痛いので,猫は元気がなくなってじっとしてます.体を触ろうとすると「ギャオ〜」って怒ります.以前「うちの猫が気がおかしくなった.普通はおとなしい猫なのに,今日触ろうとすると急に怒りだした」と言って来院された方がいましたが,良く調べてみると,尻尾の付け根が化膿してました.

今日のニャンコは麻酔をかけて7針縫いました.見た目はすごいけど,きちんと治療すると経過は良好です.

☆今日のニューフェイス☆
チワワの大ちゃん,りっぱな名前ですね.大ちゃん,写真ぎらいだそうで,カメラを向けると逃げて行きます.元気な3ヶ月の男の子です.

●2002年03月07日(木)
★今日のワンコ★

ミニチュアダックスフンドのオペラちゃんです.3ヶ月の女の子です.今日はお腹をこわして来院しました.

下痢や嘔吐する病気のなかで,犬の伝染性腸炎(パルボウイルス感染症)という病気があり,子犬が発病すると死亡率の高い疾病です.ワクチンで予防出来ますが,子犬が下痢で来院すると一番初めに頭に浮かぶ病気です.

幸いオペラちゃんはワクチンも接種してあり,熱もなくて元気食欲旺盛とのことで,安心しました.多分,少し食べ過ぎたのでしょう.診察台の上では少し不安そうでしたが,お家では元気に走り回ってるそうです.

●2002年03月06日(水)
★今日のニャンコ★

今日はオス猫のサブちゃんです.ワクチン接種で来院しました.もう10才になりました.若い頃は1年に2〜3回は外傷の治療で来院しました.化膿止めの簡単な処置で治るものから,麻酔をかけて縫わなければならないものまで,様々です.

この子は去勢手術をしてないので,恋のシーズンになると,ほとんど家に帰らないで,たまに帰って来ると怪我でボロボロになってて,その足で病院に連れて来られてました.恋人を獲得しようとすると,猫の世界も大変ですよね.きっとアッチコッチに子供や孫がいるんでしょうね.

怪我が多いので最近は外に出してもらってないそうですが,以前と比べると雄猫の「風格」の様なものが出てきました.「人生の苦渋を知ってる苦みばしったナイスミドル」ってとこですかね.これからも元気で,ダンディズムに磨きをかけてくださいね.

●2002年03月05日(火)
★今日のワンコ★

3歳の雌の柴犬が避妊手術で来院しました.理想体重7〜8kgですが,このワンコは10kgで太り気味です.手術が始まってまず皮膚を切開しますが,普通はすぐ下に腹筋が見えますが,この子は皮下脂肪におおわれてなかなか見えません.お腹の中にも脂肪が多くて手術に少し苦労しました.雌犬の避妊手術は,まだあまり脂肪が付いていない生後1年以内にするのがベストですね.

☆今日のニューフェイス☆
キャバリアのキャンティちゃん,2ヶ月の女の子です.飼い主の方の所に来て2週間目で,健康診断で来院しました.おとなしいワンコです.将来,美人(美犬?)になりそうです.

●2002年03月04日(月)
★今日のワンコ★

今日はおしりに出来た腫瘍の切除手術です.13才の雄のシーズー犬です.雄犬は10歳近くなって年をとってくると,肛門の周りに腫瘍が出来てくることがあります.肛門周囲腺腫といわれる腫瘍ですが,この中に肛門周囲腺癌という悪性のものも含まれます.放っておくとどんどん大きくなって,遂には表面が破れて(丁度熟した果実が破れた様)になって,悲惨な状態になります.雄犬特有の病気で,発病にはホルモンが影響すると言われ,若いときに去勢手術をしてる雄には少ない病気です.

今日のワンコにはお尻の上に1個,下に2個の合計3個の腫瘍がありましたので,広範囲な切除になりました.あまり大きくなると切除も大変になるし,肛門括約筋などにも影響を与えて,排便に影響を与えるようになりますので,小さなうちに取り除くことが大切です.

今日のワンコは高齢でしたが,元気なワンコだったので,若い子と同じように手術は順調に終わりました.

写真は入院室でのワンコの様子です.手術の傷口を舐めないように首の周りにカラー(エリザベスカラーと言います)をはめられてます.「いやぁ,今日はまいったなぁ」って顔してますね.



●2002年03月02日(土)
★今日のワンコ★

パグ犬のチコちゃん,4歳の男の子です.体重はなんと13kgです.パグの平均体重は6〜8kgですから,どのくらい大きいか察しがつくと思います.特に肥満と言う感じではないので,もともとが大きなワンコなのでしょう.今日は,お耳のお掃除と体重測定で来院しました.

この子が初めて来院した時は,生まれて45日目でした.飼い主の方のところに来て1週間目で,下痢と嘔吐でグッタリして来院しました.伝染病の疑いもあったので入院して治療しましたが,この時の体重はわずか900gでした.点滴をするための管を手の血管に入れるのですが,体が小さいので細くて大変だったことを思い出します.

症状が回復しても食欲がなかったので,牛肉やお米,ミルクなどで特別食を作って食べさせました.退院の時もそのレシピをコピーして飼い主の方にお渡ししましたが,お家で食べてくれるか心配でした.

その子が今ではこんなに大きくなってビックリです.でも性格は当時のままで,甘えんぼさんで,おっとりとした,いいワンコです.

●2002年03月01日(金)
★今日のニャンコ★
昨日の続きです.
「あのニャンコどうしてるかなぁ.見つけた所に戻したりしてないかな.」と気になってたのですが,2日後に再びあの女性が子猫をカバンに入れてやって来ました.心なしか子猫の表情が穏やかになってます.

「良く考えたのですが,飼ってあげることにしましたのでワクチン接種をして下さい」とのことです.そうです.晴れてこのハンディキャップニャンコはこの女性に飼ってもらえることになりました.排便や排尿の介助もうまくいってるみたいです.

その後,ワクチン接種や定期検診などで来院されてました.いつの日からか,やさしそうな男性の方とご一緒に来院されるようになり,赤ちゃんが生まれてお母さんになって...と月日は過ぎましたが,ニャンコはずっといっしょです.

このニャンコ,下半身が不自由とは言っても,とてもすばしっこくておてんばニャンコです.飼い主の方がご旅行の時などにお預かりしますが,少し油断すると「ギャオ〜」と襲ってきます.その速いこと速いこと.おうちでも前足だけで走り回ってるそうです.

もしあの雨のクリスマスの夜に事故にあわなければ,見つけてもらえずに,今のやさしい飼い主の女性とはめぐり合わなかったかもしれません.何が幸運を呼び込むかわかりませんね.

☆今日のニューフェイス☆
写真はコーギーのリキちゃん,2ヶ月の男の子です.ワクチン接種で来院しました.おうちではヤンチャだそうですが,診察台の上では緊張してました.


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