●2002年02月28日(木)
★今日のニャンコ★ 数年前のクリスマスの夕方,大学生風の若い女性が子猫を連れて来院しました.道端に雨に打たれて弱ってるのを見て,素通り出来ずに連れてきたそうです.子猫はびしょぬれで震えています.診察すると後ろ足が不自由なようで,前足だけを使って歩こうとします.後ろ足に麻痺があります. レントゲン検査で,背骨を骨折して脊髄を損傷してることがわかりました.重症です.後ろ足は全く動きません.飼い主の方に,将来も後ろ足を使って歩ける可能性は,ほとんどないこと,多分,自力での排便,排尿は不可能なことを告げます.後ろ足の筋肉がまだ小さくなってないので,事故にあってあまり時間がたってないのでしょう. 体が弱ってるので,点滴などの治療はしましたが,切れた神経をもとに戻すことはできません.治療で元気,食欲は回復しますが,このようなハンディキャップをもった子猫が,野良猫として自力で生きて行くことは不可能です.飼ってあげるのが一番ですが,排便排尿などの介護が生涯必要です.もし保護したところにまた戻すのであれば,衰弱して亡くなってしまうのは目に見えてますから,早めに楽にしてあげたほうがこの子ためには良いのでは,とお話しました. 連れてきた方は冷静にお話を聞いてくれて,少し考えさせて欲しいと言われましたので,介護の方法を教えて子猫をお返ししました.子猫はタオルにくるまれてカバンの中に入って帰って行きました. さて,この子はこれからどんな運命に・・・.
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