●2022年08月31日(水)
☆今日のニャンコ☆ 生後半年位のメス猫の不妊手術をしました。手術は、まず始めに鎮静薬を注射します。これを打つと、猫は大人しくなります(野良猫はなかなか気合が入っているので大人しくなりませんが・・)。鎮静剤を打つと、かなりの頻度で嘔吐します。猫が異物(携帯のストラップ、ピアスなど)を飲んだ時も、この作用を利用して吐かせるために使うこともあります。 今日のニャンコも投与後10分くらいで、吐き始めました。いつものことなので、気にもしていませんでしたが、吐いたものを見てビックリ!幅が5〜6ミリで長さが30センチ位の白い紐みたいなものが出てきて、それも2本です。「あれぇ〜、この子、紐食べてるわ、腸に引っかからなくて良かったなぁ」 ところが、その紐がゆっくり動いています。 この子が保護されたときに、当院に連れて来られました。健康診断で検便すると、虫卵が見えました。あまり見ることがない虫卵です。「マンソン裂頭条虫」という寄生虫の虫卵で、ヘビやカエルを食べると感染します。「この子、今まで、ヘビやカエルを食べて生き抜いてきたんですね、たくましい猫ですね」とお話して、駆虫薬を注射していました。 この虫は駆虫薬が効きにくくて、通常の5倍量位で打ちますが、駆除できなくて、何回か注射して、やっとお尻から出てきたことがあります。 今日のニャンコも、お腹の中で今まで、飼っていたのでしょうね。猫は特に異常なく、便の状態も、食欲も、普通だったそうです。これが、紐だったら、間違いなく、小腸にからんで、腸閉そくをおこしていたでしょう。寄生虫も生きていかないといけないから、宿主にダメージを与えないようにしながら、栄養を取っていたんでしょうね。 貴重な虫体は、ホルマリンで保存しています。
|